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2017-06-18 17:56:54 | 日記
州大学農学部附属農場研究報告 第12号 66-67 (2005)
短甲 トカラヤギの毛色の遺伝
岡野香・古澤弘敏*・福留功㌔泉、清隆*・松石貴裕*・安河内幸一*・梶原良徳*・
                  道端奈穂子*・中野r豊
          九州大学大学院農学研究院植物資源科学部門農業生産生態学講座
                   *九州大学農学部附属農場
          緒 言
 トカラヤギを含め,日本における在来ヤギの毛色に
ついては,白色,黒色,褐色,チョコレート色,淡褐色,
その他が見られると報告されている(野沢,1964)
が,その遺伝性については実際に交配を行って実証
したものではなく,これまでの他のヤギにおける報
告(Adalsteinsson e‘aム1994∫Lush,1926;Asdell
and Smith,1928)から推定されているにすぎない.
当農場で飼育繁殖しているトカラヤギの毛色は,白色,
褐色および黒色がほとんどであり,その他の毛色のヤ
ギは極めて少ない.したがって,白色,褐色および黒
色の毛色のヤギ雌雄を交配して,その遺伝性について
検討を行った.
       材料および方法
 材料としては,トカラ列島から導入した雌雄(いず
れも白色)を交配して得られた集団と,その後同列島
の別の島から導入した雌2頭(褐色白班,黒色白班)
および鹿児島大学から導入した雄1頭(褐色)を交配
して,繁殖したものを使用した.雌雄は交尾できない
ように別飼いし,発情が確認された雌は交配室に雄と
共に入れ,雌雄の毛色を記録した.雌と雄は交尾を確
認したあと交配室から出し隔離した.その後,交配し
た雌が分娩した仔ヤギについて毛色を記録した.
てはウシにおけるホルスタインのようなヤギもしばし
ば見られた.なお,白班を支配する遺伝子はヤギの毛
色の基本となっている白色,褐色および黒色を支配す
る遺伝子とは別のものであると報告されている(Lush,
1926)ので,白班を持つヤギもそれぞれの基になる
毛色のヤギと同様に白色,褐色および黒色として分類
した.
 これらの三種類の毛色のヤギ雌雄を相互に交配した
結果を表1に示した.その結果,白色ヤギ雌雄の交配
からは,三種全ての毛色すなわち白色・褐色・黒色ヤ
ギが得られた.また,褐色ヤギ雌雄の交配からは,白
色のものは得られず,褐色と黒色の毛色のヤギが得ら
れた.さらに,黒色ヤギ雌雄の交配からは,白色およ
び褐色のものは得られず,黒色ヤギのみが得られた.
このことから,白色は褐色および黒色に対して優性で
あることが推察され,褐色は黒色に対して優性である
と考えられた.
 したがって,まず白色と有色(褐色および黒色)と
に大別してその遺伝的な関係を確認するために,白色
ヤギの雌雄と有色ヤギの雌雄との交配として表1を整
理すると表2に示すとおりになった.
 白色雌雄の交配からは白色ヤギと有色ヤギが得ら
れたが,有色雌雄の交配からは白色ヤギは得られず,
有色ヤギのみが103頭得られた.従来の報告(Lush,
       結果および考察
 当農場で飼育繁殖しているトカラヤギの毛色は白
色,褐色および褐色白班,黒色および黒色白班のもの
がほとんどであり,その他の毛色のヤギは極めて少な
く,これまでに4頭(4/324=1.2%:九大農場において)
が観察された.しかしながら,4頭はいずれも黒色と
褐色との中間的な毛色であり,しかもその色は非常に
薄くそのために黒色ヤギおよび褐色ヤギとの違いは明
らかであった.白色ヤギは誕生直後は薄い茶色もしく
は肌色であり,生長と共に白色になり,雌においては
生長の段階で非常に薄い痕跡的な肌色の斑紋が確認さ
れる時期があるが,最終的には身体全体が白色になっ
た.一方,雄においては,早い時期に白色になり,光
沢のある銀色に近い白色になるヤギも確認された.ま
た,褐色および黒色ヤギにおいては白班が確認される
ものが多く,白班の割合の多い黒色白班のヤギにおい
表1 白色、褐色および黒色ヤギの雌雄相互交配の結果
一_  黒色 計
   白色
白色  褐色
 __墨色一
268
742
340
22
14
30
亙 36 13 17 66
   白色    24   19    4    47
褐色  褐色         16    2    18
  商      24   43   10    77
   白色
黒色  褐色
   黒色
5  3     8
20    13
    40
16
33
40
- 5 23 61
△養 65 79 88
8.9一
232
66
岡 野 香 ら
1926;Asdell and Smith,1928)から,ヤギの毛色に
おける白色(1)は有色(i)に対して優性であると考
えられている.さらに,トカラヤギの白色はザーネン
の影響を受けていると考えられる(野沢,1964)ので,
今回の実験結果からトカラヤギにおける白色は有色に
対して優性である1遺伝子により支配されていると思
われる.
 つぎに,褐色と黒色についてその遺伝的な関係を明
らかにするために,表1の結果から褐色と黒色のヤギ
の交配のみをまとめると表3に示すようになった.
 褐色雌雄の交配からは褐色ヤギおよび黒色ヤギが得
られたが,黒色雌雄の交配からは黒色ヤギのみが40
頭得られた.この結果から,トカラヤギにおける褐色
と黒色の遺伝的な関係は単一対立遺伝子によって支配
されているものと考えられ,褐色が黒色に対して優性
であり,黒色が劣性であることが示された.
表2 白色ヤギと有色ヤギとの交配の結果
白色  白色    12    10    22
 ヤギの毛色について野生色(アグチ)を支配する
遺伝子は復対立遺伝子の一つであるAbz(A+)であ
り,黒色は同遺伝子座のAa(nOnagOUtiまたはnO
pattern)遺伝子により支配されていると報告されてい
る(Adalsteinsson ef a1.,1994).したがって,トカ
ラヤギにおける褐色を支配する遺伝子はAbzであり,
黒色を支配する遺伝子はAaであると考えられるが,
この事実を確認するためには,さらに交配試験が必要
である.      ’
)1

2

3

4
       引用文献
Adalsteinsson,S., Sponenberg,D.P., Alexieva,
S.and Russel, A.J.R Inheritance of Goat Coat
colors. J. Hered.,85:267-272.1994
Asdell, S. A. and Smith, A. D. B. Inheritance
of color, beard, tassels and horns in the goats.
J.Hered.,19:425-430.1928
Lush, J. LI. Inheritance of horn, wattles, and
color in grade Toggenburg goats. J. Hered.,
17:73-91. 1926
野沢 謙,トカラ・奄美両群島における山羊.日
本在来家畜調査団報告 第1号:16-24.1964
呂一 36 30 66
有色  白色    29    34    63
____有色__一_____⊥Ω3___103
一冒i 29 137 166
△量 65 167 232
表3 褐色ヤギと黒色ヤギとの交配の結果
褐色  褐色    16     2    18
一一
y闘
24 6 30
黒色  褐色
    黒色
20
1・4
30
33
40’
20 53 73
△碁 44 59 103
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