インシテミル (文春文庫) | |
米澤 穂信 | |
文藝春秋 |
フリーターの青年・結城をはじめ、ワケあって大金を必要としている10人の男女。彼らは、時給11万2千円もの高額バイトに参加するため、謎の施設“暗鬼館”にやって来る。彼らが参加する“7日にわたる心理学の実験”とは、24時間完全監視の下で生活し、“事件”が起きたら全員で推理し解決するというもの。その際、犯人は多数決で決定される。一見、極めてシンプルな実験に思われたが、そこには“犯人”や犯人を名指しした“探偵”への特別ボーナスなど、事件を誘発するいくつものルールや仕掛けが用意されていた。
映画館 ★★★☆
最初に断っておきますが、原作とはまったく違うものでした。
しかしそれは決して否定的なものではなく、文庫本で500ページの大作を100分の映画に収める為にはこういう脚本もアリだと思いました。原作の登場人物は12名、この映画は10名です。その時点でまったく話が変わってきますよね。
なので、原作を読んでこの映画に臨む人は話があまりにも違うので面食らうかもしれません。ただ、原作を読んだ私には許せない点が2つあって・・・この2つを映画公開日の今日に書くのは辛いですが、原作には「ネットでの公開」や「息子が以前このバイトで死んだ」なんてのはなかったです。
あと、原作のもつユーモアまで描ききれ無かったのも残念ですし、それぞれの武器となるモノの謂れとなる古典推理小説についての「薀蓄」もまったく披露されてなかったのが残念です。
文句ばかり書いているので、本当は★3つでもいいって感じなんですが、この「インシテミル」を映画として初めて体験するならば70点の点数をあげてもいいかな?って感じです。
ホリプロ創立50周年記念作品なので、10名の登場人物+インディアンの声担当のあいつまで、すべてホリプロの・・・てか、北大路欣也もホリプロ関連だったとは(爆)
私も原作を読んで、ものすごく期待して行ったのですが、オリジナルの所はなんだか消化不良。
原作の一等面白い場所を大幅変更したなら、もっと盛り上げて欲しかったなぁ。。。と。
これってやはり映画だけでこの作品に触れ合う人向けの脚本ですね。
なので、映画を見て面白く感じ、ひとりでも多くの人に原作に触れて欲しいです。
触れられていなくって
残念な気がしました。
でも別物として思えば
結構楽しめましたよ。
もう結果がどんな物になるのか、
分からなくなってしまったので。
原作は最高に面白かったですね。
原作にあった「ユーモア」がない(笑)
まあ、目の前で何人も命を落としていくわけで、本来はこの映画みたいな感じなのが正しいのかも。