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発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

551.叱ってはいけない、探索行動

551.叱ってはいけない、探索行動
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)

 探索行動は、新生児期から始まっています。最初は、耳を澄ます、見る、触る、なめる、・・・など、共に生活しているものにとって特に被害のないものばかりです。それが、1歳を過ぎる頃から、ものを倒す、投げる、引っ張り出す、やぶる、・・・など、やられては困ることばかりを次から次に楽しそうにやってのけるようになります。

 幼児は同じことを繰り返し行うことで、ものの動きやものの変化、性質を探索しているのです。そしてそれが興味深く、面白くてたまらないのです。いたずらとしか見えないようなこの探索行動は、まさに学習の始まりなのです。

 この時期に、「めっ!」「ダメでしょ!」といっておきながら、学齢になったときに「勉強しなさい」というのは、その意味で矛盾していることです。ま、それはそれとして、ここで大切なことは、お子さんの探索行動を「叱らない」ということです。

 引き出しの中のものを取り出しては、庭に放ったり、玄関に投げたり、水物をわざとこぼしたり、食器を落としたり、大切なものを破いたり、2階から下にものを落としたり、・・・そのあまりのしつこさに叱りたくもなるでしょうが、ここで叱らないことが大切です。

 叱るのではなく、「やっていいこと」と「いけないこと」とを教えていくことです。手をとって、「めっ!」という表情をする。その行動をやめたら、「にこっ」とした表情を見せる。その繰り返しの中で、子どもは是非を学習していきます。

 それと同時に、やられないような環境づくりをしておくことも必要です。
 ・引き出しは、開かないようにしておく。
 ・破られて困るものは、出しておかない。
 ・水物は、手の届くところに置かない。
 ・食器は、壊れるものは使わない。

 また、代わりの行動を別の場や別のもので十分に行わせてあげることも必要です。
 ・おもちゃ箱として引き出しを利用する。自由に引き出しの開け閉めや、引き出しからの出し入れを行わせる。
  引っ張る→何か出てくる→中のものを出す→押す→中のものが見えなくなる=こんな当たり前のことも実際に自分で操作することによって学んいくのです。
 ・破いてもいいものを与える。たとえば、この箱の中のものは破いてもOK、というように。
 ・夏だったら水遊びを、冬だったらお風呂場で、容器から容器への水の出し入れを。「じゃーっ」と言って水をこぼすなど、水を使って存分に遊ばせる。
 ・ボールなど落としても良いもので、存分に落とさせる。
 ・かごなどに、ものを入れさせる。また出させる。出したり、入れたり。
 ・ボーリング遊び=ものを倒す。

 探索行動を叱ると、不満足を生じさせます。同時にその時期の学習を妨げていることにもなります。前者は、不満や怒りや反発をもたらします。後者は、知的な伸びを損ないます。

 探索行動でものを投げているのと、イライラして物に当たって投げつけているのとでは、意味合いが全く異なるのです。その見極めが大切です。探索行動には上手に対応してあげて、気持ちを満たし、学習の第一歩を喜びを持って支えてあげましょう。

 

造形リトミック研究所
>>発達障害 知的障害 Elephas/エレファース
公式サイト http://www.zoukei-rythmique.jp/

>>お問い合せメール info@zoukei-rythmique.jp
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