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日々感じた心の軌跡と手作りの品々のコレクション

海野十三の「金属人間」

2017-07-29 23:43:38 | 
先月は田中富雄の作品の読書会はあったんですが、チャリティを控えてわたくしの海野の調査票はお休みしました。
で、2ヶ月ぶりの海野の中篇怪奇SF推理小説だったんですが、今回も読み応えがあり、楽しめる作品でした。

初出 「サイエンス」 1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号

収録本 「海野十三全集 第12巻 超人間X号」三一書房 1990(平成2)年8月15日第1版第1刷発行

時代設定 作品発表時と同時代程度

作品舞台 

今は家族もなく、孤独な境遇でわずかな雇い人たちと暮らす代々医学者家系の針目家当主、針目左馬太の邸内で家政婦の女が殺されるという事件が起きる。しかも、どうやら状況は密室殺人のようである。

登場人物 ・探偵、蜂矢十六 
     ・蜂矢の助手、小杉二郎少年 
     ・理学博士、針目左馬太 
     ・針目家家政婦、谷間三根子 
     ・長戸検事 
     ・川内警部 
     ・田口警官 
     ・大学生、雨谷金成

あらすじ

理学博士、針目左馬太の邸内で家政婦の谷間三根子が殺されているのが発見される。
密室殺人事件である。鋭利な刃物で頸動脈を切られたと見られるが凶器も見当たらない。
しかし、現場にいた川内警部や田口警官も本人がそれと気付かぬうちに出血を伴う怪我を負い、狐につままれた態である。
当然、雇い主である、針目を聴取しようとする警察にしぶしぶ応じた博士は自分の研究室を案内する。
生命の誕生を研究テーマとする博士の研究室は奇奇怪怪、グロテスクな生物がいくつものガラス槽に押し込められ、さしもの捜査陣も卒倒寸前という有様である。
また、奥の部屋には三重の扉で厳重な管理をする試作生物の実験室があり、ずかずかと入り込んだ警官たちの不注意が原因だったか「この部屋にねむっていた大切なものの目をさましてしまった」という博士の叫び声がしたかと思うと、その第二研究室は、大爆発を起こし吹き飛んでしまう。
他日、大学生の雨谷は露店商から買った釜がからくりもないのに自分でかってに動くことを発見し、二十世紀文福茶釜の興行で世間を賑やかせていた。

みどころ

偏屈者の針目博士が「金属Qを創造する見込みがついた」と記した日記が伏線になっているのは容易に想像がつくが、その動く金属がなかなかの役者である。最初は動く釜としておもちゃ的存在であるが、だんだんと進化してゆく。針目博士に変装して、敏腕探偵すら欺き、人間よりもすぐれた思考力を持つスーパー生物となるのだ。
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