もみさんの一日一冊遊書録(2011年9月1日 スタート!:メメント・モリ)   ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

6 007 林茂「日本の歴史25 太平洋戦争」(中公文庫:1967)感想5

2016年09月18日 20時45分02秒 | 一日一冊読書開始
9月18日(日):  

496ページ    所要時間4:05    蔵書(本棚の肥やし)

著者55歳(1912-87:75歳)。東京大学社会科学研究所教授。

まともに読めば軽く10時間以上かかるので、これまで本棚の肥やしだった。1977年刷の本で、黄ばんで数か所ページが割れてかなり劣化が進んでいる。部分的にチェックが入ってるが、通読はしていない。とにかくすべてのページに目を這わせることだけを目標に、1ページ15秒を意識しながら目を這わせた。50か所以上付箋をした。この付箋をたよりに読み直せばかなり良い読み込みができそうだ。

1937年、226事件直後、最後の元老西園寺公望が、近衛文麿を次期首相に推薦するが、固辞されて広田弘毅内閣が成立するところから始まり、1945年敗戦、ポツダム宣言受諾までの19年間の歴史を記述している。眺め読みでは、細かい事柄の理解は無理だし、具体的な内容をブログに載せるのは難しいが、大体何があったのかは頭に入っているので、当時のいきさつを目で追うことで、目を這わせている時点では様々な背景や様子を具体的に頭に浮かべることができて、かなり貴重な経験になった。

本書は戦後22年に書かれたものであり、古いけれども、かえって生き生きと戦争当時を記述しているように思う。大政翼賛会が、掛け声の大きさの割にはできた時には皆白けていた、翼賛選挙には何の大義名分もなかった、インパールの「靖国街道」など「ああそうだったんだ」という確認・発見がたくさんあった。やはり中公文庫の「日本の歴史」シリーズ全26巻は、歴史シリーズの白眉の一つだと確認できた。今回の通読(?)を機に本書と縁を結びなおして、辞書のように使用できるようになったので、良い取り組みになったと思う。

【目次】粛軍の名のもとに/宣戦なき戦争/国家総動員/変転する内外の情勢/新体制運動/三国同盟から日米交渉へ/太平洋開戦/大東亜共栄圏/翼賛政治/落日の死闘/総力戦と国民生活/終戦か継戦か/大日本帝国の崩壊/おわりに

【ウィキペディアより】林の単著とされているが、実際には大半が東京大学社会科学研究所周辺の中堅・若手研究者が分担執筆したものを林が監修したものと伝えられる(どの部分をどういった研究者が執筆したのかは書かれていない)。なお、伊藤隆によれば、伊藤と坂野潤治、古屋哲夫、大島太郎、大畑篤四郎、鳥海靖らが分担して執筆し、「ご本人が一行も書かないまま、その名前で刊行され」た。
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