江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

レンタカーで巡るフランスの田舎 ⑥ <贅沢ないなか街>

2016-09-15 | 随想
レンタカーでも、毎日運転していると愛着がわいてくる。
左ハンドル右側通行にもだいぶ慣れてきた。
そして、全く初めてのシフトレバー※「コラムAT」の位置や使い方にもようやく慣れてきた。
※(運転モードの切り替え装置で、多くは運転席隣のフロアに設置されているが、このクルマはハンドルの右手についている。)

できることなら高速道路を思いっきり走らせたいが、あいにく宿からのアクセスが良くない。
何しろ、この辺りは「美しい村」に象徴されるフランスの田舎なのだ・・・。
敢えて高速をとばして、宿から遠く離れた観光地に行く必然性はない。


朝の天気予報は、雨が降ったり止んだりということだったので、出かけるのは止めにして宿でのんびり過ごそうと思っていたら、ネットを見ていた娘が、「近くに『美しい場所』という名の街があるから、出かけてみない。それに、Y(孫娘)がここでジッとしているわけがないし・・・」と言う。
フランス語を習いたての妻まで、その話に乗り気であったので仕方なくクルマを走らせることにした。

その街は宿と同じコレーズ県に属する、17~18㎞程離れた所にあった。
街の名はBeaulieu-sur-Dordogne(ボーリュ=シュル=ドルドーニュ)という。
日本語に訳すと、「ドルドーニュ川の美しい場所」である。


緩やかな坂を下ると、クルマの左手に川が見えてきた。
ドルドーニュ川だ。
やがて、街の中に入って行った。
ちょっとした都会的雰囲気がある。

街の中心地の広場に、たまたまクルマ一台分の駐車スペースを発見。
建物に向かって垂直に停めるタイプの駐車スペースでホッとした。
こちらで主流の狭い範囲の縦列駐車は、私には苦手だからだ。




観光案内所でパンフレットをもらい、早速、街の散策を開始。
広場から何か塔らしきものが見える方向へ足を向けることにした。
旧市街だ。
因みに、フランスではちょっとした規模の街には、必ずと言ってよいほど旧市街が存在する。
さすが石造りの建造物、日本とは根本的に異なる。




旧市街の中心には9世紀に建てられたというサン・ピエール修道院がある。
併設されたロマネスク様式の教会には、キリストの復活を描いたといわれるレリーフの装飾が見られた。
この時代の文化に興味ある人にとってはゾクゾクするようなものばかりだった。






旧市街の面積はそれほど広くはなく、昼食前に川の方へ向かうことにした。
大きな堰によって、川は分流と段差を形成していた。
大きな音を立てて流れ落ちる水はまるで生きているかのようだ。
こうして、カヌーや釣りやオートキャンプを始めとした水辺のレジャーや農業用水等々に利用されているようだ。

先に行った中州に仕切られた水浴場もこのドルドーニュ川の一部だが、流れの流域によって様々な顔があるのが分かった。







さて、いよいよランチの時間、旧市街で目をつけておいたクレープ屋さんへ行くことにした。
とは言っても、レストランのメイン料理はブルターニュ地方で生まれた郷土料理ガレットだ。
これはクレープの基になった料理で、材料はソバ粉で、小麦粉のクレープとは異なる。
薄く丸く片面だけを焼き、中にはゴーダチーズや肉・生ハム・たまご等々を挟んで周りから四角にたたむと完成。
中に入れる素材によって色々な味が楽しめる。
お好み焼きとは全く違うが、似た側面もある。

ブルターニュ地方は、その昔、土地が痩せていて小麦栽培に適さなかったため、中国から持ち込まれたソバを栽培するようになったことがこの料理の起源だとされているが、今では小麦栽培も可能なまでに肥えてきたのか、主食後のデザートとして食べるクレープも作られるようになったようだ。

メープルシロップをかけた甘~いクレープを食べると、もう何もいらないほどの満腹感を覚えた。
因みに、ここではほとんどの客が飲み物には冷たく冷えたシードルを美味しそうに飲みながらガレットを食べていた。
私も一口だけ飲ませてもらったが、ドライバーの宿命でそれ以上はご法度だった。





食後には川べりの公園に行き、孫っ子を自由に遊ばせた。
芝生に覆われたその児童専用ともいうべき公園は、子どもたちが自由にかつ安全に遊べる空間である。
目を奥の方へやると、何台ものキャンピングカーが並んでいた。
大人たちは、側らにデッキチェアを出して寝ころび読書、子どもたちは公園で遊ぶ・・・。
何とのどかで贅沢な風景なのか。

バカンスをしっかり取って、何よりも自分の時間を大切にする文化とでも言うべきか・・・。





それにしても、ここボーリュ=シュル=ドルドーニュへ来て良かった。
そこは、あまりに贅沢ないなか街であった。



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