tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

ひなちゃんは! 27

2016-10-18 11:57:10 | ひなちゃん! 〈Rあり〉
《 耐えるお姉さん 2 》


『あ、今度渡すね(笑)』
『いいけど・・・・・』
『ねぇ、ソウ達の本当に準備して寄越したの?』
『(笑)甘える事が出来ないよね・・・』
『いいのよ、それで・・・(笑)それがソウなんだから。
仕方ないから別に口座作って、貯める事にしたわ。
本当に必要になる頃に渡せばいいだけよ・・・』

『全員分?』
『(笑)当たり前よ、そうだトオルのは2つ・・・だから1つ返すから流してやって』
『あの子、こっちに渡して残る分で流してるわよ?』
ハァと項垂れるルナが暫く考えた。

『一緒に住まわす?』
『(笑)ラッキー、私は大人だから保護者に代われるかも・・・』
『(笑)ヒロさんに相談してみる。弁護士が入れば保証なり楽だよね・・・』

『奧さんの番号知ってるから私が連絡とってみる。
どうせ妊婦でも働いてんでしょ?』
『怒られながら(笑)』
笑いながら言ったルナに、笑み返したランだった。

『なんでか(笑)不思議とお金は回るね・・・』
『出してるからじゃない?(笑)自分に使ってないからとか・・・』
『働けてるからかな(笑)』
『(笑)私達のは必要ないしね・・・』

『あのー(笑)』
『何?』
『生活費は何処から?』
ソウスケが、たまらず口を挟み聞き出した・・・・聞かれたランはカズサを指さし微笑んだ。

『私達の生活は彼らがしてるから、私達の稼いだモノは弟たちに(笑)』
『そうそう(笑)、生活出来るまでは苦しくないように』
『食事とか、服?とか・・・生活に必要な事はねー(笑)』

『一緒にくれば食べ盛りだから、お腹いっぱい食べさせるし食事代も専用のカードを切らせるけど?』
『服は私が集めるわよ?(笑)ランが連れてくるから・・・』
『下着は恥ずかしいだろうから、最初からネットで纏めて買って(笑)分けろってしてたけど?』

『今もしてるの?』
『ルナ(笑)なんかね、それも恥ずかしくて自分で買いに行くっていうから してない』
『自腹?』
ランが聞いてきた。
『(笑)してない。一気に皆でかえろって渡してる。ちょー安い・・・なんだろね、着てみたい下着はないのかな・・・・』

『チェックしてる?』
『ごめーん、私がしてた(笑)』
『えっ!』『ん?』『なっ!』
皆が一斉に声を漏らす・・・・

『十代の子供が自分を世話しないわよ・・・・
(笑)真っ赤な顔でするから、私は しずかーに待ってる。
足りないモノを紙に書いて、皆に渡してた。
今はね(笑)ない! チェックっていうと確実にカード下さいって言う(笑)』

『ルナは母だ(笑)』
『姉です(笑)。教えて貰えなかった子達が多かった・・・必死で生きる為の事しか覚えてない。
だから教えて貰った知る事は、誰かの代わりに言ってるだけよ。
ソウも(笑)今は下へ教えてるわよ、弟だって(笑)楽しそうにね』

『良かったね・・・(笑)幸せだ・・・』
『貰えた幸せは分けないと(笑)、苦しむのは見たくない・・・』
『そうだ・・・最近、家出してる子が増えてない?』
『揉めてるのって、その子達?』
『なんの話だ?』
ゼンが話に混ざり出した。

『若い子が増えたんだけど、他の子達にちょっかい出すらしいのよね・・・細かく世話していいか迷ってる』

『誰が拾ってる?』
『下・・・・ボコられて倒れてるのを助けて家に運んでくるのよね・・・』
『寮にか?』
そうだと頷くランは暫く考えていた。
それからソウスケ達を眺め、少しずつ笑みに変えるのだった。

『(笑)分かった分かった、課のヤツを連れてく・・・』
『頼んだ(笑)、だが未成年じゃなく真っ当にいけそうなら連れてこい』
『働けるか?』
『ルナ達の手で仕上げて、家で使う(笑)体を使う場所もあるしな・・・』

『勉強だけが全てじゃないか・・・』
『それはそうだが、多少勉強しないと仕事に支障も出る(笑)
働いて気づくがな・・・』
笑う二人も飲みながら会話を続けた。

いつの間にか隣に居ない上司達・・・・ソウスケの部下が気づき苦笑いをした。
『食べさせて飲ませて送りました(笑)素早いですね・・・皆さんは』
と彼女達を眺めた・・・

『さっきの話ですが、仲間がいるんで話を通しときますね(笑)
いつも捕まえてた子が居なくなったらしくて、探してたんで・・・もしかしたら居るかもしれないですよね』

『いくつだ?』
『14って聞いてます。屯してた場所に来てないらしくて・・・』
『補導してんのは写真を撮ってるだろ・・・』
『はい(笑)みたいです』
『集めて持って行かせろ(笑)』
『保護して貰ってたら有り難いですね・・・・凄いです』

『味わえない人生で生きて来てんだ、中に入れて真っ当に生きる術は習える(笑)』
『(笑)俺らか?』
『その俺らだ(笑)、曲がり反れた道を選ばなかった お前らは凄い・・・』
『逃げて生き延びただけだ(笑)』
『その才能が集まって今がある(笑)』

『ラッキーだな(笑)』
『あぁ(笑)自分次第だと知った・・・』
笑み合う人達を、早々に送り出しタクシーへ乗せていく。

酔った彼らは、笑み楽しかったと帰って行った。



酔いも冷まさずに寮へ足を運ぶ彼らがいた。
『さーて(笑)しめっかな・・・・』
『逃げんじゃねーの?』
『閉じ込めるか?』
『あー(笑)利用出来る場所がある。ソコを使うか・・・・』
『何人いっかな・・・・』
『結構(笑)拾ってんな・・・』
『優しいのも程があるだろ・・・』

『(笑)ナオか?』
ゼンが電話をしたのだ・・・
『どうしたんですか?』
『住所を教えるから回せ(笑)ちょっと力を借りたい』
『トラックを? 乗り込むんすか?』
『(笑)ちげーよ、ガキの取り締まりだ! すこーし(笑)お仕置きして察に引き渡す』
ゼンの言葉でフユキはソウスケへ連絡を取っていた。

『もしかして・・・』
『そうだ(笑)車ごと閉じ込められるしな・・・』
『し、仕返し?』
『あー(笑)お仕置きされたな・・・』
『大丈夫っすか?(笑)バレて捕まったら姉さんに・・・・』

『今は居ねーよ(笑)』
『じゃ(笑)これから出ます!』
『おぅ(笑)頼んだ・・・ 』
笑いを堪える彼ら・・・・カズサが買ってきた水を飲み込むと、身形を正し皆を眺めた。


『まだマフィアに見えっかな(笑)』
『声音で行けんだろ(笑)』
『(笑)トオルがビビっかなー』
『嫌われんなぁ(笑)諦めよーぜ・・・』
辺りを確認しつつ、中の様子を探り・・・裏戸を塞いだ。

そっと入り込む彼ら・・・
『(笑)すげぇ靴の量だ・・・空き部屋まで使いやがって・・・・』
『すげぇな・・・・』
眺めドアを開け電気をつけまくったトウヤ・・・・

階段を駆け上がり各ドアを開け放って出ろと叫びながら奥へ行った。
『起きろ、リビングへ行け!』
怒気の籠る声音だったので、飛び起きて正座する子達がジッとカズサを眺めた。

『行けと言ったぞ!』
慌て転げるように出ていく姿は可愛くて、思わず苦笑いをするカズサだった。


あちこちで怒気が吐き出されて行った。訳もわからず部屋から出され集められていく恐怖が皆を震え上がらせた。
つまづき転げながら入り、彼らを知る者でさえ緊張し 直立して身をただした。

逆に苛立ち殴ろうとしたが、軽く受け止められ激しく投げ出される子もいた。
放り込まれた者たちを睨みを利かせ眺める・・・


『誰が勝手に連れてこいと言った?
売るにもガキは手がかかるんだぞ!』
『家を荒らしやがって・・・・』
『お前らは こっちが済んだらケリをつけて貰う!いいな!』
『聞いてんぞ!』
『はい!』

身を強張らせた子達に容赦なく声を荒げる彼らを眺め、すまなそうに・・・今度は項垂れた・・・・

頭を押さえ知る者だけを、リビングから出していく。
手荒い扱いは、残された子達を恐怖で包ませた。


ハルトが離れた部屋の一ヶ所に集め話をした。
『助けるのはいい・・・だけどな、いくら何でも俺らに相談はしろよ。
一生の面倒はみれないだろ!違うか?』
『すみません・・・怪我が治っても出て行かなくて・・・・』

『人にたかって生きてるヤツは外せ! 』
『それでも、身寄りがないのは可哀想で・・・・すみません、つい・・・・』
『奴らは甘えて籠って遊んでたろ?そんなヤツは出せよ!』

『すみません、出来る事もないと・・・言われて・・・』
『な訳ねーと思っても置いたのか?』
『すみません・・・・』

『本当に助かったと思えたら、恩は返そうとココで何かをするだろ。
お前らは、そうしてたぞ・・・
奴らは違う・・・・飲み食いして暴れてただけだろ、そう聞いてるぞ。
人を利用して自分の出来る事もしねえ・・・そんなヤツの為にココがある訳じゃねーぞ!』

ジッとハルトに驚き見ていたソウに気づき苦笑いをした。
『ソウ(笑)なんだ・・・』
『すみません・・・いつもの話し方じゃないから、本当に悪い事をしたんだと・・・思えて・・・・す、捨てられ・・・』

『(笑)しねーよ・・・お前らは捨てない。俺らの弟になったヤツを、何で捨てんだよ・・・

お前と会った歳(笑) 俺は・・・その頃は、こんな話し方をして喧嘩しまくって暴れてたんだ。
ゼンと会って何かを学んで(笑)カズサやトウヤ・・・皆に会った。
社会を先に見て言葉を直して、また勉強したんだ・・・・

何だろな(笑)お前らと違う気がする奴らは要らねぇと思った。
大丈夫だ(笑)殺しはしねーし、すこーし お仕置きしてから警察と相談して預ける予定だから安心しとけ。

今は話すな(笑)、いわゆる人身売買ごっこをしてるだけだ。
早く寝ろ、部屋から出てくんなよ』

ハルトに言われ静かに頷く彼らに笑み、携帯を耳にあてて笑うと部屋から出ていった。



『あー(笑)何人だ?』
『すげぇぞ(笑)若いのが14もいた・・ 』
アハハと笑いながらハルトに言ったゼンだった。

携帯で話ながら、怯える子を眺めていた。
『だろ(笑)集まってたな・・・・・それは自分達で調べろよ・・・』
『なんだ?』
『血液型だとさ(笑)』
『面倒くせーよ、連れてくから切れ!』

ビィーとガムテープで口を押さえ、手を後ろ手に縛り上げて行った。
逃げるのを蹴り飛ばし、殴り倒し大人しくさせた。
数人を重ね足で押さえると、別の子をガムテープで固め 今度は一人ずつ足ともから出して縛り始めた。

次々と縛り上げた頃に、目深に被りマスクをしている男が入ってきた。

『準備・・・・あー・・・傷も作んないで下さいよー』
『何でだ?』
『今は皮も売れるんす(笑)、昔より高度になってるんすよ・・・』
『内臓よりか?』
『(笑)目だまも、ほら角膜?まっ!色々・・・』
震え泣いている子達を立たせ微笑んだ。

『勝手に人ん家に入り込んだ、お前らが悪いよな(笑)家出サイコー!』
叫ぶ男に皆も笑い、数人ずつ連れ出して行った。

見張りのゼンが眺めていると震えながらも、何かを訴える目だった子供がいた。
ため息をしたゼン・・・・
テーブルに座り眺めていたゼンが呟く。

『何の為に家を出て、他人の家で勝手にのさばってる?
助けたヤツを利用して楽しかったか?

奴らも馬鹿だからな(笑)俺んちに入れた罰は受けんだよ。
弾除け辺りか(笑)、薬使って濃き使うかな・・・

お前らは勝手に来たしな(笑)道から自分でそれたんだ。
諦めろ!誰かの役にたって死ね!』
叫び訴える子に、口を引き笑みを浮かべた。

『後悔しても遅ーよ(笑)、さっきまで好き勝手したんだろ!
(笑)お前の親は?』
居ると頷く子が涙をこぼした。

『別れが寂しいか?
(笑)頷くなよ、嫌で家を出たんだろ・・・馬鹿だな、諦めろ居ても居なくても関係ねーよ。
ココに居るヤツはな親は居ねぇんだよ。自力で働いて金を稼いでる。
お前らとは違ーよ・・・

ん?察か? 知り合いは居るぞ(笑)仲いーんだよな俺(笑)』

より驚き体が強張る・・・・
『やり直す気持ちが強ければ警察がくんだろうよ(笑) じゃーな!』
泣き出す子を泣くなと我慢する子が押し出した。

『泣かせろ!最後くれぇ勝手させろや・・・』
泣き声に勘弁しろと言いたげなゼンを睨む子がいた。
笑いながらゼンは口に止めたガムテープを剥がした。

出されそうな子を守るように転ばせて防ぐように体で庇った。
止めろと叫ぶが、軽く持ち上げて その子を連れて行ってしまった。

『俺の弟だ!弟だけでも助けてよ!
・・・・・助けて下さい・・・』
『何でだ?』
『 ・・・・人殺しだろ!』
『してねーぞ(笑)自分の家から出しただけだ』

『ココに居なかったぞ?』
『そりゃそうだ、ココのヤツに貸してんだ。他にも俺の家はあるしな』
『大人だろ!』
『だからなんだ?人んで金を使う お前を養ってねーぞ!』
『か、借りただけだ!』

『返してねーだろ・・・
お前はいつから入り込んだ?』
『10日・・・・』
『その間、何か返したのか?』
『 ・・・・』
『泥棒じゃねーか・・・』
『だけど子供だと働けねーだろ!』

『働いてる奴らに、出来る事をすれば良かったろ・・・
食べたヤツは誰が片づけた?
家の掃除は誰がした? 飯は?作ってくれた礼を言葉で言ったか?』
何も言えない子がうつ向く・・・

『ガキでも出来る事はあんだよ・・・ココにいる奴らは出来たぞ?
だからココで生きてる・・・・お前は?弟を連れ回して死ぬのか?』
『死なねーよ!それだけは絶対にしねぇ。大人になって稼いで弟を助けるんだ』

走り込んで来た男は慌てゼンを眺めた。
『なんだ』
『ガキが咳き込んで倒れやがった・・・・』
『俺の弟だ、発作だ・・・助けて』
『捨ててこい・・・・』
子供の叫びを遮り男に言った・・・ゼンの言葉に驚いて声が出なかった。

男は気づき分かったと静かに出ていった。
泣き叫ぶ子の口へガムテープを張ると黙らせ、引き摺るように外へ連れ出したのだった。

別の車に乗せられた事に気づくが、自分を掴む手は離れず走り去る車を呆然と眺めるしかなかった。




シンと静まる真っ暗な中で、置き去りにされた子供たち・・・・
眠らされていた事で自分の居場所は知らなかった。

出口さえ見当たらない場所と思えた。
見えるのは満天の星空だけだった。
何故か手足の自由はあった・・・荷台のドアは開け放たれていた。

トラックからも簡単に下りれたが、壁一面に張り廻る壁は遥か高く 屋根は壊れ空が見えるだけだった。

微かな明かりも壁にはなく閉ざされたように思えた。
壁を押して、蹴って出口を調べる子もいた。

何としても出たいと方法を考えるが、何一つ思い付かず荷台に戻り体を休めるように座りこんだ。

物凄い静けさは子供たちを次第に落ち込ませた。
自分の今までの事を後悔し始める子も出る・・・話は止めろと叫ぶ・・・泣き叫ぶ子を黙らせる子も居たが、それぞれに口を閉ざし始めた。



最初に気づいた子が驚いて立ち上がった。
広い檻の中だったのだ・・・
『殺される・・・・』
囲われ閉じられた鉄柵に項垂れ・・・柵を握り締めて一人が泣き出し、次々と飛び起きて愕然とした。
自分の措かれた状況に理解出来ず、どの子も泣く事しか出来なくなった。

ガチャンという音に怯え、咄嗟に子供たちは後退りして奥へ身を寄せたのだった。
現れたのは警官だった・・・驚き動けずに佇んだ。

静かに一人ずつ出されて行ったのだった。


『君はいくつ?』
『 ・・・・あの、弟が居て・・・連れてかれて・・・』
『ん?何の話だ?』
『俺たち捕まって・・・』
『誰に?』
『えっと・・・・』
自分がした事を思い出したが、ココでは言えないとも思った。

『 ・・・・お、弟を探して下さい。喘息で体も弱ってて・・・薬もないから治療も出来なくて・・・』
話は出来ないと諦めて何とか探して貰おうと言ったのだ。

『何歳?』
『弟は8才です』
『君だよ(笑)』
『俺は12才です・・・俺の事はいいんで・・・・・・探してよー!』

急に叫んだ子を驚いて眺める警官だった。

静かに入る人がいた・・・・警官は立ち上がると端へより佇んだ。
調書を眺め子供を見つめ、ジッと見られている人を眺めた。

『12才のハズキ君(笑) 何で施設を飛び出した?
親御さんも探していたよ・・・』
『そいつらは親じゃない!』
『そうだね(笑)放棄して預けたと聞いた。それでも親だからね・・・』

『病気の子供を放って遊んでるヤツは親じゃない』
『なんで施設を出たんだ?』
『薬をくれないからだよ・・・俺たちに使う金は無いって言ったから・・・』
『弟を守る為に出た?』
そうだと頷く子は項垂れた。

『発作が起きたからヤバいんだ・・・早く見付けないと死んじゃう』
『(笑)探してるさ・・・・
所で・・・・これからの君の帰る場所なんだが・・・』
『行かない・・・弟が見つかったら一緒に行く』

『そうも行かないんだよね(笑)君たち子供は守られる法律もあってね・・・君に合う施設へ行って貰う事になるんだ・・・』
『それでも嫌だ・・・』
『親戚に置いてくれる人は居ないのかい?』
『居たら行ってるし・・・・居ないから逃げてるんだよ・・・』
『んー(笑)これから相談員が来る。話して決めようか・・・・』

余計に項垂れたが、構わず腕を捕まれハズキは別の部屋へ連れて行かれたのだった。


大部屋のようで、あちこちの場所で一緒にいた子達が話を受けていた。
それぞれに同じ施設や親、親戚らしい人に連れて行かれたのだった。


最後まで押し黙り、拒否をするハズキに困り相談員と警官は二人で考えていた。
一人ずつなら引き受けるという施設長の言葉に断固拒否し続けるハズキだった。

話をした刑事が様子を見に来た。
『決まった?』
『まだ・・・・この子のいう弟も居ないし、親御さんは何処でもと取り合わないしで参りました』
『俺は、その親御さんは捨てれないの?』
『 ・・・・』

何を言うんだと、焦るが子の現状は手にした情報の中味で知る相談員が押し黙る・・・・相手が子供じゃない言い方に驚いたのだ。

代わりに施設長が言った。
『戸籍上は君と繋がるのでね・・・・それに血は繋がってるしな』
『それさえムカつく・・・・俺は弟だけ居てくれたらいい』
『互いに居場所が知れたら、別でも大丈夫だろ?』

『本当に探してるの?』
『してるはずだよ(笑)パトロールしている警官は多いからね・・・』
『探しに出れる場所ならいい、この街の何処かの施設なら・・・』
諦めたように、自分が探すと言いたげに呟いた。

『少し遠いんだ(笑)』
『歩いたら、どのくらい?』
『子供なら・・・2~3時間かもな』
施設長が警官や相談員に反対されても、ハッキリと教えてやった。

『こういう子は、どんな事をしてでも目的があれば黙って施設を飛び出します。
中には親を探したくて出る子も・・・』
いるのだと相談員へ施設長が言った。

『それで犯罪へ走る子や、巻き込まれて死ぬ子も出るんですよ?』

『そうですが所詮、他人の家としか子供たちは思いませんよ。
どんなに危険と教えても、施設は嫌だと飛び出して行くんです。

何度連れ戻しても同じように繰り返す事も知ります。
危険な目に合っても、子供は飛び出し犯罪に手を伸ばして行くんです。

施設のルールを守れた子だけが、真っ当に生きる術を身に付け施設から社会へ入り込めて生きて行けるんですよ・・・
それが今の子供たちの現状なんです・・・・・』

『大人が諦めたら・・・』
『探し回れませんから・・・数多い我慢をして施設で暮らす子を優先しているだけです。

君は私の施設で本当に暮らせるのか? 施設にルールがあるように、外の世界に・・・社会にもルールがあるんだぞ・・・子供の君に生きるは施設しかないんだぞ・・・』

『あの親と戸籍を離してくれるなら考えます。俺は弟を助けたいから』
『 ・・・・・』
驚き言葉も出ない施設長を睨みながら言ったのだ。

『その施設は弟の為に薬を買ってくれますか?』
『あ、当たり前だ・・・・』
『ずっとですよ?弟が施設を出れるまで・・・・
前の所は薬を買ってくれなかった!』

『すまないが、毎回は厳しいかもしれない・・・・半分は寄付金で施設が作られてもいるからな・・・・
か、確実な約束はすまないが出来ないかもしれない』

『親じゃないけど、ぶんどれないの?』
『生活出来ないから施設に君たちは入ったんだぞ?』
『金なら少しはあるはずだよ、遺産とかいうの手に入れたらしいから』
『ん?貰えなかったと聞いてるぞ?』

『騙せたんだ・・・・やっぱり親じゃなかった・・・・俺も同じ血が交ざるから同じ事をするのかな・・・』
『何をした?』
隣に座り聞いてきた刑事に苦笑いをした・・・・

『何をした?』
優しい声だと、ハズキは悲しくなり後悔するように涙をこぼした。
『弟と俺を助けてくれた人の家で世話になってた。だけど・・・・』
『屋根の下で食わせて貰ってたのか?』

『うん・・・・腹が減りすぎて倒れたんだ・・・・頑張って探したけど、食べ物は見つけらんなくて・・・・
気づいたら、その人の家で・・・腹が鳴って・・・・いっぱい食わしてくれた。弟にも同じく食わしてくれて・・・』

『礼は言ったか?』
『言ってない・・・・他にも何人か居て・・・・・勝手に空き部屋があるって住んでたんだ。
飲み食いしても怒られなかったから・・・・・』

『誰が買った食べ物や飲み物だったんだ?
誰かが働いて、そのお金で買ったはずだよな・・・・』
『たぶん助けてくれた人かも・・・・それに、その家の持ち主の人もだと思う。物凄く怒ってたんだ・・・・』

『ん?』
『あ、だからココに・・・・』
言うなと自分に言い聞かせるように、話を流した。

『いつか会ったら礼はちゃんとしろよ。もしかしたら、その人も同じ経験をしてたから何も言わなかったのかもな(笑)』
『 ・・・・』
なんでと声に出来なかった。
『食べれない辛さとか・・・知ってたんじゃないか?(笑)子供の頃に体験してたんじゃないか?』

『だから俺たちが可哀想って?』
『子供に同じ辛さは経験させたくないって(笑)思ったかもな・・・』
そうかと、思い出したように考えるハズキだった。




ハズキの居る施設に見知る刑事が笑いながら来た。
自分に会いに来たのだと聞いて、より驚いた・・・
弟の足取りが近いと、会いに来る度に教えてくれたのだ。

今日も、自分に会いに来ると聞いていたハズキ・・・車が近付き嬉しくて走りよったが・・・
運転席から出て来た人に驚き身を強張らせたハズキがいた。

車をよく見れば、色は同じだが形は いつもの車ではなかった。
にや笑いする男は刑事の肩をくんだ・・・

『あ・・・・』
『(笑)思い出したか?』
『お、弟を返せ!』

そう叫ぶと男の腹を殴り出した。
されるがままで眺める男に、笑いを堪えていた刑事は我慢出来ずに声を出して笑ってしまった。

頭をグッと押さえ引き離すとハズキを眺め微笑んだ。
『返せよ・・・捨ててないよな・・・』
『あー(笑)ない。カオルが目を覚ました、大丈夫になったぞ』

『ん?弟? ゼンが囲ってたのか?』
『ん?ソウスケ・・・・お前は、こいつの話を聞いてなかったのか?』
何で知らないと苦笑いをしながら聞いた。

『逃げてんのかと(笑)』
『ガキ一人で、どー生きんだよ(笑)チビなら兄貴を探しに戻んだろ・・・』
『だから、頼んで住まわしてたろ・・・』

『あっ思い出した(笑)食費は払え』
『ん?出してないのか?』
『貰ってねーよ・・・公務員はやべーだろ(笑)』
『ヤバい(笑)早急に払わせる・・・』

『カオルは?』
『あー(笑)そうだったな、少し待て』
話をきって話すハズキに、来た目的を思い出すとソウスケは足早に施設内へと行ってしまった。


『ハズキ・・・・一緒に暮らすか?』
『カオルは?』
『一緒にだ、次の発作でカオルの状態はヤバくなるそうだ。
環境の変化に体は追い付かないから、ココでカオルは暮らせない。
暫く入院して快復を待てとさ・・・』

入院と聞いて連れて行って貰えた安心・・・・怖さはあったが、いい人と思えた自分・・・何よりカオルが生きていた事が嬉しかった。

『そばに居たい・・・・・居たいです』
『俺んちのルールは守れんのか?』
『・・・・・』
『(笑)守れんのか?』
『恩は返します。助けて下さい』
ジッとゼン見つめ、意思を固めたように言ったハズキに笑み返した。

『話は済んだぞ(笑)どうなった?』
雰囲気で大丈夫とは知ったが、取り合えずとハズキを眺め笑いながら聞いてみた。
『行く・・・・一緒に行きます、お世話になります・・・・・言い方・・・』
間違ってないかとソウスケ眺めるハズキに笑み頭を撫でた。

『それでいい。合ってるぞ(笑)
でもな・・・・頑張れるか?半端ねぇぞ?』
『こっ怖くない!』
『いやー(笑)ゼンより強ーぞ?』

『いっ・・・・居るの?』
もっと怖いのか焦りつつも声を出した。
『ガキの世話はゼンじゃないしな・・・四人もいてなぁ・・・』
えっと驚いて固まるハズキに二人が笑いだした。

『なんだ、冗談か(笑)』
呟き笑うハズキに苦笑いをした。
『しっかし弱いな、お前・・・』
『強いぞ!』
『ポコポコ叩いてたろ・・・お前の歳の俺なら蹴り飛ばして殴って大人もボコってたぞ?』

『マジ?』
『ソウスケ(笑)じゃなきゃ殺されてるぞ・・・』
『あーそうか(笑)、ん?ハルも?』
『あーみえて二番手だぞ(笑)
カズサとトウヤより強ーんだ(笑)一人で20は倒してたんだからな(笑)』
『気を付ける(笑)』
『怒らすな(笑)』
笑いながらの二人の会話は楽し気だったが、ハズキは様子を眺めながら聞いていた。

『嘘だ・・・・』
『事実だぞ(笑)俺はマフィアの息子だった。母親に捨てられて父親を捨てた。
お前の世話をする女も家族を捨てた・・・・お前だけじゃないぞ、親が居ないのは(笑)

お前らを捨てた親は構うな。拾った俺とルナだけを見ろ。
そしたら大人にしてやる(笑)ルールから外れなければカオルを養える力はつけてやる。(笑)いいか?』

『はい・・・・ありがとうございます。それから・・・ごめんなさい、あの人にも謝らなきゃ・・・』
『ソウが拾ったらしいな(笑)、なら・・・・ソウがお前の兄貴だな、いうことは聞けよ(笑)』
『はい・・・・』
撫でられた頭にある手に笑むハズキに笑み返したゼンだった。
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