ジョージ・いまさきもり の アンダンテ・カンタービレ

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『限定正社員とは何か』~6/18 NHKラジオ 内橋克人さんのお話

2013年06月18日 | ラジオ番組

『限定正社員とは何か  6/18 NHKラジオ 内橋克人さんのお話の要約です。  

正社員、非正規社員の他に、
もう一つ、限定正社員という雇用の在り方が、制度化されようとしている。

先週の6月14日、政府は閣議で、骨太の方針と日本再興戦略を正式に決定した。
同じ閣議で決められた規制改革の実施計画の中に
『職務や勤務地を限定した正社員』の雇用ルールをm2014年度までにまとめる
という工程表が盛り込まれている。
職務・勤務地・労働時間などを限定した新しい正社員を制度化する、というものである。

これは、先に規制改革会議が
限定正社員という雇用形態を示して、
そのルール作りを求めた答申に沿ったもので、
その答申では、これを来年度中に整備するようにと求めていた。 

また、規制改革会議だけでなく、政府の産業競争力会議も
先にまとめた成長戦略の中で、
多様な正社員モデルと呼んで、企業に導入を促すという方針を打ち出している。 

閣議決定された工程表通り進むと、
現在の正規社員と非正規社員の間に、
もうひとつ、限定正社員という新しい雇用形態が制度化されることになる。
つまり、働く人々が正規・非正規そしてこの限定正社員という、3種類に分けられる事になり、
労働の細分化・階層化が一層進むことは、避けられなくなることは間違いない。 

さて、その限定正社員であるが、
職務とか勤務地あるいは労働時間を限定した正社員、という事である。
働く者の者の都合に合わせて、仕事の内容も、
働く場所も、労働時間も選ぶことが出来るという、一応、正社員ではある。

しかし、その分賃金その他待遇が、本物の正社員より低く設定されるだろうし、
さらに、解雇(雇用調整)を、やりやすくなるのではないか、という懸念もある。

これを答申した規制改革会議の雇用ワーキンググループは、
そのプラス効果、つまり働く者のメリットとして次の3点を強調している。 
1.これまで半年とか1年とか短期間で、
  契約を更新しながら働かざるを得なかった非正規労働者にとって、雇用の安定が得られる。
2.働く本人それぞれの都合で、労働時間や勤務地などを選択できるので
  個人のワークライフ・バランスの向上につながる。
  過剰な残業とか、転勤などの人事異動に、無限に従わなくても済むようになる。
3.出産・育児の子育てを終えた女性が、働きやすい労働条件で仕事の場に復帰しやすくなる。
  つまり女性の活躍につながる。 

しかしこれらに対しては、日本労働弁護団を始め、強い反対の声がすでに上がっている。

この限定正社員制度というのは、働く者の利益を考えてのものではなく、
この制度を梃子して、
これまでの解雇ルールを緩和する、また、解雇トラブルを金銭で解決できるように、
一言で言えば、従業員の首を斬りやすくするのが真の狙いである、からである。

だから、働く労働者にとって、
「多様な働き方の中から、自分に合った働き方を選べるようになる」と
手放しで喜んでいるわけには、いかない。 

具体的には、例えば、ある限定正社員を解雇するには
その人が選んでいた仕事・プロジェクトを終了させてしまえば、
つまり、『あなたの仕事は終りましたよ』と言ってしまえば、それで終わりになる。 

また限定された地域での仕事をなくせば、
雇用側は、何のためらいもなく、限定正社員を簡単に解雇させる事ができるわけである。

元来、従業員の解雇には、判例により、厳しい3つの条件が求められていた。

経営上の理由で従業員を解雇するには、
1.本当に人員削減の必要に迫られているのか?
2.解雇を避ける努力がきちんとなされたのか?
3.解雇の対象者の選定は合理的か?
という事について、雇用側が根拠を示さなければならないとされている。 

つまり、労働者には、
合理的な理由なしに解雇されることはない、という権利があるわけである。
これは労働契約法にも規定されているところである。 

しかし、企業側(雇用する側)からは、
このような解雇ルールは厳しすぎる、もっと緩く進すべきだ
と、かねてから規制緩和への要求が、強く唱えられてきたところである。 

総じて、
規制改革会議にしても産業競争力会議にしても
そのメンバー構成はは、雇用主、企業経営者の側に偏り過ぎている。

今では働く人の4割近くが既に、
不安定で低賃金とされる、非正規雇用で占められている。

今回出てきた『限定正社員』制度も、
呼び名だけを変えた、非正規雇用の一つであり、
働く者の格差を、一層進めることに間違いない。

成長戦略と言うが、いったいそれは何なのか?
格差や貧困問題を解決する『所得再分配の政策』を抜きにして
国民生活にとっての、真の成長戦略などあり得ないのである。

  

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