斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

ラボラトリ・リソース・マネジメント

2017年03月09日 23時28分16秒 | 斎藤秀俊の着眼
他の研究室では、普通にやっていると思っていたのですが、やっていないところが多く、びっくりしました。
最近の大学では、博士論文や投稿論文の剽窃チェックなど、けったいなことを業務に取り入れています。半ば強制的にやらされて、そもそも「どうして、そんなことが必要なのだろう?」と不思議だったのですが、ラボラトリ・リソース・マネジメントをやっていないから、剽窃チェックが必要だとわかり、びっくり仰天です。ラボラトリ・リソース・マネジメントをやっていないなど、それは、業務怠慢どころか、研究者あるいは研究室をマネージメントする者として、失格なのではないでしょうか。
大学運営においては、このようなマネジメント体制を構築せずに、やみくもに性悪説に基づくシステムを構築するところで、「わかっているのだろうか?」と思いたくなります。

ラボラトリ・リソース・マネジメントは、私の研究室ではすでに25年近くの歴史を持っています。これは、研究室内の利用可能なリソースをすべて最適な方法で、最高率に運用することによって、研究のオリジナリティーを高めて、より真理に近づく手法です。
それは、VOS塾と呼ばれる科学研究費などの研究費獲得のためのグループディスカッションにも応用され、研究者のアイディアを引き出す重要な役割を担っています。さらに、大学執行部の入試担当のときには、出題問題の最適化やミス防止のためにも応用しました。

航空機の操縦室では、クルー・リソース・マネジメントあるいはコックピット・リソース・マネジメントと呼ばれ、航空機の安全運航に役立っています。さらに、先日乗船した巡視船のブリッジでも、ブリッジ・リソース・マネジメントが行われており、感動しました。なぜかというと、巡視船のブリッジ内でそのやり取りを生で体験することができたからです。

私の中では、ラボラトリ・リソース・マネジメントは研究者のアイディアを最大限引き出す手法であります。副産物として、それを常にやっていれば、論文剽窃など出てくる余地などありえません。研究室内の風通しがよくなり、教室員の雰囲気も良くなります。
そのうち、本を出版することを念頭に、このブログにしばらくは、ラボラトリ・リソース・マネジメントについて書いていきたいと思います。

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