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共謀罪」をなぜ政府は「テロ等準備罪」と呼ぶの? ―  6/10 ニュースNo.103

2017-06-23 | 阿部議員の週刊ニュース「あたらしい滑川」 

  安倍首相は「これを共謀罪と呼ぶのは全く誤りであります」と言っていますが、どうなのでしょうか?朝日新聞は「共謀罪」と表記。「犯罪を計画段階で処罰する『共謀罪』の趣旨が盛り込まれており、朝日新聞はこれまでと同様、原則として『共謀罪』の表現を使います」と説明しています。見出しで括弧付きの「共謀罪」を使用した在京紙は、ほかに毎日、日経、東京の各紙です。

「共謀罪法案」と文言同じ…「政府与党のごまかしの意図」

  安倍首相が過去3度廃案になった「共謀罪」とは“別物”だという理由は二つ。「テロ等準備罪」法案は①対象を「組織的犯罪集団」に限定②「犯罪の実行の準備行為が行われたとき」があって初めて処罰の対象となるから。この2要件があるから「共謀罪」ではないというのです。

  しかし、3度目の共謀罪法案の際、2006年6月に出された最終修正案に、この2要件が盛り込まれていました。文言を並べてみると、06年案は「組織的な犯罪集団」「犯罪の実行に必要な準備その他の行為が行われた場合」となっており、2要件とも文言まで11年前とほぼ同じです。

  衆議院の参考人質疑で元自民党衆院議員の早川忠孝弁護士は政府が「共謀罪」法案を「テロ等組織犯罪処罰法」と呼んでいることについて、「TOC(国際組織犯罪防止条約)では『共謀罪』と訳している」と指摘し、「テロ等組織犯罪だったら必要な制度だと国民の半分ぐらいの方はそう思うだろう」と政府与党のごまかしの意図を説明しています。

                    

組織犯罪集団とは?・・・ 判断は捜査当局

  さらに国会審議では、「組織的犯罪集団」についての政府見解も一変しています。当初、「そもそも犯罪を犯すことを目的としている集団でなければならない」(安倍首相、1月26日衆院予算委)と答弁していました。ところが、2月16日、法務省は「目的が犯罪を実行することに一変したと認められる場合には、組織的犯罪集団に変わり得る」との見解を示しました。政府は「一瞬で組織的犯罪者集団になるかもしれない、だからNPO法人やサークル、あるいは草野球チームでも対象になりうる」と認めました。どんな団体も捜査の対象になります。

 

「一般人は対象外」はまやかし、警察の判断で監視…物言えぬ社会に

  「大垣警察市民監視事件」…中部電力の子会社が計画する風力発電の勉強会が『治安をみだす行為』とされ、住民4人が『組織犯罪集団』になるだろうとマークされ、監視されていた事件。岐阜県警大垣署が会社側に住民の個人情報を伝え、住民運動つぶしの相談をしていました。警察が日常的に住民敵視の活動を行っていることを示しています。現在でも『トラブルがありそうだ』と警察が思えば、情報収集と提供が可能だとしています。結局、警察のさじ加減一つで情報収集の対象となる人を選んでいるということになります。共謀罪ができたら、いつ、どんな理由で監視されているかわからない不安を国民が抱き、物言えぬ、萎縮した、社会が生まれることになります。

何を考えているのか…「内心を処罰する」

   金田大臣は計画、準備行為が処罰対象となると「桜並木を歩いている人が花見なのか犯罪の下見なのか」の判断は「目的だ」と答弁しました。「目的」を調べるには心の中をのぞいて「何を考えているか」を見ることになり、「内心」が処罰の対象になるのです。憲法19条(思想・良心の自由)に反します。

「スパイ・密告」を奨励…戦前の「治安維持法」と同様

 共謀罪法案では「実行に着手する前に自首した者は、その刑を軽減し、又は免除する」という自首減免規定があります。戦前、同様の規定を持った治安維持法によって、多くのスパイが日本共産党に潜入し、スパイの密告と手引きで多くの活動家が逮捕、投獄、虐殺されました。

国連も「プライバシー権」「表現の自由」を懸念

国連のプライバシー権に関する特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏は安倍晋三首相に「共謀罪」法案に対する懸念を示す書簡を送りました。「共謀罪」法案が広範な適用範囲によって、プライバシーに関する権利と表現の自由への過度の制限につながる可能性がある。と指摘しています。

 

TOC(国際組織犯罪防止)条約の締結に必要か

衆議院の参考人質疑で高山佳奈子京都大学大学院法学研究科教授

 対象犯罪の選別の問題です。とくにTOC条約との関係で、経済犯罪を除外している問題があります。一般に商業わいろ罪と呼ばれ諸外国で規制が強化されてきている会社法や金融商品取引法、商品先物取引法などの収賄罪が対象犯罪から外れています。主に組織による遂行が想定される酒税法違反や石油税法違反なども除外されています。その一方で、「違法なキノコ狩り」など、五輪とも暴力団とも関係ないものが多数含まれています。

立命館大教授 松宮 孝明

立法理由とされる国際組織犯罪防止(TOC)条約の批准には不必要として、「組織的犯罪集団」の定義ですが、「テロリズム集団」と「その他の組織的犯罪集団」とあるように、単なる例示であって限定機能はありません。TOC条約で組織的な犯罪集団の定義とは、「3人以上の者から成る組織された集団であって、一定の期間存在」するものであればよいので、3人で組織されたリーダーの存在する万引きグループでも当てはまります。他方で法案には、TOC条約にある「金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るため」という目的要件が欠落しています。

 一般人は対象にならないか

①   対象が限定されているかどうかです。ある団体の構成員の一部が性格を犯罪的なものに「一変」させた場合を対象に含めるとなれば、一般人の通常の団体として結成された場合も除外できないことになります。

②   犯罪の「実行準備行為」は、特段の危険性がなくても外形的な(犯罪の準備)行為であれば、特に限定なく(資金、物品の手配、関係場所の下見以外の)「その他」の中に全部含まれるとの読み方ができると思います。

 こころの中、内心を処罰する

 山添議員は、国民の内心を処罰する「共謀罪」法案の本質を追及。客観的な危険がないにもかかわらず、一挙に277もの犯罪について内心段階で処罰しようとしている政府を厳しく批判しました。

 法案は第6条-2項で(実行準備行為を伴う組織的犯罪集団による重大犯罪遂行の計画) で「組織的犯罪集団が…団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を2人以上で計画したもの、その計画のもとづき資金または物品の手配、関係場所の下見、その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われた時は、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首したものはその刑を減軽し、または免除する。

としています。

 


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