LO(O)SE40!

緩く自由に色んな物をどんどん海に投げていく旅の始まり

休み中に読んだ本①:樋口明雄

2016年11月08日 23時31分34秒 | Weblog
「天空の犬」
「ハルカの空」
南アルプス山岳救助隊K-9シリーズ。
他現場の同僚からお見舞いに送られて来て、初めて知った作家。山で犬でってどハマり。
登山シーズンに北岳山中に常駐する山梨県警南アルプス警察署山岳救助隊と山岳救助犬達を取り巻く物語。
山に来る登山者も様々で、登る目的も人の数。何かを背負って、何かを降ろして、ただ登ってただ降りる。
そして事故や災害や急病もいつ何時あるか分からない。前の人が平気で後ろの人はダメだった境は誰にも分からない。
そして命がけで救おうとする救助隊員も個性、特性様々。
その組み合わせでこれだけのドラマが生まれる。
でも山にとっちゃ知ったこと無い。ただ全てを受け入れるだけ。読むとやっぱり怖いなと思うけど、いつか私も行きたいなと思う。
シリーズ二作目の「ハルカの空」は解説が馳星周で、作者のガイドで北岳に登ったそうだ。なんて贅沢な。
現在、山と渓谷で読み切り短編連載中。山と渓谷、時々読むのに読み飛ばしてた。引っ張り出して「あ!」。興味ないと目が拾わないというか、出会えないというか。

「標高2800米」
山を取り巻くSFかホラーか?な短編集。図書館で読んできた。山の怖い話や伝説は昔ばなしから色々あるけど、現代の登山や風潮がベースでよりリアルで怖かった。
山登らない人が読んだら「山無理~」とかなるかも。でも、私はまだ低い山しか登れないけど、山は怖い、という気持ちは常にある。でも山は優しいという気持ちも。だから大丈夫。
結局一番怖いのは人間ですよ。

「許されざるもの」
山梨鳥獣保護管理センター(架空の団体)のお話。約束の地の続編ですが図書館に無かったのでこちらから。でも楽しめた~。K9シリーズよりハード目で、自然界全体と人間の生活の間にある矛盾や人の罪を厳しく追及し、優しく諭してくれる。
自然界の生態系が崩れ熊や鹿などの野性動物がどんどん町の方へ降り、生態系を直すためオオカミを山に入れる実験が軸のお話。
良かれと進める人、見守る人、政治利用する人、ヒステリックな環境保護団体、ただ関心を引きたいクソガキ、原発にも沖縄にもどこにも今やワンセットな人達。
でも黙々と必要な事を遂行する人はそのワンセットにはまず属さない。
そしてそんな人の思惑も越えるオオカミの気高さが泣ける。

で、今は短編集「ドッグテールズ」を読み中。こちらはもうちょっと人と動物の心の繋がりが全面に出るような。

全くジャンルは違うけどこの人の本を読んでいたら新井英樹のワールドイズマインを思い出した。
人の欲と思考停止がそれぞれ行くとこまで行くと、テロリストが活躍し支持され(モンちゃん)、終末論が真実味を帯び、自然界からも反撃(ヒグマドン)を受ける。
あれは漫画だけど、今は近いことは起きてる。

そうなる前に、という事を考えさせられる。そして山や動物、自然への畏怖と感謝の念を忘れてはいけないということも。

私が知らなかっただけでキャリアがある方なのでこれから色々読んでみようとまた楽しみな人が増えて嬉しい。
ありがとう。

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