徒然、気分屋日記

自分による、自分のための、自分の日記

September bride

2017年09月11日 14時17分32秒 | 日記
肌を掠める風はつい先日感じた生暖かい温度を失くしはじめていた。
空も翳る日が多く見え、五感に寒さを感じさせる。
気づけば、もう九月。初秋を過ぎ、仲秋。
暖かい季節も次第に寒さを纏い、夏の季節を遠い日のように思わされる。

九月のはじめに兄の結婚式があった。
三人兄弟の中で初めての結婚式。
前撮りの日にカメラマンとして立ち会ったけれど、いつもとは違う良い違和感がそこにはあった。
キャラメルホワイトを基調としたモーニングに茶色いラペルとネクタイが純真な風合いを帯びる。姿勢の良い伸びた背筋と凛とした立ち振る舞いが清楚な雰囲気を醸し出す。
幼い頃にふざけ合っていた、あの頃の兄の姿が頭をよぎり、面影の残ったあの頃とは違う姿により一層に大人びさが増して見えた。
お嫁さんは肩から腕がレースで覆われている純白のドレス姿で、肌の露出が少ない分より純真無垢な雰囲気が匂わされていた。
内部が白いチャペルはレッドカーペットの色を映えさせ、そこ並んで歩く二人の姿を際立たせていた。天気予報では曇りの予報だった空も晴れ、窓から差す陽射しはそんな二人を祝福しているようだった。
外に出て、祝福されてる空の下で恥ずかしながら堅くなりつつもはにかみ、笑みを浮かべ二人。お嫁さんの両手で持っている淡い紫のブーケが白いドレスにより鮮やかさを増して見えた。
幸せな雰囲気を見れて凄く幸福感で満たされ、次の日のカメラマンとしての緊張は少し解れていた。

当日は前日のおかげか緊張も解れ、肝を固め臨んだ。
久しぶりに会う従兄弟や親戚の方々。入院していた叔父も一時帰宅が許され、会場に来ることが出来た。
会場内には兄とお嫁さんの友人やお嫁さんの親戚の方々がいたが比較的小さく、親密な人が呼ばれているようだ。
近くにお世話になった兄の友人がいて挨拶をした。
内心は色んな人に忘れ去られているんじゃないかという恐怖がどこかにいつも潜んでいるものだが、現実は自分が思い込むほど怖くなくて、幼い頃のように普通に声を掛けてもらえて凄く嬉しかった。
いつからこんなことで恐怖を感じるようになったのか、全然思い出すことが出来ないが、特段深い意味があるわけでもなく、一人や二人に忘れられたことを過大化して被害妄想を膨らましているだけなんだろう。きっと。
それすらも忘れるんだ。気にすることはない。

一つ一つを積み重ねことで、テーブル席を歩き回って写真もたくさん撮ることが出来た。カメラマンとして、少しだけ度胸がついたかな。
撮った写真を姉に見せると反省点を多々として上げられてしまったのだが、終わってしまった後だったので後の祭りだ。兄よ、すまん。
友人や色んな人に囲まれる二人の姿は幸せそうで、周りの人にも笑みが広がって素敵な結婚式だった。
結婚というものの魅力が垣間見えた日。
末長く幸せになってな。