tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

思慕 2

2017-07-14 07:57:45 | ちょっと長めの空想・・・
『昼からよ(笑)まずはクラウンに行くわ…』
集まった彼女達へ声をかけて行った。

『コラボだって?』
『クラブだから…飲み物は気をつけて(笑)』
『ねぇ…アヤのボディクリームかして』
アヤノが指をさした…取りに行けと。

『サンキュ(笑)』
『ハンナはもう準備?』
『トウコ…服、知ってる?貴女も丸だしよ(笑)』
『えっ……』
ゆっくりと皆をみやり確認していた、不適な笑みを浮かべたダリル…

『マジか……が、頑張るよ』
ヒナノが頷く…
『貴女はショートよ(笑)ロングじゃない…』
『え………』
慌てて部屋へ走り込んだ。

『2時間後に迎えに来るわ。準備しといてね…………アヤ、貴女は?』
『大丈夫(笑)ロングだし。露出は上半身でしょ?コートあったしね…』
『脱げたらと言われたわ(笑)』
『どこでよ(怒)』
『さぁ…聞いてない』
『バランスみたらに…』
するとイヤホンをする手を止められた…

『本番は色は目立たないのにして…貴女は黒だから(笑)』
『了解…』
それぞれに準備を始めた。




一室にモデルが集まる…
赤青緑黄白黒…同色でも、ミニスカートやショートパンツ等々で、上下のデザインも少しずつ違っていた。

『あー君たちは、こっちだ。名前通りに頼む』
『あっちは?』
『今から来るモデル用だ。君らはメインだからな(笑)頼むぞ…』
渋々納得し着替えを始めた。


『生地が違うね…まぁこっちも格好いいから許すけど…』
衝立一枚……揃って着替えながらぼやく…

向こうから誰かが入ってきたようだった。
『仕上がりは確認してある。今日は頼みますよ…』
『こちらのモデルのデザインも素晴らしい…感謝しますよ(笑)』

『気に入ったかしら……カラーも雰囲気に合うように指定しましたが…いかがでした?』
『着替え中です(笑)』

『私達のはコレ?』
『そうよ(笑)色は言ったわね、ちゃんと着替えて…』
『了解~…』
カラカラ纏めて押しやり中へと入った彼女達……

中でざわつく……その驚いた顔に笑み返した彼女達。
『大丈夫(笑)女よ~気にせず着替えて出たら?』
『今日は仲間よ(笑)ライバルじゃないわ……』

『知ってるわよ……ただ生地が違うから…』
『これは薄暗くても目立つの(笑)同じが良かった?』
『あー(笑)だからか……嫌な視線浴びるわよ?』

『この服装だし…この時点で諦めなきゃ(笑)貴女達は日中も着るでしょ?……もーっと頑張って』
『よろしく…』
そう言って腕を出すとトウコが笑み、握手した。

すっと入ったアヤノが…
「げっ…」っと嫌な声を出す…誰もが笑みを浮かべて眺めた。

「頑張れ~」
「隊長みたいよね…これ」
カレンの呟きにため息をする。

即座に脱いで着替えを始めた。
『なんで上着を?』
別のモデルが聞いた。
『どっかで脱がされんのよ(笑)』
『男が考えた趣向ですよね…』

中での会話に謝る…
『ヒナ…お前も着替えて来い』
『了解…』

髪をセットし化粧をする。
カラフルな衣装に、モデル達は肩を落とす……それぞれの姿を見合い苦笑いしか出なかった。


『(笑)それは着替える前に出しなよ…』
『この丈…ヤバい…』
『だから下着が着いてる(笑)』
『皆さん背が…』
『ヒールよ(笑)きっと』
『にしても高いわ…』
呟きながら彼女達は出ていった。

『この透け感が嫌だ(笑)』
言いながらジップをあげる彼女。
『白はヤバい(笑)』
個々に呟き感想さえ呆れた呟きだった。
一斉に出た彼女達にスタッフが驚く……この連続に苦笑いだ。

モデル達を置き…彼女達は部屋を出ていった。

日程を説明していくとスタッフは声にした。
『じゃ…出発だ(笑)頑張って』
誰かの声に頷くと、別のスタッフは残りのモデル達を部屋から出した。


ソレはバスに乗るまで続いた…
改めて…社の前に大量の目映い光りが放たれた。
乗り込んだ彼女達を出迎える…
『フラッシュが半端ない…』
『気持ち悪い…』
仲間が介抱する……

後から乗り込んできた男が呟く…
『水分は各自で…前の席に置いたからな。自己管理を頼むぞ…君は大丈夫か?』
項垂れて座り込んでいた彼女を眺め声をかけた。
『なんとか…』
『撮影現場に向かう。頭に入れとけよ…』

ドアがしまりバスは動き出した。



街中で……
『参ったな……一帯が通行止めらしい』
歩きながら社へ戻る人達……

ようやく着いた会社の道路脇にテントがいくつかあった事に驚いた。
同僚がいたので声をかける。

『なんの騒ぎだ……車も入れなかったんだ…』
『撮影だそうだ…これから2~3時間らしいが…』
『凄い人だかりだな(笑)』
『何の撮影か見たいんだろ…』
『バスがきたな……通れるじゃないか…』
『だな……』
皆で眺め一斉に注目されている人達…
『あっ……』っと呟く彼もいた…

派手な服装で女性達が降りてきたのだ。
その姿に回りの人達まで驚き、冷やかすような口笛さえなっていた。

女性達はエナメル質の色に身を包んではいたが、丈は短くトップスは殆んど露出していた。

お腹は切り離したようで、紐が数本で繋がっているようにみえた。
足の線が分かるほどに柔らかい質感のある膝丈までのブーツを履いていた。


また……数人が降りてきた。
こちらは上着のように羽織る服を着ていた。
同色の長袖で、首を囲うような縦襟には何かを施されたように光っていた。

コートは胸までしかジップがなかった。
だからか、丈の長いコートは彼女達の姿を見せるように裾を開かせ靡く、歩くたびに肌が見え隠れしていた。

見ている女性達にため息がもれていく……男性は息さえ静かな状態だった。

『奴らが居たわね…』
『アイツがいるっ……』
身を強張らせたダリルの顔を両手で挟み目を合わせ……ジッと見つめて彼女に微笑んだ。

『奴は虫(笑)踏みにじれば大丈夫(笑)貴女とは関係ない…』
ヒナノが囁くようにいった。

アヤノがイヤホンを片方かし目を閉じた…少しずつホッとしてきて、落ち着きを取り戻していくダリルに皆は安堵した。


『あちらのテントが控え室かわりですから…お使いください。
まずはコート付きのモデルさんから始めまーす(笑)』
まずはと打合せしていくヒナノだった。

『……いた(笑)』
『違うだろ……』
『いや(笑)あのシルエットとイヤホンだ…間違いないさ。絶対に彼女だ』

『黒?』
『そうだ(笑)たぶん赤を着てるショートパンツがお前が言ってた彼女だな…』
『ホントだ……やった(笑)』
会えたという二人の会話に呆れ顔の同僚達もいた…


順番に歩かされ…指示通りに動く。
道路の真ん中に六色の女性達が横一列に並び歩き出す…
大型の扇風機さえあり、彼女達へ待ち構えるように置かれていた。

両端からコートを脱いでいく…
最後の黒い服を脱いだ彼女が、上着を靡かせ立ち止まる…

前に進む彼女達…黒のコートを前へと投げ捨てた……と同時に皆で振り返り走り出す姿があった……

フワリとコートはカメラの前に落ちたのだった。


数回に分けて繰り返す………
カットがかかり、それぞれにコートを拾い出して控え室へ歩く…

次のモデル達は逆に走りこんでくるシーンからだった。



街路樹にもたれてイヤホンをつけると目を閉じた。
目の前の気配に右手を突き出す。

『うっ……』
木に片手で咄嗟につくと、片方の手をお腹に当てて体を曲げた。
彼女の肩に頭をあて……項垂れたように痛みを逃がしていた。

「やだぁ……打っちゃった!」
見ていたダリルが叫んだ。
「殴った?」
ヒナノが聞き、そうだと何度も頷くダリルだった…

急いで彼女達が走りより、彼を覗きこみながら背を撫でる……
咳き込みながらお腹を押さえていた彼だった。

『大丈夫でした?たぶん手加減はしてると思いますが…』
『多少は我慢しなきゃ…』
『確かに無防備の女性に近づいたからねぇ…』
グッと彼の身を離して様子を眺めていたのはアヤノだった。

やっと息を整えてお腹を擦る姿に彼女達さえ苦笑いをしていた。
同僚がきて謝った……
『すみません……少し前に会ったので、彼女と話をしようと…』
思ったからだろうと、彼女達へ説明だと呟いた。

「ごめん…」
小さな声で呟き、背をポンポンと叩くと、彼を押し戻しテントへと戻っていった。

『こらっ(怒)』
『あの…大丈夫ですか?』
『すまなかった……またイヤホンだと思ったから、取ろうとしたんだ(笑)』
『失礼を…皆は戻れ』
彼はテントへと促した。

『すみません…大変失礼を致しました。もし……』
『大丈夫ですから……』
空いた手をあげて彼を制止して話す。

『どこで知り合ったかは分かりませんが……今は仕事中ですので』
『すみません……』
『加減はしたように見えました。良かったです…ですが万が一もありますし。
その節は、こちらへご連絡を…。申し訳ございませんでした…』
名刺を渡すと去っていった彼を眺め、諦めたように社屋へ足を向けた。


『綺麗に入ったな(笑)お前が交わせんとは…』
『まさかパンチが来るとは思わなかった…構えるのでギリだった』
『(笑)すげぇな…』
『な……くそっ…次は負けないからな…』
お腹を押さえながら社に戻る二人に笑う…

『なんだよ(笑)やられたな…』
見ていた同僚が出迎えて呟いた。
『お前がな…』
『くそっ……』
『主任だ…口を結べ…』
歩いてきた上司を出迎えた。

『撮影だって?(笑)』
『はい…』
『凄い格好だったな(笑)違うクラブのように見えるぞ……』
『それならドレスかと…』
『(笑)確かにな…。しかし…美人だしスタイルもいい』

『君もそう思うのか?』
不意に現れた人に驚き、一斉に会釈していた。
『社長……もしかして、わざわざ見に……いらした…』
主任が声にした。

『当たり前だ(笑)知り合いもおるしな…』
と歩いていった事に驚いた社員達。
テント下にいた男が気づき頭を下げていた。

何か話をしてまた頭を下げた男に目がいった。

『あっ……(笑)笑った……』
『誰が……』
『俺が……マジか…どんな関係だ?』
物言いに呆れ社長をも見ていた。
主任が戻った社長に聞いた。

『美人揃いの集団と知り合いでしたか…(笑)顔が広いですね』
『食事に誘ったが(笑)今日は忙しいと振られたよ、 残念だ…』

そう言うと笑いながら入っていった。
皆が戻る中…なかなか動かない彼を小突き…社屋へ入る彼らだった。