江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

学びは関係性で決まる ⑩

2017-12-21 | 随想
新卒5年目、よく子どもたちをここまで育てあげたものだと感心した。

まず、担任としての彼女とクラスの子どもたちとの関係性が自由を基調とした中で築き上げられていた。
端的に言うなら、「担任を信頼して担任の思いも共有できるクラス」に近づいているとも言える。
これこそ本物の忖度である。

さらに、子ども同士が自由に意見を言い合える関係性が確立していた。
自分の意見を言うだけではなく、他者の意見もよく聞く姿勢だ。
つまり、相手の考えを受け止めそれを咀嚼して次の段階の自分の考えを述べるという「対話」が成立していたのである。

このような集団なら相互学習が可能になる。
子どもの日常は、集団の中に在ることが多い。
この集団の中で新たな認識を獲得していくことが多いのではなかろうか。
そして、この繰り返しや積み重ねが子ども個々の学びの蓄積となっていくに違いない。


この若い女性担任の成長も、実は学びの結果なのだ。
このシリーズ②でも述べたが、もう一人の男性担任と二人で6学年を担当しており、互いに協調しつつも共に自分のやり方を崩さなかった。

隣のクラスが気になるのか、私が授業する時の子どもたちの様子を互いにチラ見していた。
そして、放課後に私が今日の授業について話す時には二人とも真剣な眼差しで聞いていたものだ。
面白いのは、少しずつ相手のクラスの良いとこ取りなどもしていたようだ。

管理職的に言うならば、この6学年の教員は共に学び合って実力がついてきた。
自主性・創造性ともA評価に値する。

もう一つおまけに言うなら、私も彼ら二人の中に入れてもらい共に新たな学びができたという実感がある。
客観的に言うなら、私たち大人三人も学び合える関係性の中にあったと言える。

(つづく)


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