現在、MRIやマルチCTなどにより、早期の状態にある「がん」の発見が可能になってきています。
とくに、その発見が進んでいるのが乳がんです。
マンモグラフィや超音波などにより、表面的に腫瘍が確認される前の早期に発見することができ、早期の治療により治癒率も非常に向上しています。
その乳がんの治療で、最近は「センチネルリンパ節生検」が多くの医療機関で導入されるようになってきています。
このセンチネルリンパ節とは、がんとつながっているリンパ管が最初にたどり着く「節」で、この「節」を取り出して顕微鏡でがんの有無を検査することで、そこにがんが見つからなければ、その先には癌の広がりがないと考え、局所的な外科療法(たとえば乳房温存やラジオ波など)を実施することが出来ます。
さて、この「センチネルリンパ節生検」は早期胃癌についても、その有効性
については数年前から研究がされてきました。
いくつかの病院では、早期胃癌についても乳がんと同様にセンチネルリンパ節生検を行い(胃癌の場合、検査するリンパ節は多くなります)、食書的な手術が可能であるかの検討が行われています。
また、食道癌についても臨床研究が行われています。
とくに、胃癌、食道癌は、このセンチネルリンパ節生検にて精度良くがんの局所性を判断することにより、これまでESD(内視鏡手術、粘膜下層剥離術)の適用が「粘膜内癌」とされてきましたが、それが「粘膜下層癌」までの拡大の可能性あります。
菊島
がんの免疫療法は、第4の治療などといったフレーズで雑誌やインターネット等で説明がされています。
この免疫療法については、EBM(根拠のある医療)としての十分の説明のない治療方法や免疫療法と称した健康食品の販売などが「悪い陰」のイメージを植え付けてしまっているように思います。
もちろん、この免疫療法は現在臨床試験レベルで様々な医療機関で検討されており、さらに、自由診療扱いになりますが治療を選択できる医療機関も多くなってきています。
この免疫療法は、以下のような分類が出来ます。
◇ 免疫の種類
非特異的:体のなかの自然な免疫を利用
[特徴] がんをコントロールする
→サイトカイン療法
NK細胞移入
活性化リンパ球移入 など
特異的 :意図した免疫(獲得免疫)を利用
[特徴] がんを効率よく攻撃する
→[第1世代] 自己リンパ球移入
→[第2世代] 樹状細胞がんワクチン
◇ 免疫反応の種類
能動的 :免疫反応を引き起こさせる
→ワクチン療法
サイトカイン療法
受動的 :外部で細胞をつくり体に戻す
→腫瘍組織リンパ球
活性化自己リンパ球
NK細胞
もちろん、これ以外にもペプチドやDNAを用いたワクチンなど新しい治療方法が開発されています。
くわしくは、こちらへ。
※注 免疫療法の多くは、自由診療となるため担当医に十分に相談し、治療費やその効果などを含め十分な事前準備が必要です。
木村
昨日、富士登山競争が行われました。
この富士登山競争は、60回を超える伝統ある大会で、全国はもちろん海外からも参加者がいるとのことです。
制限時間は、4時間30分
標高差は、3000m
富士山の裾野である富士吉田市役所から頂上までの約21kmの距離を競争するものです。
もちろん6合目付近からは溶岩石がごろごろして、一列になってはい上がるような感じで頂上を目指すようです。
気温差は21℃もあるようです。出発時に30℃の気温でも、山頂は9℃になります。それでも、参加者はランニングや半袖、そして短パンで山頂を目指すようです。
この大会を思うと、いかに人間の体は柔軟であるとともに、高い能力があるのだと実感します。
下は、今朝の富士山の写真です。
佐治
ある程度の規模の医療機関では、「医療相談室」や「医療連携室」などといったものが設置されています。
ここでは、医療費の相談や、転院などを含めた医療連携などの相談ができます。
この相談に応じていただける方としてソーシャルワーカーがいます。
ソーシャルワーカーは、医療ソーシャルワーカーと呼ばれ、たとえば社会福祉士などの資格を有している担当者です。
とくに、がん・悪性腫瘍の場合、治療方針に悩んだり、先生とのコミュニケーションに悩んだりすることがあります。
その場合、解決する一手段としてセカンドオピニオンがあります。
しかしながら、このセカンドオピニオンを主治医に言い出しづらいなどといったことをよく聞きます。
そんなときに、このソーシャルワーカーの方に相談するのはいかがでしょうか。
病院の内情に関しても、よく知っていますし、これまでの相談内容から総合的に判断して、詳しく相談することができると思います。
菊島