年2回の旧友会報には、定年後のOB、OGの「私のこのごろ」欄があります。「足腰が弱り、外出ができなくなりました」「脊柱管狭窄症で家にこもりがちです」「最近は体全体のフラツキがあり、危険で自転車に乗れなくなりました」などなど。
現役時代の面影を浮かべながら、70代や80代になると、私にも同様の症状が出てくるのではないか、と少々の覚悟をしています。そんな中、70代後半の先輩男性のこのごろに目が止まりました。
「ここしばらくとみに小便が近くなり、極端な時は20分もしたら、もう我慢ができなくなり、歯を食いしばって耐え忍ぶ。(中略) 年に数回の旅行もバスを敬遠して、遠方へはトイレ付きのバスか列車で、1、2泊や日帰り程度ならマイカーで(ナビにトイレのあるコンビニがあるので助かる)安心して出かけられる。泌尿器科に行けばよいのだろうが、結果が分かっているようで‥‥」
おしっこをして、20分もしたら、また行きたくなるのは、明らかに「過活動膀胱」の症状です。「結果が分かっているようで」というのは、「加齢に伴う症状」と医師に言われるのを気にしているようですが、医師の診断を受けた方がよいでしょう。
過活動膀胱は、排尿筋が過剰に収縮するため、少しの尿しかためることができず、トイレの回数が増えたり、急に強い尿意を感じ、おしっこを我慢できなくなったりするなどの排尿トラブルを起こします。男女とも、40歳以上の8人に1人、全国に800万人以上がこの症状に苦しんでいるとされます。
ただ、高齢になると膀胱が硬くなり、十分に尿をためられなくなり、おしっこが近くなります。そのメカニズムは次回に。