tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

reliance18

2017-03-14 08:14:36 | reliance
空港でイツキと杉前が見送る・・・ソウヤはイズミと手を繋いだ・・・
遥か先には見張りが居ると分かる中で別れを惜しみながらゲートを潜った。


イズミを抱き締める・・・包まれた中でごめんと謝るイズミだった。
上着に入り込んだイズミ・・・そっと見上げて笑みを作る・・・大丈夫と囁く声に優しく口付けを落とした。

絶対だと絡ませるソウヤもいた・・・知らせるアナウンスに額を合わせ耐えるソウヤ・・・
『この中に戻ると誓う』
『言葉がたりないだろ・・・』

『生きて戻る・・・怪我したら(笑)看病しに来てよね。絶対にしないけど』
『誰一人だ!』
分かったと頷く彼女にキスをして、静かに離れると新たな場所を通り去っていった。

ギュッと掌を握り締め自分で誓いを立てる・・・現実の怖さは跳ね退ける・・・
イズミは戻り待っていたイツキと杉前に挟まれて帰るのだった。



グレーの髪に黒のニット帽を被り、丈の長いコートを羽織った人が事務所を出入りする。
泉藤と供にしたり海藤と供にして街を彷徨いた。

フィットしたジーンズに、甘めのシャツやニット・・・上着も脱げば人目も惹くので、無理やり着せておく。
それでも手にしたグローブは、外さずにあるのでギャップが激しかった。

時おり可愛いデザインのグローブをつけてもいた・・・
彼らの隙をついて、声をかけるが一言も話さない・・・まして丸い小さなサングラスまでかけるので、殆んど顔は知られていなかった。

いつものイツキや杉前までが来ない日は、代わりにそばにいるので いつしか呼び名はグレーになっていた事に笑いが止まらなかった。

持て余した力で不意をつく人達・・・狙われる海藤と同等の動きを見せて倒しまくった。
身が、地へ運ばれる事は一度もなかった・・・それは泉藤の時にも起きた。

助け船は出すが、抜いた所から狙われるグレーは相手を容赦なく地へつけたのだった。

「汚れたじゃん!」
起きた男を回し蹴る・・・呆れた泉藤が小突くと苦笑いをしてグローブを投げ捨てた。

手下から新しいモノを渡されてつけると、感触を確かめるように手を動かして眺めた。
サングラスを頭へ移し自分の手を確認する・・・促して場を離れた・・・


『声質は女の気がしますが、どう見ても男に見えます・・・髪はグレーで、目は茶でした』
『あの子じゃないと?』
『女じゃ・・・違いました。グローブを変えていた時にサングラスを外したので顔も確認しました』
見たという報告をしていた男・・・そのままに離れていった。


『あの人、カフェの奥に居た人だよ?』
『ん?会った?』
『ジーっと聞いてた人・・・気配は消してたんだろうけど目付きが嫌で気になってた。
サラリーじゃない雰囲気だったもん』
『 ・・・』

『兄貴、カフェの店主に聞きますか?、それともババァに・・・』
『二つ手渡してたよな』
『はい、もう一つは持ち帰ったんで・・・すみません、行き先も調べれば良かったっす・・・』
『仕方ねぇ、張り付かせとけ』
『了解!』

『あー出て来ねーな』
『戻す?』
『向こうを諦めたらな(笑)。親父かジジィか・・・別組みか・・・今に分かる』
『無闇に長引かせたら銃が出てこない?』
『それは切羽詰まんねーと出ないんだ・・・海外じゃあるまいし(笑)』
『分かんないじゃん・・・』

『あー・・・飲みに行くか(笑)』
『怒るよ?』
『(笑)金儲けするか?』
『 ・・・』
『(笑)ナイトで稼げよ』
『また?』

『名を替えるか(笑) 同じだと、つり上がるよな』
『 ・・・』
『 ・・・お(笑)プリンス!』
『呼びずらっ!』
『プリ(笑)』
『 ・・・』
面倒だとバーへ向かう泉藤だった。



カウンターで顔を引きつらせる二つの顔・・・咄嗟に腕を組む姿に吹き出しそうなイズミ・・・近場へ座り二人を眺めた。
視線は泉藤からずらし うつ向いた二人だった。

男か女かも分からない出で立ち・・・腰は眺めのニットで隠され、首もとはタートルで全ての容姿を区別出来ないと静かに注目を浴びた。

これまた長めの丈の上着を脱ぐ事もなく サングラスを頭に引っかけて、頬杖をついて二人を見つめ笑みを浮かべていた。

隣へ座る泉藤はイズミにも頼むと一緒に笑って眺めた。
背後からイズミに声をかけられても無視をする・・・泉藤がイズミを笑って つつくが気にも止めなかった。

『そこを拐う予定(笑)ほっとけよ』
顎でイズミ達だと教えて話した。
『ペアで飲んでるし無理でしょ。だから、どーかと思ってね(笑)』
『貴方を見ない事で理解したらどうだ?タイプじゃないと思うぞ?』

『貴方は連れ?』
『(笑)でもある。拐えなかったら俺が抱く、だからほっとけよ』
語尾を強めた泉藤に、イズミが笑って見返した。

『綺麗だね(笑)、こっちとどう?』
口を引いて笑み、チラリと視線を送るが直ぐにイツキ達を観察するように見返した。

二人で居るにも かかわらず声がかかるイズミ達でもあった・・・泉藤の苛立ちに仕方ないと笑って席を開ける。

杉前の隣に座るイズミが顔を覗き込んだ。
真っ赤な顔をした杉前に驚いてトウキを眺めた。

『サキちゃん可愛い(笑)』
名前を知る事に驚いて、イズミを見返した杉前・・・慌てて携帯を持ち出した。
『ごめんごめん(笑)。海さんは知るから、連絡しないでね。
守ったげるからさ・・・』
ビクッと体を震わせた杉前・・・呆れながらグラスを口にした。

『ほら年下じゃん』
スッと背を伸ばして杉前の頭から覗いたイズミが指を指して呟いた。
泉藤が苦笑いをする・・・誰だと泉藤を見ているイツキにまで呆れた。

『ねぇ(笑)ハント成功してる?』
『海藤待ち』
『ん?また誰か来るのかい?』
『好みが違うから離れたら?』
普通に声にしていたイズミだが、誰しも男と思い声をかける。

誘いたくて近寄る・・・見て欲しくて拒否しないか眺めながら触れてくる手もあったが・・・笑って軽く捻りあげ、そっと耳元で囁く。
『お前じゃ たたねーよ』
頬を撫でながら囁く・・・

声の主は同じ言葉を囁かれた、そして同じように真っ赤な顔で帰っていく事に泉藤だけが笑って楽しんでいた。


『君はどっち?』
新たな男が隣へ座る・・・真後ろなだけに、見えるはずの泉藤を眺めた・・・顔色を変えた泉藤・・・
『喘ぎ過ぎて女に近い声になれたか?(笑) それとも作ったのか?』

サラリー姿の男・・・カウンターの中にある鏡で確かめた。
フーと静かに息を吐く・・・泉藤に笑み返し男を見る事なく水を頼んだ。

『どんな趣味だ?』
『ご要望があれば何なりと(笑)』
『ねーよ(笑)間に合ってるしな』
『隣の子は?』
『(笑)怯えるから離れてくれるか?』

『抱いてみたいんだ(笑)お前をな』
『抱く男は居ると言ったぞ(笑)他を探せ』
『抱かれてもいいぞ』
『両方いけんのか』
『楽しめるしな(笑)』
飲みながら話す男が照れながら呟く。

『グー、帰るぞ』
『ん(笑)じゃーな』
スッと下りたイズミの手を引くが、素早く返して静かに手を離した。
キッと睨む顔・・・笑いながら指で唇をなぞり見つめた。

『お前に興味はない』
そう言うと杉前へ呟く。
『海に連れてってやる(笑)行こう』
名前を聞いた杉前が笑む・・・手を繋ぐと拒否したが有無はなく杉前は連れ出されたのだった。


乗り込んだバン・・・閉まるドアでホッとして杉前を眺めた。
『サキちゃーん』
『や、止めろ』
『グー(笑)離れとけよ』
『えー安心したかった・・・』

ガラッと開く事で伸びた手を叩き蹴り飛ばそうとして動きを止めたイズミ・・・
『あっぶねー(笑)・・・』
『海ー』
慌て飛び降りて抱き付く杉前に笑うイズミだった。

『バラしてない、ヤツもいたから駄目だから』
『 ・・・』
海藤は杉前を抱きながら、泉藤を眺めると静かにドアを閉めた。

走り出す・・・
恐る恐る伸ばした手・・・イツキはイズミの顔を見ようとした。
『イツキ(笑)グーとキスしたいのか?』
聞かれてドキッとした手に苦笑いをして引く。
その手を捕まえて繋ぐと背凭れへ沈めイズミは眠りに落ちた。

『イズミ?』
答えずに笑む泉藤に、そうかと気づくイツキは振り向いた。
声をかけていた男が眺めていた事に驚いて泉藤へ目を向けた。

『二度と行くな』
分かったと頷くイツキは、イズミの手をしっかりと握るのだった。
優しく撫でる・・・女の子なのにと髪に触れながら・・・


『俺のデータにない男だった・・・覚えとけ』
『会いたくない・・・狂った目だった・・・バレてないかな』
『飲んでたからな・・・どっちもいけるだろうからイツキならヤバいぞ』
嫌そうな顔で泉藤へ抱きついたイツキ・・・

『あの最初の殺気がヤバかった・・・お前が居てスギも居たから、イズミは落ち着けたんだろうな・・・』
そうかと息を吐いていた姿を思い出すイツキだった。

『全く分かんなかった・・・』
『分かったらヤバいだろ・・・完ぺきに男に見せかけてんだし(笑)』
『胸は?』
『包帯で巻きつけてる(笑)性別も怪しいだろ』

『綺麗な男の子と遊んでるって聞いて・・・女の子って言われたらイズミと気付けたけど・・・ムカついたから飲みに行くかって出たんだ。
普通のバーだと思ったら違ってさ・・・』
『オーナーが変わったんだ(笑)、雰囲気で気づいたら一杯で出ろよ』
確かにと何度も頷くイツキだった。



そこ頃、杉前と海藤は・・・
無言のままにジッと抱き付いて外を眺める杉前に可笑しさを我慢して声にしなかった。

『新しい子って、ずっと居る?』
『預かってるしな(笑)』
『そっか・・・強いならイズミちゃんを守らせたら?』
『してるぞ?息抜きに表に出してるし』

『一緒は駄目?』
『(笑)喧嘩出来んのか?』
『 ・・・狙われてるんだ』
危ないのだと余計に抱き付く杉前に微笑んだ。

『海・・・』
『ん?』
『その子・・・好き?』
『ハァー?』
呆れて思わず呟く海藤・・・助手席の手下も驚いて振り向いた。
目があってすまなそうに前を向く・・・

『スギ(笑)。スギ以外に抱いた記憶もないぞ?』
『知ってる』
『それでも信じない?』
『綺麗だし強いしー・・・本当は女の子? ・・・・違うな、どーみても瞳は茶色で綺麗だったけど男の子だった。
声をかけてた人達も男の子って誘ってたし・・・』
そうだと確信するように頷く杉前をより抱き寄せた。

『最後に声をかけたヤツを見たか?』
『あれは半端ないよ。泉藤さん並みに怒ったら怖そうだった。
目が違ったから薬に手をつけてるかな・・・』

『彷徨き出したから、出るなよ。イツキとだけでも駄目だ。見張りは巻くな、いいか?』
『ごめんね・・・』
『今までより、悪質なんだ。マジで勝手な行動はするなよ。逃げろ』
いいかと目を合わせた海藤の真剣さで、しっかりと頷く杉前だった。

態度で分かる杉前・・・今までより最強の人達なのだと知る。
海藤が危険な中へ落とされる怖さが取れないが耐えるように頷くのだった。

『(笑)本当分かったのか?』
小さな囁きは優しくて、耳元で言われ身を捩りながら頷いた。
口付けた唇は全てを絡めとるように離れなかった。