ある方の書評を読んで、一気に読んだ。
終えると、「誰かに伝えたい、言いたい」という思いで一杯になった。
現代日本社会において、「子どもの貧困」がいまだ存在していて、子ども達を親代わりとして24時間育てている職員の方々、その状況を改善するために、会社員でありながら睡眠時間を削って頑張っている若者がいる。
全国にある約580の児童養護施設にて、3万人以上の子どもが虐待や貧困など、親の事情を原因として住み慣れた家、家族、友人たちから引き離され、施設で生活しているのだそうだ。
精神的に大きな傷を負った子ども達が育つ環境は決して恵まれていない。
施設では彼らをケアする職員の数が圧倒的に不足している。
子ども達の高校中退率は7.6%(全国平均の3倍以上)、大学進学率は9.3%(全国平均の5分の1)という。
大人になっても苦しい生活を余議なくされることが少なくない。
▶マザー・テレサが来日した際に言っていたことを思い出す。
「豊かそうに見えるこの日本で、心の飢えはないでしょうか。
 だれからも必要とされず、だれからも愛されていないという心の貧しさ。
 物質的な貧しさに比べ、心の貧しさは深刻です。
 心の貧しさこそ、一切れのパンの飢えよりも、もっともっと貧しいことだと思います。
 日本のみなさん、豊さんのなかで貧しさを忘れないでください」

▶社会の一つの役割は、人の運命が神の偶然に翻弄されることを防ぐことにあると思う。
偶然訪問した児童養護施設で衝撃を受け、なにかしなければならないと筆者は感じ、動き出す。
そして、施設に実際に住み込み、子どもたちと同じ生活をすることで、彼らと心を通わせる。
私のように同情・共感はしても、行動に移せる人はなかなかいないと思う。
著者は子ども達とサッカーをして遊び、勉強を手伝ってあげ、就寝時間を過ぎて午前3時まで高校生と語りあい、職員に注意される等、その体験を通じて、施設を訪問しただけでは分からない、子ども達の心の傷を少しずつ知っていく。
そして彼は行動する。
自分が立ち上げたNPO団体を通じて、「チャンスメーカー」なる新しい寄付プログラムを立ち上げる。
理不尽な現実を目の当たりにし、行動しなければという熱い思いにかられる。
その問題をよりよく知るために、現場に飛び込む。
沢山の人と話をして、感情に流されるのではなく、自分にしかできないことはなにかをストラテジックに考案する。
多くの人を巻き込み、導き、それを現実のものとする。
一人の若者の感性と行動が、社会を確実に変えていくんですよ、本当に凄い。
私が知っている一流の仕事人と同じ行動。
さて、私はどう行動するのか?どう変わるのか?
久しぶりに「save the children」の対象物品を購入しよう。
あとは、30年ぶりに再結成した「Band Aid 30」の「 Do They Know It's Christmas? 」をダウンロードしよう。