tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

Me 6

2017-05-18 07:52:53 | 50on 『 ま~ 』
悩んでもと時計を見たが会長に電話する彼女がいた。
「楽しんでますか?…なぜお兄さんと姉さんを苦しめるの?」
「しとらんぞ…なんだ夜に(怒)何の話だ!」

「会長命令で部屋を共にしろと…お兄さんが来ています…今もドアの向こうに…」
「明日紫尹が来るのにか? そう言ったろう…」

「命令だと…お酒の力を借りて。
姉さんも…仕事も失いたくないと、廊下の端で見張られているから、部屋に入れてくれと…そう言ってます」
そんなに嫌われていたのかと、肩を落とす彼女…

「娘達の幸せを願うに、なぜ行かせる…」
戸惑うように声にして、探るように聞き入った。
「酔いながら言ってます…嘘をついてると思えません…助けて下さい」
震える声音に驚くのだった。


ドアのチャイムが鳴った。
「誰か来ました…」
「出なくていい…」
すき間があくと声がした…自分で鍵は閉めていなかったと思い出した。

「深紅…開けなさい…。ジホは居ないわ。早く開けなさい(怒)」
ベッドに座りこんだ…
「紫尹のお母さん…」
呟く深紅は力が抜けて涙した…。

受話器を落とす…しくんだ人の声が静かに自分の中で響き、どうして ここまでという思いは消えていった。

「早くあけなさい(怒)」
怒りの声に諦めて姿を見せた彼女…ドアに近づくと座りこんで寝ているジホが見えた。

「まったく…役にたたないわ」
彼女の視線に苦笑いをして見返した。
「なぜ…」
それしか声は出ない…震えながら話をしていた。
「紫尹を大事にしないからよ。会長が苦しむわ(笑)」
「姉さんが悲しみます…」

「大丈夫よ(笑)、ジホより出来る男を探すわ…。まずは開けなさい」
「出来ません…」
怖くても震えさえ起きず、力も出ず…ただ項垂れて聞いては声にしていた。

「事実を作れば会長も呆れ二人で出ろというわね(笑)
ほら命令よ…鍵を開けなさい」
「人が来ます。お兄さんを部屋へ寝かせてあげて下さい…。お兄さんは姉さんを愛してます」

「会長に言いなりじゃ婿は駄目よ(笑)紫尹も幸せになれないわよ」
「愛しあってれば十分…」
「紫尹に諦めさせるわよ(笑)惚れやすいから平気…」
簡単に声にして彼女の声を巻き込む勢いまであった。

「姉さんは午前中にココにきます…悲しませたくないから」
「誰が呼んだ?貴女でしょ?。
まったく…馬鹿な子ねぇ…行くなと止めたし来ないわよ(笑)」
苦笑いをしながら呟く人を眺め聞いていた。
「くるはず…」
「私が言ったわ(笑)来ない」

先に見越して連絡をしていたのかと、最後の力さえ奪われたように座りこんだ深紅
「早くあけて…人が通る時間帯になっちゃう…」
「どーしたいんですか?」

「破滅させたいのよ…貴女をね。
ずっと…会長の目に止めて貰い、仕事をさせてくれてたじゃない。
紫尹には目もくれずに…」
ムッとして呟く人を眺めた。

「姉さんは仕事をしたがってました。反対したのはお母さんでしょう…」
「女の子は養って貰うのが一番だからじゃない…」

「姉さんは仕事をしたかった。私も一緒にしたかった…。
私一人にしたから…私には自由が無くなりました」
「乗っ取りそうだったから見張ったのよ(笑)。それに生活を守ってくれなきゃ…」

「会長とお兄さんが守ってるじゃないですか…」
「深紅が目立つからよ」
「お母さんが話題に出すからでしょう…隠れたいのに…」
「利用しなきゃ…」
聞く耳はないのだと諦めた…

「もうやだ…いっそ殺して下さい。貴女に利用されるくらいなら」
「やーよ…私はしないし人に頼んだわ。大丈夫よ貴女の好きな場所にまいてあげるわ…」
ため息をしてドアをあけ、見返した人が静かに入りこむと母親がニヤける姿を眺めるだけだった。

「入りなさい…」
二人の男がジホをベッドに寝かせ指示を待つように佇んだ…その目が笑っていた事で、自分の先を知った。

「お母さん…お兄さんはいい人よ。姉さんを大事にしてるの…悲しむわよ…」
「だから…いらないんだってば(笑)必要ないの…」
何を言っても反対し、自分の言葉は絶対だと言いたげな声…
諦めたが姉の泣く姿はみたくないと声にしていたのだ。


「どちらが?」
見知らぬ男が囁いた。
テーブルに酒をおき薬を置いた人もいた。
「予定通り(笑)」
男達が彼女を捕まえ床に倒すと、ゆっくりと首を締めていった…


されるがままで力さえ入らない…抵抗する気さえ沸かない自分だった。
薄れ行く意識に見知る映像が見え…彼女が微笑んだ。





目覚めた彼女は、真っ白な空間に微笑んだ…全てに解放されたのかと思えたのだ。
静かな部屋に光りが差し込んでいて綺麗に見えたのだ。

繋ぐ温かな手に笑み握り返すと、彼が目を覚ました。
悲しく見つめている彼が話す。

「なんでドアを開けたんだ…」
「終わりにしたかったから…私には無理だもの…」
彼女の目から涙がこぼれた。

「泣くな…まだ寝てろ。
皆がくる…少ししたら煩くなるはずだから…寝とけ」
「目を閉じたら…水槽で輪を潜るイズミが見れたの…。
最後に見れて良かったって…そう思ったら…」

「だから笑ってた?」
思い出したように彼が聞いた。
「真っ白イルカを思い出したら…苦しくて…、楽しかった瞬間を思い出したの…苦しくないように。

ふと考えて…思い浮かんだ…。
お兄さんは大丈夫だった?」

「大丈夫だ…間に合った」
「良かった…。姉さんは来なかったろうから。
でも今は辛いね…。大丈夫かな…今は一緒にいれてる?
お母さんの事で苦しんでないかな…。どうしてるかな…」

「深紅はいいのか…」
自分よりも兄達を気遣う深紅に驚き、その笑みは本当なのだと感じた。
「半分は育ててくれた人だし…嫌な事ばかりじゃなかった…から…」
「深紅…人が善すぎる…」
溢れた涙を拭き取ってやり、彼女を見つめたのだった。

彼女は、天井を見つめ…ぼーっと見つめ自分にか…微かな笑みを浮かべた。
「……疲れた」
「寝ろ…」と彼は呟いた。

「退院していいのかなぁ…」
「(笑)今まで寝てて?」
「飽きた気がする…」
彼女の呟きに、微かな笑みにホッとした彼もいた。


自分の体を少しずつ動かして確認していく…
体を起こし…外を眺め見ていた。
少し先に海が見えた。窓をあけて貰い、風を感じ微笑んだ。


「イルカを見に行ける?」
楽しみにしていた気がした彼は、笑みを浮かべながら彼女を見つめた。
「(笑)退院出来たらな…」
「退院するから連れてってよ…」
彼女を抱き締めて一緒に眺めていた。


「やはり(笑)
良かった、目が覚めて…。窓は閉めて下さい(笑)
すぐに風にあたるとは…」
声に気づいた看護師が部屋を覗きながら呟いた。

「元気ですけど?」
直ぐに言った彼女に驚いて見返した。
「よく言いますよ(笑)…1ヶ月も眠っていたんですよ? そんなに急に動けませんよ?」
「1ヶ月?…」
見上げて、彼をみやるとイズミは苦笑いをしながら頷いた。

「検査しますよ(笑)車椅子に乗って…」
完全に支えこむ人に驚いて、大丈夫だと言っても無理だと手を出してきた。
「歩けます…(笑)早めに終わらせ…」
倒れる体に驚いた。

「(笑)分かりましたか?1ヶ月動かさないだけで人は歩行さえ(笑)」
と笑うと、彼女を抱き上げて車椅子に座らせた彼…驚いた顔の彼女に笑う看護師は連れて行った。



毎日…頑張る深紅はリハビリにせいを出し、パソコンで紅達と話をしていた。
「大丈夫よ(笑)心配しないで体を鍛えなさい…」
「返してくれないのよ…」
「仕方ない(笑)。ずっとイズミがいてくれてるの。
深紅は感謝しなさいよ…」

「いないし…」
「話さない?」
「会ってない…いるの?」
「仕事してるわ(笑)」
「ダイバーの?」
「そうよ…(笑)あっ時間だね」
「ん…バイバイ(笑)」
「頑張って戻ってきて(笑)」

パソコンをしまうと、そっとベッドからおりて窓から眺めみた。


オレンジ色の夕焼けに笑み、海を眺めた。
髪が風に揺れ笑いながら髪を抑えた。
ドアがあく音に笑み、気配を辿った。

「起きてたな(笑)」
「なんで寝てる時間に来てたの?…毎日来てる?」
「夜には帰るぞ…仕事あるしな」
ベッドに座り話をする彼に微笑んだ。
黙ったまま…外を眺め呟く。

「イズミ……ごめんなさい。心配かけてゴメンね…。
ずっと居たのか(笑)知らないけど…」
「暇すぎて仕事してたんだ…」
そう言いながら彼は抱き締めた。

「ありがとう(笑)。苦しめてるよね…ごめんなさい」
「どーやって償う?(笑)」
言われて驚き彼を見つめた。

考えた深紅が、体の向きを替えて抱き返しギュッっと腕を回した。
「(笑)嫌じゃないなら…毎日ギュッってしてあげる…」
「なら手はココで、顔はこの辺で(笑)口はココに…」
笑い、そう言いながら彼女を抱き返した。

「自分を捨てるな…。
俺に償うなら(笑)生きて俺に会え。終わりまで…」
「私は…」
彼の言葉に戸惑った…

「産みの親の為に父親の所で暮らしてて、家族と強要する者の為に働いて…何をされても深紅は言いなりだろ。
辛さに目を閉じて小さな喜びだけを心に刻み込んでるように見える。

深紅の本当の心は、どこにあるんだ…。自分の為に生きて行け。自分を大事にしろよ…」

「私が何かをすれば…誰かが叱られ困る人が出るの…。
言った望みが叶うと…叶った分、回りの人が不幸になる事に気づいた。

言われた通りにすれば、回りの人達は苦しまず危険もない(笑)
だから学び…習い…働けてる…。逆らえば大好きな人達が危ないから。

だから…自由に生きちゃ(笑)駄目。
自由を少し求めたから…お兄さんまで巻き込んでしまった…姉さんを悲しませる事になってしまった…。

紅達を解放して貰いたかっただけなのに……少し…ココで息抜きしたかっただけなのに…」

涙をこぼしながら言った彼女…辛いと呟いた声音に苦しく、腕の中で泣く彼女を優しく包みこんだ彼だった。


ドアがあき声がした。
「目覚めて良かった…」
聞き覚えがある声に彼女は振り向き見つめた。

「お兄さんを巻き込んで…ごめんなさい」
「生きてるから許す(笑)。それより…深紅が生きてて良かった。
あの人は、ちゃんと捕まったから大丈夫だよ(笑)安心して」

「姉さんは、辛いでしょ?」
「全然…(笑)。
ただ怖かっただけ…声にしたら余計に怖くて我慢してた。
深紅と話してる間も後ろで聞いてたから…言葉を選んで言ってたの。

本当は大嫌いだった…でも反発したら深紅を攻撃するから、言う通りにしてただけ…。
まだ私が深紅を苛めてる方が安心だったから。

深紅は覚えてない?。私の母親じゃないのよ…。私を娘と思いこんでた…疲れたよ」

「お兄さん…」
「彼とは偶然(笑)。会社で迷子になった時に出逢ったのよ(笑)。
休んだ場所に上着を忘れて…一緒に探してくれて(笑)
お礼にって、頑張って食事に誘って…理由つけて会いに」

「内緒にしてた?」
「当たり前よ…巻き込むし…」
「逃げようとしてたね…」
「(笑)気づいてたんだ…」
「少し(笑)なんで逃げなかったの?。お兄さんなら一緒に逃げてくれる気がしてたよ?」

「全てを話して頼んだら…妹を置いてきぼりに出来るのかって。
なら仕事を頑張って地位をあげて、堂々と結婚して、守ると言ってくれたの(笑)。

我慢して私が傷つけた深紅を助けて貰ってた…だけど間に挟まる不安は多くて……
私は口だけ強めに言えば大丈夫だろうからって、それでも防ぐ事も出来なくなってきて…」

「あの…深紅と本当の…」
不思議そうに眺めた彼…あまりの違いに声にしたのだ。
「えぇ(笑)姉妹よ。
実の母親から捨てられて私達は連れて来られたの。
ちょうど死んだあの人の子と同じ歳だったから…」

「だって…」
「そうね…貴女は殆んどメイドに育てられてた。優しい人だったから(笑)安心していられたのも確か。

暮らし始めてから別にされてたけど、楽しかったよね…昔は。
あの人は狂ってたわね。会長はなぜ、そばに置いてたかわからない…」

「私の…娘だからだ。お前達は私には孫だ。騙してて悪かったな」
「 ・・・」
「なぜ…父と…」
「後継者が必要だった。だがお前達の父親が死んだ時に、母親は逃げた…」

「それって…」
紫尹が呟くと黙ったまま頷くのだった。
「半分は気が触れ…病院へ入れた」
「じゃ…捨てられてない?」
祈るように会長を眺めた。

「小さかったから…忘れるだろうと。手続きしている間に、事故で子を失ったハナは狂ってしまった。

だが紫尹をみて…正気に戻ったんだ。深紅はソラに似てたから…育てなかった。
父親がソラを選び出ていったから…その辛さが引き起こしたのだろう。すまなかったな……」

「お母さんは?…」
「ソラか?」
会長が聞く。
「違う……」
「医療施設に入ったよ…犯罪も起こした…。二度と出れん…」
「私のせいだね…」

「違う…違うぞ。私が上手く愛せなかった…それが全てだ。
もっと口を出せば…ハナはお前を辛い目には させなかったろう…。あんな事にはならなかった。
家族として…始めたかった」

「間に合います。やり直しは、いつでも出来ます…気持ち1つで自由です」
「イズミと言ったな…君が行かなければ、深紅は死んでた。
ジホもな……ありがとう。大事な二人を守ってくれて感謝する。
ジホよ…紫尹を頼む」

「大丈夫です(笑)」
「深紅…お前は彼と生きれるか?……よく考えて療養しなさい。
君も…今の状況をみて考えなさい。そう簡単に…深紅が変わる事はないだろう、小さい頃から自分を生きてなかったから。

互いの先を話してみなさい…それが現実だろうから」

悲しく見つめ部屋を出ていった事にジッと眺め、何の事かと訝しげた彼。
その意味を知る兄の顔は曇った…驚いた顔の深紅も理解はしていなかった気がした。

あれだけの事を水に流す深紅…あれだけの事をしていた姉…
何事もないかのように全部を許し、起きた事は夢だと言いたげな言動に彼一人が戸惑った…