wood works crando のブログ。

木工作家。ご注文頂いた家具や小物、オリジナル作品などを載せています。 #羊のメモスタンド

オーダーのバレッタかんざし制作させて頂きました。

2014年01月30日 19時37分15秒 | オーダー品
こんばんは。



今日は寒さも和らぎ過ごしやすかったですね~。


盛岡の研磨屋さんに依頼してた刃の支払いをしてきました。


領収書を書いてもらってる間、ドイツ製のフォルマーの研磨機械を見せて頂きました。


チップソーを機械にセットして、微調整をして、あとはボタンをピッと押せば全自動で研いでくれるという優れもの!


砥石が3個(だったはず)付いているので、荒砥から仕上げまで一回の研摩で済むという、何とも素晴らしい機械。


写真が無いのは、見ていた本人が興奮していたからだと誰も思うまい・・・


いや~、良いものを見せてもらいました。


作業されていた職人さんが若い方でしたね。人材育成もされてるようで、僕がやり続ける間は安心だなと勝手に思っておりました。









御依頼を頂き、制作させて頂きました。バレッタかんざしです。


こちらは全自動では出来ないオーダー品。やらせて頂きました。



まず、バレッタの部分が湾曲しているので、それにどうやって模様を入れるか?そこがポイントでした。






土台となる木はヤマザクラです。


これには理由がありまして、桜じゃないといけないのです。


そして、デザインも桜とにゃんこ・・・猫じゃないといけないのであります。


はじめは透かし彫りのようにしようと試みたのですが、


かんざしが通る穴が開くのと、木目の問題で強度がだいぶ無くなるので、変更しました。


その後、違うデザインを試みたのですが、こちらも強度の問題とちょっと使用に伴い強度がまだ甘いのでまたまた変更。



そしてこの作りになりました。







模様にしております、桜の木はエンジュです。延寿と書いて縁起のいい木を使いました。


かんざしの棒もエンジュです。


挿すと、桜の木の枝になるようにデザインしました。反対から挿すと棒が出て、花が咲くかそうでないかの違いですね。


桜の花弁はパドックという赤い木です。前回のブレスレットのビーズと同じですね。


そして、黒猫はローズウッドです。


すべて張り合わせて模様を付けてます。


湾曲した面にパーツをひとつずつ張り合わせていきます。接着材が乾くまで次の段階が出来ない。


何も出来ない時間も作品には必要なのです。


仕上げはオスモ社製のオイルです。



デザインのイメージは桜の花に見とれて近寄ってくる黒猫。


こちらは僕なりのイメージで制作させて頂きました。


いつまでもお元気で仕事をなさってほしいと思いまして、勝手ながらにこのようなデザインにしました。



お送りになる方が僕が普段からお世話になっている方で、そのご希望になるべく添える様にちょっと張り切ってみましたが、


どうだったでしょうか?


意外と作者が張り切ると買い手は引いてしまうということがありますので、緊張しました。



気に入って貰えましたら幸いです。


また、このご依頼も勉強になりました。


御依頼頂くお客様に腕を鍛えてもらっています。


どうもありがとうございます。




笠原 悠貴