もみさんの一日一冊遊書録(2011年9月1日 スタート!:メメント・モリ)   ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

6 053 湯浅誠・茂木健一郎「貧困について とことん考えてみた」(NHK出版新書:2012)感想4

2017年04月19日 00時37分25秒 | 一日一冊読書開始
4月18日(火):  

206ページ    所要時間1:05      古本93円+税

湯浅43歳(1969生まれ)。社会活動家。2009~12年、内閣府参与。
茂木50歳(1962生まれ)。理学博士。脳科学者。

対談本である。1ページ15秒読みを実践した。細かい内容は読み切れないが、内容全体の良し悪しは十分に判別できた。本書を30秒読みにすれば、おそらく感想5になる。

久しぶりに貧困問題の本質を論じる湯浅氏の言葉と再会することができた。また、茂木氏が湯浅氏の考え方とシンクロできる人物であることを知れたのはとてもよかった。

貧困問題の視点から、今の安倍政権を見ると異様さが一段とくっきりと見えてくる。観桜会を開いてはしゃぎ回っている安倍夫婦を見ていると「それどころじゃないだろう。こいつらには何も見えていない。こんな頭のいかれた連中が日本の権力を握っているというのは異様な風景だ」としか言えない。言葉を失うほど異常な状況である。

本書で、最も強調されてることは、今の世の中にあふれかえっている「自己責任論」の誤り、不当さに対する徹底的糾弾である。人間は一人で生きられる存在ではない。「健康で文化的最低限度の生活」とは、お金だけで保障されるものではない。身の置き「場所」、人生・生活の「溜め」としての人間関係の回復がどうしても必要である。

貧困問題では、小さな関係性の修復の積み重ねが非常に大事であり、それはお金がかかるものではない。小さな工夫、イノヴェーションの問題である。

湯浅  ですから、一律が好きだというのは、やはり、自分に自信がない、自分自身の判断基準を持っていないということなんじゃないでしょうか。
茂木  そうですね。日本は、世論も一方向にスイングする傾向があるから、それはパブリック・センターに留まらない。この社会に一貫した「脆弱性」だと思います。
湯浅  いわゆる「空気」と言われるものですね。最近の生活保護に対する世論を見ても思いますが、いったん一方向に流れ出すと、誰から言われなくても、みんながそこに配慮して動く雰囲気がありますね、忖度文化とも言われますが。”一つの流れができた”と多くの人が感じると、個々人がそれを所与のものとして動き出して、結果的にそれが強化されるという、妙な増幅過程です。誰かが何かを言い出して初発の勢いを持ったときというのは、それはまだ少数の話なんですね。では、その後に続いた大量のフォロワーたちが、本当にその考えに強く賛同しているかというとそういうわけでもない。略。そうやって受け入れられていって、結果的に、7割、8割になったりする。これは、一人ひとりが誰かに説得されたというよりも、忖度文化の影響が強いと私は思うんです。/でも、略、そういったことで生活困窮者の人たちが実際に潰されてきた面がある。「潰されてきた」というのは、繰り返し言ってきたことですが、単にお金がないだけではなく、精神的にも排除されてきた。略、あるいは、孤立してきた。
  166ページ

【内容紹介】貧困と貧乏の違いって、なんだ?  社会活動家と脳科学者という異分野の二人が日本を縦断、新たな貧困支援策=パーソナル・サポートの現場を訪ねた。多くの貧困者と支援者の生の声に耳を傾けることから見えてきた、貧困の現状、本当に必要とされる支援、そして日本社会の未来—。貧困をテーマに“人と社会が再び輝きを取り戻すための条件"について徹底的に語り合った、刺激的な対論!
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