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2017-06-19 16:30:57 | 日記

沖縄 肉用 ヤギの雑種化に関す る遺 伝学 的分析
新 城 明 久
琉 球 大 学 農 学 部,沖 縄 県西 原 町903-01
(1979.2.10受 付)
要 約 沖縄 肉用ヤギへの 日本 ザーネ ン種の移入率,外 部形質への自然お よび人為淘 汰,集 団間の遺伝
的分化の程度 な どにつ いてNEI and IMAIZUMI13)と NOZAWA9)の 手法を用いて集団 遺伝学的分析 をお こな
った.調 査 したヤギは約4ヵ 月齢以上の雌雄合計1,459頭 であ った.調 査 は沖縄 県下 の9島 の10集 団
について1975年6月 から1976年8月 までの間 にお こな った.そ の結 果,沖 縄 肉用ヤギの外部形質に
関す る遺伝子頻度 は,有 色qi=.382,肉髯 な しqw=.845,有 角qp=.779で あ り,毛髯 と副 乳頭の出
現割合 はそれぞれ85.4,37.8%と 推定 された.存 来 種はすべて有色,有 角,副 乳頭 を有 し,肉髯 を欠く
と仮定 し,島嶼 別集 団の肉用 ヤギへの日 本ザー ネン種の移入率 を推定す ると伊平屋島 は32%,与 那 国
島 は40%と 低か ったのに対 し,座 間味島は87%,粟 国島は84%,宮 古島 は79%,沖 縄島中南部は
77%と 高 く,沖繩 全体 では平均67%と な った.毛 色,肉髯,角 および副乳頭 の4形 質 に淘汰 が働いてい
るか否かを分析 する と,肉髯(w)と有 角(p)の 遺伝子 に対 してはあ る種の有 利な淘汰 がみられた.集
団間の遺 伝的 分化 の程度 は3.95%で,人 間集団 よ りは るか に高い値 であ った.集 団内の遺伝子 間に,ま
た集団の遺伝子頻度 間 に相関関係がみられ,集団 内および集団間 におけ る遺伝 子間の ランダム化はまだ
完了 していない ことが認め られた.
日畜会報,50(9):614-622,1979
沖繩 にはかつ てウマ,ウ シ,ス イギュウ,ヤ ギ,ブ タ,
ニ ワト りお よびパ リケンと畜種 毎に在来 の家畜 が飼われ
ていた.こ れ らの家畜のなかで,ウ シは黒毛和種 に,ブ
タはラ ンド レース種や大ヨー クシ ャー種な どの洋種 に完
全 にお きかわ り,在 来種は絶滅 してい る.し か しヨナグ
ニウマとウタイチャー ン種(ニ ワ トリ)は 比較的純粋な
状態 で在来種 が保存されてい る.ま たスイギ ュウとバ リ
ケ ンは,沖 縄 に他の品種がいないため,交 雑 され ること
な く飼育 されてい る.他 方,ミ ヤ コウマ とヤギは,経 済
効 果をね らって,移 入 された改良種 との累進 交配 によ り
大型化 しつつある.
これ らの在来家畜の体型,遺 伝的変異の程度,改 良に
伴 う雑 種化の程度や体型の変化な どについての研 究が ウ
マ1,2),ス イギュウ3-5),ヤ ギ6-10),ニ ワ トリ11,12)でお こな
われている.一 方沖繩 は島嶼 群か ら成 り,そ れぞれの島
には,農 耕 と生活様式 に適合 した家畜が飼養 さ れ て い
る.そ れらの家畜 において,分 集団間の遺伝的 隔離の程
度 や諸形 質におよぼす 自然お よび人為淘 汰の影響な どを
検討す るには好適 な材料 である.つ ま り沖繩 の家畜集団
は家畜育 種上重要 な問題点 を内包 してい ると 考 え ら れ
る.集 団間 の遺伝的分化の程度 と遺伝子間の相 関 につい
て,NEI and IMAIZUMI13)に よって ヒトのABO血 液型で
遺伝的分析が試み られてい る.ま たNOZAWA9)も 南西諸
島全域の ヤギの外部形質 について,集 団間の遺伝的分化
の程度,集 団間お よび集団内での遺伝相関などを求めて
い る.さ らにNOZAWA et al.10)は沖繩 肉用ヤギにおける
27座 位の血液蛋白質型を検索 し,各 島の遺伝的変異の
程度,島 間 の遺伝的距離,ザ ーネン種の移入率な どを推
定 してい る.
沖繩 肉用ヤギは,有 色,有 角,副 乳頭 を有 し,肉髯 を
欠 く在来集団 に,角 や 肉髯 に関 して多型的な 日本ザーネ
ン種が導入交配 され た雑種集 団である.沖繩 肉用ヤギに
ついては鈴木 ら4)と 新城 ら7)に よ り体型 と外部形質が調
査 されている.そ こで本報 では,毛 色,肉髯,角 などの
遺伝的 な外部形 質を標 識 として,沖繩 肉用ヤギへの日本
ザ ーネン種の流入率,外 部形質にお よぼす自然および人
為淘 汰の存否,集 団間 の遺伝的分化の程度,集 団内にお
け る遺伝 相関お よび集団間 の遺伝 子頻度 の相関について
分析を試みた結果 を報告す る.
材料お よび方法
ヤギの調査 は図1に 示す ように与那国島,石 垣島,宮
古島,久 米島,座間 味島(阿 嘉島,慶 留間島 を 含む),
沖縄島中南部,沖 縄島北部,伊 平屋島,伊 是名島および
日 畜 会 報,50(9):614-622
614
1979
ヤギの雑種化 に関す る遺伝分析
Fig.
1.
Locations
of the island populations
of the Okinawa
goats.
粟国島の10集 団でお こな った.沖繩 島 は南北 に細長い
ため,中 南部 と北部の2集 団に分けた.北 部は名護市以
北 とし,中 南部は宜野座村以 南 とした.調 査期間 は1975
年6月 から1976年8月 までであ った.,
標識 となった遺伝的 な外部 形質は毛 色,肉髯,角,間
性,毛髯 お よび副乳頭 の6形 質 とし,約4ヵ 月齢以上の
雌雄合計1,459頭 につ いて調査 した.こ れ らの形質の遺
伝様式は毛色の白色(I-)と 肉髯(W-)は 常染色体性優
性遺伝子,有 角(PP)は 常染色体性劣性遺伝子に よって
発現することがLUSH14), ASDELL and SMITH15)に よ り明
らかにされてい る.ま た毛髯 は従性遺伝形質で雄では優
性形質,雌 では劣性形質 とされ てい る15).し か しこの遺
伝様式 には明確 を欠 く点 もあ るので,こ こでは 成 雌(1
歳以上の個体)につ いて,頻 度の計算をお こな った.間
性は劣性 遺伝子hが 雌 において ホモ接合体 とな った とき
にあらわれ,無 角 と連鎖 してい るとEATON16)と 近藤17)は
報 じている.そ のため間 性の出現割合 と遺伝子頻度 は雌
のみから推定 した.な お副 乳頭 は遺伝形 質である ことは
疑いないが,遺 伝様式 は不 明であ り,お そら く多因子形
質 と推測される.
上述 した ような遺伝様式 に基 づいてNEI18),NEI and
IMAIZUMI18)お よびNOZAWA9)の 手 法を用いて沖繩 肉用ヤ
ギの外部形質 について集団遺伝学的分析 をお こな った.
なお間性が生れ ると直ちに殺処 分す る地 域もあ るため,
誤差を生 じるおそれがあ るので,間 性 については分析か
ら除外 した.ま た 日本 ザーネ ン種 の移入率 を算 出す るに
あた っては,毛髯 のない個体が在来種 にもいた と思われ
るこ と8)お よび日本 ザー ネン種 におけ る毛髯 の遺伝子頻
度 が不明のた め,毛髯 は考慮 しなか った.
結 果
1. 各集団 の表現型頻度 と遺伝子頻度
沖繩 県下の10集 団にお けるヤギの表現型頻度 は表1
に示す ように,集 団に より各形質 とも著 しく異 な り,出
現頻度 の レンジは,有 色(ii)は7~38%,肉髯
な し
(ww)は58~90%,有 角(pp)は43~81%,毛髯

76~94%,副 乳頭は最 も広 く25~69%で あ った,集 団全
体を プール した場合 の沖繩 肉用ヤ ギの表現 型頻度 と遺伝
子頻 度は有 色15%(遺 伝子頻 度.382),肉髯 なし71%
(.845),有 角61%(.779),間 性1.6%,毛髯 あ り85%
お よび副乳頭 あ り38%で あ った.な お表 には沖繩 在 来
ヤ ギの改良に主 と して用い られた 日本ザーネ ン種 の遺伝
子頻度 を文献9)から引 用 し示 した.
2. 各集団 にお ける日本ザー ネン種の移入率
ここでは,純 粋の沖繩 在来サ ギを有色,有 角,肉髯 な
し,副 乳頭 あ りの個体 と仮定 し,日 本 ザーネ ン種由来 遺
伝子 の移入率 を推定す る.白 色遺伝子(I)を 例 にと る
と,在 来種 には白色は存在 しなか ったと仮定 され てい る
ので,ザ ーネン種の移入率M(s)は,M(s)=qI/qI(s)と
なる.ここでqI(s)は ザーネ ン種 におけ る白色遺伝子(I)
の頻度 であ り,qIは 雑種集団 にお けるI遺 伝子 の頻度 で
あ る.こ の ように して算出された移入率が表2に 示 され
615
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