団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

極限状態では選別が前面に出るー映画「ダンケルク」を見て

2017-09-22 09:55:24 | 健康・病気

1940年5月末、第二次世界大戦でドイツ軍の猛攻撃で、フランスの港町ダンケルクに追い詰められた英国・仏国連合軍40万人の救出に臨んだ実話をもとに、クリストファー・ノーラン監督が映画化した「ダンケルク」を見てきました。

包囲するドイツ軍は80万人。大砲、戦車などの最新の機甲部隊を整えています。英国は戦艦をはじめ、民間船、はしけ、ヨットまで徴用して救出に向かいましたが、ドイツ軍の飛行機による爆撃、Uボートによる魚雷攻撃で、チャーチル首相が「3万人を救助できれば」と予測した救出作戦でした。

英仏をまたぐドーバー海峡は霧がよく発生し、ドイツ軍の飛行機の視界をさえぎったことや、民間まで総動員の救出作戦を展開したうえ、ドイツ軍が総攻撃するかどうかの作戦上の混乱もあり、80%以上の約33万5000人を助け出し、英国では「ダンケルクの奇跡」と呼ばれました。

救出を待つ英仏連合軍の兵士の大集団に現れた選別の現状を、映画は丹念に描いていました。逃げ惑う英国の若い兵隊が救出の列に並ぼうとすると「ここは近衛師団だ」と排除されます。息も絶え絶えの兵士を見つけ、その場にいた兵隊とともに担架に乗せ、救出船に向かいます。けがした兵士は優先的に救助されるからです。

長蛇の列をなした兵士たちをかいくぐるように担架は進みます。その列にフランスの兵士が並ぼうとすると「これは英国の船だ。フランス人はダメだ」と排除されます。イギリスが英国の船と資金、そして国民の協力で助け出すのですから、英国人が最優先になるのは、当然といえば当然のことです。

映画を見て、安倍晋三首相が集団的自衛権を憲法の解釈の変更で認めるよう求めた説明を思い出しました。朝鮮半島で有事が起こったとき、韓国在住の日本人を米国の艦船に救出してもらわなければならず、そのためにも集団的自衛権を認めなければならないというものでした。有事の際、その説明が実行されることはありえないでしょう。米国の艦船がアメリカ人以外を救出することは絶対にない、と肝に銘じなければなりません。

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