1年の終わりがそろそろ見え始める時季になると、
足を向けたくなる場所があります。
店内の三方の壁に掛けられた、
きちんと修理・保全された100~150年前の振り子式柱時計が
100個以上も現役で時を刻んでいる
文字通りその名を 「古時計」 と名付けられた喫茶店です。
チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク
チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク
チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク ……………
店内に溢れる100個分のチクタク音の合奏が、
過ぎて行った今年1年の時間の多さを
思い起こさせるようです。
そんな今年、
自分は
果たしてどれだけ進歩することができただろうか ……。
むしろ後退してしまったのではなかろうか ……
…… 少し苦味が強いコーヒーを飲みながらぼんやり考えていると、
いつの間にか小一時間経っていたりします。
ギギギギギ、ギギギギギ ……
毎日、手を抜かず、きちんとネジを巻かなければ時が前へ進まないのは
人生も同じです。