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2017-05-19 12:46:20 | 日記




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水俣から21世紀へ

 *原田先生は授業ではVTRやスライドを使用されたので文字だけでは分かりにくい部分もあるかもしれませんが、ご容赦ください。
5月11日 原田正純
はじめに

 僕が大学に入ったときは脳のことを勉強したくて神経精神医学に入ったのですが、たまたま私が入った時期は水俣病の原因がわかった時で(1959年)、水俣病と出会ったのです。水俣と出会わなければ今頃父を継いで、田舎の医者になっていたでしょう。水俣との出会いにより、世界が広まったし、よかったと思っています。
 まず最初の患者さんに出会って「さあ、どうする」とつきつけられたのですが、何をすることもできない、何をしてよいかも分からない。では、その時を記録したビデオを見てください。


原田正純
VTRより

 まず猫が狂いました。これが狂っている様子。これが猫踊りと言われた症状で、村の人は「猫が自殺した」といった。
 これは、漁師の方。運動が円滑に行かない。運動失調、共同運動障害の状態。通常では、複数の筋肉が一緒に動いて体が動いているが、共同運動障害が起こると、通常しているようには体が動かせなくなる。完全にできなくなるわけではないが、なんとなくぎくしゃく、ふらふらしているでしょう。だから、障害の程度がわかりにくい。また、視覚障害によりふらふらする場合もあります。日常生活における細かな動作がぎくしゃくしてしまい、網をつくろったり魚を揚げたりができなくなり漁師さんたちは漁ができなくなってしまいました。
 この子は5歳で発病し、20歳で亡くなりました。一番重症で十何年間、鼻からチューブを通して生きました。あるジャーナリストは「生きる人形の告発」といって、ドキュメントをかきました。動かないわけじゃないけど、ほとんど目が見えない。


胎児性水俣病

 胎児性水俣病は、胎盤を通って子供が中毒になるということです。同じような年に生まれた子供たちがたくさん、障害をもって生まれてきたわけです。その時は脳性小児麻痺と診断されていたが、原因が何かがわかっていなかった。メチル水銀だと睨みをつけたが、それを証明するのが難しかった。当初は水俣病の原因もわかっていない状態で、生まれた時の水銀値など測っていないから診断が遅れてしまった。
 このころは障害がいかにひどいかを強調したが、この子たちは研ぎ澄まされた感性を持っている。確かに知能は悪いが直感、センスは抜群にいいのです。
 当時毒物は胎盤をとおらないと考えられていたため、胎児性という概念すら存在しなかったのです。このような現実をつきつけられて、あなたならどうしますか。私たちは本当にとまどいました、ただ呆然としていました。逃げる方法だってありました。何も病気は水俣病だけじゃないのだから、他の病気の専門家になってもよかったのです。だけど、僕は逃げませんでした。


水俣病の発見

 1956年5月1日、水俣病が正式に発見されました。これは熊大が水俣病を発表したファーストレポートです。注目してもらいたいのは、写真に出ている患者がみんな子供であることです。環境汚染の影響を真っ先に受けるのは、子供や年寄りなど弱いもの、生理的弱者だということです。このレポートをみて、チッソの病院の院長が保健所に届けたのです。その日が5月1日でした。今は、この日に市が慰霊祭をするようになりました。
 これは、報告第1号の患者の家です。ごらんのように窓からサカナがつれるくらい海のそばの家です。自然の中に自然と共に生きていますね。このような人たちが環境汚染の被害を真っ先に受けます。そして自然と共に生きている人々は、世界中で大体において貧しい人ですね。生理的弱者とともに社会的弱者も環境汚染の被害を受けやすいのです。環境被害のしわ寄せというものは弱者にまず来るということを、一つの教訓として水俣病は私たちに示しています。
 この子が今の家の子です。この子は2歳11ヶ月で発病して今日まで生きています。もう50歳に届こうとしています。しかし彼女は発病以来、全く言葉を失い、自分でごはんを食べることもトイレに行くこともできない全面介護です。ただ毎日窓から海を見て、にやにや笑ってよだれを流している。両親も亡くなり姉が面倒をみているけれど、それはもう大変です。しかし私たちにとっては、この人は非常に大切な人である。この人が生きている限り水俣病の問題は終わらないのだから、みんな一生懸命長生きすることを願っています。見えても、聞こえてもいるようですが言葉を一言も発しないです。逆にいうと仏さんのようです。


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