晴山雨読ときどき映画

“人生は森の中の一日”
山へ登ったり、本を読んだり映画を観るのは知らない世界を旅しているのと同じよ。
       

歌人「明石海人」を知る

2011年12月08日 | 
この浦の木槿花咲く母が門(と)を夢ならなくに訪はむ日もがな」の歌をひょんなことで知りました。
海辺にほど近い生家では今ごろ木槿の花が咲いているだろう。ああ、母さんの住む家を訪ねて夢でなくほんとうにあいたいものだ というような意味あいの歌です。会えない理由があるのだろうか、しかも男性が・・・。母親に会えないのは戦地に居るからなのか、しかしそれも違う気がする。
こんな時ネットは助かります。なかったら、図書館に足を運ぶまでに時間がかかり、日常の生活に追われるうちに忘れてしまうこともあります。
彼は大正生まれの歌人でした。しかし彼に与えられていた運命は過酷なものでした。教職にあった海人は結婚し長女も生まれ、人生これからという26歳でハンセン病を発病し絶望の淵に立ちます。当時、いわれなき偏見や差別から家族を守るため、名も素性も隠し療養生活を送ります。一時は精神錯乱状態に陥りますが、そこから立ち直り、短歌を詠みはじめ終焉のときまで情熱を歌に込め自分の伝えたいことを世に発表してきました。
歌碑に添えられた好きな2首を紹介します。

シルレア紀の地層は沓(とほ)きそのかみを海の蠍(さそり)の我もすみけむ
★わが指の頂きにきて金花蟲(たまむし)のけはひはやがて羽根ひらきたり
 
以前ブログで紹介した辻原登さんの「韃靼の馬」が司馬遼太郎賞を受賞しました。対馬を舞台にした「韃靼の馬」が選ばれたことと自分の見る目があったことを素直に嬉しく思えました。
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2 コメント

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Unknown (いさな)
2011-12-10 12:18:02
わが指の頂にきて……の歌もいいですね!
ハンセン病から視覚を失われたあとの歌でしょうか。
淋しいけれどほほえみの見える歌ですね。
Unknown (bamboo)
2011-12-10 22:49:18
いさなさんに~もがなの使い方で教えてもらえなければ出逢えなかった一首でした。あなたは短歌との出会いが運命的だったと書いていたけれど、その歌自体にも出会う時期と縁があるのですね。

>ハンセン病から視覚を失われたあとの歌でしょうか
そうでしょう。その時の彼の様子やしぐさが眼に浮かぶようです。
たぶん明石とは瀬戸内に面した療養所だったからでしょうね。

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