もみさんの一日一冊遊書録(2011年9月1日 スタート!:メメント・モリ)   ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

170729 再論:6 083 齋藤孝「図解 菜根譚 バランスよければ憂いなし」(ウェッジ:2013)感想3+

2017年07月29日 12時27分19秒 | 一日一冊読書開始
「6 083 齋藤孝「図解 菜根譚 バランスよければ憂いなし」(ウェッジ:2013)感想3+」
             2017年07月21日 22時58分56秒 | 一日一冊読書開始
7月21日(金):  

231ページ    所要時間2:10      図書館

著者53歳(1960生まれ)。

本来の「菜根譚」部分は2割程度。あとの8割は著者の随想みたいなもの。付箋はしたので、返却までにざあっと見直す程度かな。

著者の文章は、いつもそつのない世渡りのうまさを感じるばかりで、あまり心に響かない。


7月29日(土):追加して記す。

ここのところずっと、職場で精神的にきつい日々を送っている。そんな日々の中で、一番救いになったのは図書館に返却する前にとっておいた本書の付箋をしたページのコピーを読み返すことであった。コピーを取った目次には、紹介されている節の『菜根譚』内での番付けが記されてるので、コピーにある部分も、ない部分も、改めて俺の蔵書の中村璋八、石川力山『菜根譚』(講談社学術文庫:1986)で中身を見て確認できた。

本書の著者の齋藤孝が「おわりに」で、
『菜根譚』の内容は、社会で成功したりうまく行ったりした時ではなく、うまくいかなかったとき心にしみるものかもしれません。自分が周囲に評価されていないと感じるとき。自身の力がうまく発揮できないと感じるとき。人生の意味を振り返り考え込んでしまうとき……。ふとした瞬間に立ち止まることは、誰にでもあるものです。/普通それは「不安」という言葉で表されます。これらの不安が訪れたとき、宗教が一つの支えになる人もいます。宗教というのは、自分がなぜそこにいるかという存在の不安を軽減してくれるものです。しかし、明確な宗教をもたない人は、不安が訪れたときやちょっと嫌なことがあったとき、鬱になったり、無力感にさいなまれてしまうのです。/そういうときこそ、『菜根譚』を読むチャンスです。/『菜根譚』は、全編通して本質的な問題を見つめているので、ふとした不安についても深いところで気づきがあります。何度か読んでなじんできたら、気に入ったフレーズを座右の銘として手帳に書き写しましょう。  229ページ
と述べている。確かにこの評価は正しいと思った。語り続けられる陳腐な言葉には、語り続けられる理由があるのだ。普段はピンと来ないし、「わかりたくもない」と思っている言葉の真理に触れることができるのも福岡伸一先生流に言えば「年を取り様々な苦労を重ねることの値打ちである」のかもしれないと思うのだ。

昨日7月28日(金)は、蔵書の守屋洋「中国古典の人間学」(新潮文庫:1984)の中の『菜根譚』の章(22ページ)だけ読んだ。本書では、『菜根譚』を「老獪な処世法」の書と言い切り、「謙虚さの陰にある計算は、あくまでも秘められたものではならない」とする。そして、
読み込むほどに味わい深く、それぞれの立場に応じて、得るところが多いはずである。厳しい現実と苦闘している人は、適切な助言を見出すだろうし、不運な状態に苦しんでいる人は、慰めと励ましを受けるだろう。心のいらだちに悩まされている人は、大いなる安らぎを与えられるに違いない。 113ページ
と位置付けている。適切な評価だと思う。

【ウィキペディア】 菜根譚(さいこんたん)は、中国の古典の一。前集222条、後集135条からなる中国明代末期のものであり、主として前集は人の交わりを説き、後集では自然と閑居の楽しみを説いた書物である。別名「処世修養篇」(孫鏘(そん しょう)の説)。洪自誠(洪応明、還初道人)による随筆集。
  その内容は、通俗的な処世訓を、儒教、仏教、道教、三教一致の立場から説く思想書である。中国ではあまり重んじられず、かえって日本の加賀藩儒者、林蓀坡(はやし そんぱ、1781年-1836年)によって文化5年(1822年)に刊行(2巻、訓点本)され、禅僧の間などで盛んに愛読され、仏典に準ずる扱いも受けてきた。また実業家や政治家などにも愛読されてきた。尊経閣文庫に明本が所蔵されている。
  菜根譚という書名は、朱熹の撰した「小学」の善行第六の末尾に、「汪信民、嘗(か)って人は常に菜根を咬み得ば、則(すなわ)ち百事做(な)すべし、と言う。胡康侯はこれを聞き、節を撃(う)ちて嘆賞せり」という汪信民の語に基づくとされる(菜根は堅くて筋が多い。これをかみしめてこそものの真の味わいがわかる)。
  「恩裡には、由来害を生ず。故に快意の時は、須(すべか)らく早く頭(こうべ)を回(めぐ)らすべし。敗後には、或いは反(かえ)りて功を成す。故に払心の処(ところ)は、便(たやす)くは手を放つこと莫(なか)れ(前集10)」(失敗や逆境は順境のときにこそ芽生え始める。物事がうまくいっているときこそ、先々の災難や失敗に注意することだ。成功、勝利は逆境から始まるものだ。物事が思い通りにいかないときも決して自分から投げやりになってはならない)などの人生の指南書ともいえる名言が多い。
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