何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

風が運ぶノーベル文学賞

2016-10-13 23:57:55 | ニュース
毎年ノーベル賞の時期になると、誰が文学賞をとったかということよりも、今年も村上春樹氏が逃した!ということばかり話題となり、村上氏にとってもノーベル文学賞にとっても気の毒な状態となっていたが、今年はその心配はない。

残念ながら、今年も村上氏ではなかったが、誰がとったかという点において、意外性と親しみやすさで、これほど記憶に残る受賞者も珍しいかもしれない。

ボブ・ディラン。
この名を聞いた時、彼は作家だったのだろうかと訝しく思ったのだが、授賞は、半世紀にわたり創作してきた楽曲歌詞の文学性を高く評価してのことであり、ミュージシャンのノーベル文学賞受賞は初めてなのだそうだ。

とは云え、洋楽にあまり詳しくない私は、ボブ・ディランの曲も(おそらく)一曲しか知らし、その一曲もトレンディードラマが切っ掛けと云うお粗末さだ。
あまりドラマを見ない私が偶然見た場面に、印象的なセリフがあった。
「どれほど歩けば人として認めてもらえるのだろう・・・・・
 友よ、答えは風に吹かれている」
ボート部だかの友人たちが肩を並べてこのセリフを言う場面は、正直なところ、少々クサイと感じさせたが、それでも妙に心に残るセリフが気にかかり、「これはドラマのオリジナルではないだろう」と当りを付けて調べた結果、判明したのが、ボブ・ディラン「Blowin' in the Wind」だった。



あれ以来、なにか深い溜め息をつきたくなる度、ふとこの曲が心に浮かび、肩の力が抜けることがある。
歌詞が問いかける内容の一つ一つは重いにもかかわらず、答えを風に任せてしまうところが、どうにも悲観論者の私には有難く、散歩の途中で気が付くと、一人で歌ったりしているのが、「Blowin' in the Wind」なのだ。

幾千の文字の連なりよりも、時に数行の歌詞の方がまっすぐ心に届くことがある。
そんな楽曲歌詞の力を評価してのノーベル文学賞だったのだと思うが、本好きな私としては少しばかり違和感のある選定といえなくもない。
そんなこんなの諸々の、答えも風に吹かれている?
ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« その名は、もう一人の自分 | トップ | 片葉を合せておくれ茂七親分 »
最近の画像もっと見る

あわせて読む