何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

ワンコ星ひとつ欲しいとの祈り

2016-10-19 00:03:03 | 
20日までにどうしても読み終えておきたかった本があったのだが、人様からお借りした本を優先せねばならないため、間に合いそうもない。

私が原田マハ氏を気に入っていることを知っている本仲間が貸してくれた本、「星がひとつほしいとの祈り」(原田マハ)
本書は、あらゆる年代の女性を主人公とした7編の短編で構成されており、帯には『時代がどんな暗雲に覆われようとも、あなたという星は輝き続ける』と記されている。

とくに印象に残った作品は二つあるが、そのうちの一つである表題作は、町おこしのためのキャッチコピーを依頼された売れっ子コピーライター文香が、訪問先の愛媛県の松山市で体験した不思議な話だ。

出張先のホテルでは必ずマッサージを頼む文香は、この日のマッサージ師の老婆の言葉遣いから、やんごとない身分の人だったのではないかと当りをつけて、その来歴を訊ねた。
夢うつつで聞いた老婆の話は、貴族議員の一人娘がマッサージ師となるまでの物語だった。
貴族議員の一人娘として大切に育てられていたが、東京大空襲で家屋敷は跡形もなく燃え、現人神のお側に仕えた父も落命し、戦後は疎開先の松山でマッサージ師として生きてきたという女性。
この女性が生涯に、たった一度だけ身を焦がす恋をした、その相手の言葉が、本書の題名となっている。
『私は、星を手に入れた。あなたという星。決して届かなかった星。
 このたったひとつの星が、私は欲しかった。その祈りが通じた今は、たとえ死んでもかまいません。
 けれどあなたは、どうか輝き続けて下さい。それがあなたの運命です。あなたは、燃え尽きることのない星なのです。
 どうかいつまでも、遠くで輝き続けてください。
 あなたという星を胸に、私は戦って参ります』

老婆は、いう。
『星とは何か、~略~
 それは、人それぞれ。恋であったり、愛であったり。幸せ、平和のようなもの。
 あるいは、お仕事の成功とか。ささやかな言葉・・・・・でもあるかもしれませんね。』

盲目の老婆は自分の人生を語り終えた後、「物書きのあなた、いたずらに生き延びてしまった、侘しい老婆の長い御伽噺を書いてくれませんか」という言葉を残して去るが、朝起きた文香は、フロントで意外なことを聞きつける。
文香の部屋に、マッサージ師は訪れてはいないと・・・8月16日のことであった。

御伽噺のような本作のおかげで、久しぶりに夜空を見上げた。(参照、「星は、朝づつ、犬星」 「ウンがついている」

私にとってワンコは、間違いなく燦然と輝く星だった。
今は、ワンコと語り合いながら見た星もまた、私が生きていくための心星になっている、そんなことを感じさせてくれた「星がひとつほしいとの祈り」は、20日を前に読むに相応しいものだったとも感じている。
ところでワンコ、ワンコにとって私達家族は明るい星だっただろうか。
去年の今頃一緒に星を見上げたことを思いだしながら、それが今更のように気になって仕方がない。

心に残ったもう一つの話「沈下橋」は又後ほど。
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