朝日新聞の声欄に85歳の女性が「年をとってわかった厳しさ」というタイトルの投書が載っていました。「私も老後のお金については余裕をもって計算してきたつもりです。しかし、計画はままならないのが世の常です」と書き出しています。
「この春、思いがけず大病を患いました。通院や買い物にはタクシーを使います。田舎なので1回の往復代金は多額になり、買い物そのものの代金より高くつきます。(中略) 性能のいい補聴器も欲しいですが、数十万円もして、一考を要します。視力が低下すればメガネを買い替え、入れ歯が合わなくなれば作り直さなければいけません。年齢を重ねるほどにお金がかかるのです」
「今の老人は決してケチではありません。戦後を支え、苦労してきた人たちが大半です。ただ、現実の生活が苦しいうえに先々の出費が見えないから、無駄遣いができないのです」
そのうえで「ただ今、暮らしの厳しさを実感中です」と締めくくっていました。
私たちの生活は病やケガで一変してしまいます。まして、大病や大ケガとなると、不幸のどん底に突き落とされます。経済的にも破たんする恐れが大きいです。
大病は避けたいと思っても、いきなり末期がんというケースもあります。こちらが交通ルールを守っていても、危険ドラッグのドライバーに車で突っ込まれたら大ケガどころか、そのままあの世行きになりかねません。大病や大ケガを逃れたいと、リスク要因はできるだけ減らそうとはしていますが、それでも‥‥。
結局、「私は運が良いから、そんな目に合わない」と信じるしか手はないようです。