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日々感じた心の軌跡と手作りの品々のコレクション

海野十三の「獏鸚」

2017-04-23 23:30:00 | 
このところずっと毎日ブログ更新してたんだけど、夕べは読書会の調査票作りかけて眠くなっちゃって、あ、日が変わる、もう止めとこうということになりました。で、今日もパソコンに向かったのがこんな時間。大丈夫かな。

初出 「新青年」博文館 1935(昭和10)年5月

収録本 「海野十三全集 第3巻 深夜の市長」三一書房 1988(昭和63)年6月30日第1版第1刷発行

時代設定 作品発表時と同時代程度

作品舞台 探偵・帆村荘六の事務所から遠からぬ東京の繁華街

登場人物 ・探偵 帆村荘六 
     ・帆村の友人 
     ・暴力団「暁団」元団員 錨健次 
     ・「暁団」団長 江戸昌 
     ・「暁団」ライバル「黄血社」ダムダム珍 
     ・金満家田代金兵衛 
     ・戸沢刑事 
     ・東キネの幹部女優桐花カスミ 
     ・カスミの弟子三原玲子

あらすじ

かねてより、彼が希望していたトーキーの撮影鑑賞に誘おうと私立探偵・帆村荘六を訪ねた友人は、暗号文に呻吟する帆村より「獏鸚(ばくおう)」が解るかと聞かれる。
ことの起こりは金満家・田代金兵衛の用心棒をしていた錨健次が殺されたことにあった。
錨は『暁団』という暴力団の元団員で、『暁団』団長・江戸昌の指示により殺害されたのだという密告の電話が入る。
警察は密告者は最近台頭してきた「黄血社」ダムダム珍の手のものではと踏んでいたが、帆村もそれを確かめるため喫茶ギロンに勤める『暁団』団員の女に接触する。
そこで仲間のふりをして何とか密告書を手に入れかけるがあわやのところで気付かれ、密告書は引きちぎられ、謎の獏鸚の文字が書かれた一部分だけが、帆村の手に残ったのだった。
某日、東京キネマの撮影所を訪ねた帆村は女優桐花カスミの弟子三原玲子が、かのギロンの女だったことを確認し、悪声の桐花カスミの声優を務めていたことを知る。
そして台本にないセリフを喋ってる玲子のフィルムが切取られていることを知らされた帆村はそのセリフにこそ、行方不明になっている金満家・田代金兵衛の金庫を開ける鍵が隠されていると確信する。

海野の好きな暗号文の謎解きが嬉々として展開されてるような印象を受ける。
トーキーの時代と言っても今の若い人にはピンとこないだろう。推理小説といっても、すでに昭和は遠くなり、過去の歴史を垣間見るひとつの史書としての価値が付加されているのではと感じたことだった。
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