株式日記と経済展望

株式をはじめ政治経済外交文化歴史などの論評です。

隆盛を誇った国々の多くが、中間層の没落をきっかけとして衰退し、最後には滅んでいきました

2017年03月09日 | 歴史

かつて軍事・経済・文化で隆盛を誇った国々の多くが、中間層の
没落をきっかけとして衰退し、最後には滅んでいきました


2017年3月9日 木曜日

「中間層の没落」とともに国家は衰退に向かう トランプは「歴史の教訓」に逆らっている 3月9日 中原圭介

その当時のアテネ、ひいてはギリシャの民主政治の特徴とは、成年男性市民の全体集会である民会が多数決で国家の政策を決定し、できるだけ多くの市民が政治に参加することを求められたということです。そのような政治制度の誕生によって、ギリシャの各ポリスでは宗教に縛られない自由な考え方が生まれ、文化面では合理主義的な哲学や数学などが発達しました。その後、ギリシャの文化は、ローマの文化や14世紀のイタリアから始まるルネサンスの規範となっていくことになります。

紀元前500年~紀元前480年の間に3回にもわたる大国ペルシャとの戦争に勝利したギリシャの諸都市国家は、当時の世界で最も繁栄を極めていた文明であるといえるでしょう。しかしながら、その繁栄は50年余りしか続きませんでした。アテネを中心とするポリスの連合であるデロス同盟と、スパルタを中心とするペロポネソス同盟のあいだで、紀元前431年に植民地をめぐって悲惨な戦争が勃発してしまったのです。

長年にわたる従軍で農民が経済的に疲弊した

ペロポネソス戦争はギリシャ域内で30年近くも続いたため、ギリシャの各々のポリスは衰退していくのが避けることができませんでした。というのも、中小農民が長年にわたって従軍せざるをえず、そのあいだに農地が荒廃してしまったからです。農産物収入を失った農民は、生活のために金銭を必要としたので、借金に借金を重ね、最後には土地までも失ってしまったのです。

貨幣経済が発達するにつれて、没落した農民は小作人や奴隷といった身分に転落していくかたわら、富裕な貴族や一部の大商人は農民が手放した土地を買い取り、ポリスの人々のあいだでは絶望的なまで経済的な格差が拡大していきました。その結果として、富裕な貴族や一部の大商人は大土地所有者となり、政治・経済の支配者として君臨していく一方で、小作人や貧民は不満を募らせて大土地所有者に強く対抗していくようになったのです。富裕な人々が支持する党派と貧民層が支持する党派の争いに発展し、裏切りや暗殺、追放などが横行することになり、ポリス社会の強みであった「国家のもとに奉仕する」という人々の心やまとまりは、ペロポネソス戦争が終わる頃には見事に失われてしまったというわけです。

国防の要であった豊かな中小農民が経済的に疲弊して従軍できなくなると、重装歩兵の密集集団による戦法は使えなくなりました。そこで各々のポリスは兵隊として傭兵を雇うようになったのですが、主として雇われたのは異民族や土地を失った没落農民などでした。当然のことながら、傭兵では強い連帯感やポリスへの忠誠心を持って戦うのは困難であり、ポリスの軍事力はかつてと比べると著しく弱まってしまいました。

そのような折の紀元前4世紀後半に、ポリスをつくらなかったギリシャ人の一派である北方のマケドニア王国では、フィリッポス2世のもとで財政と軍政の改革を進めます。そしてとうとう紀元前338年には、マケドニアはカイロネイアの戦いでギリシャ連合軍に圧倒的な勝利を収め、ギリシャ全域を支配することに成功したのです。戦意の低い傭兵を主力とするポリスの軍隊は、自国民で組織したマケドニア軍の敵ではなかったというわけです。

このように歴史を振り返ってみると、古代ギリシャの黄金時代は豊かな中間層の出現とともに生まれ、中間層の喪失によって終わりを迎えたということがわかります。豊かな中間層の喪失は、貧富の格差を拡大させ、国家の分断を引き起こし、国力を衰退させていったのです。

古代ギリシャは歴史上で初めて、豊かな中間層が失われると、軍事的にも政治的にも経済的にも国力が衰退していくという教訓を、後世の人々に如実に示した事例であるといえるでしょう。中間層が失われた国は滅びる。現代においては滅びるということはなくても、衰退は避けられない。それが歴史の教えるところなのです。

分断するアメリカは歴史的な危機を迎えた

昨今のアメリカでは、グローバル経済の進展や金融危機の後遺症などを経て、豊かな中間層から貧困層および貧困層予備軍に転落する人々が増える一方で、富が一部の支配者階級に集中するという傾向が強まってきています。2011年に「ウォール街を占拠せよ」をスローガンとして全米各地で行われた反格差デモ活動に象徴されるように、アメリカではすでに国家の分断が起こり始めているといえるでしょう。

さらに悲惨なことに、トランプ政権が誕生したことによって、人種による差別や対立という新たな国家の分断も起こってしまっています。トランプ大統領は移民・難民の入国を制限・停止するという方針をテロの危険性を和らげるための措置だと強弁していますが、それよりもヘイトクライムが横行していることのほうが、アメリカ社会の分断をいっそう促しているので大問題であると思われます。

歴史的な見地から判断すれば、経済格差と人種差別という複合的な国家の分断にさらされているアメリカの現状は、国家としての歴史的な危機を迎えているといっても過言ではないでしょう。アメリカが20年後、30年後に繁栄を享受できているか否かは、まさに国家の分断を回避できるかどうかにかかっているというわけです。



(私のコメント)

今日は中産階級の没落が国家の衰退につながることを述べたいと思いますが、これはアメリカやEUや日本などでも言えることであり、国家を支えてきた中産階級が下層に没落して、少数の上流階級だけが経済的な繁栄を独占するようになる。上流階級は減税などの措置によってますます豊かになり、中下層階級は消費税などの重税に苦しむことになる。

上流階級は、土地などの不労所得が有り、それらの所得は減税措置などで手元に資金が残るようになり、銀行などの預金に収まっている。それに対して中下層階級は生活苦などから手持ちの土地を売り払うようになり、それを上流階級が買って株なども所得も源泉分離課税でますます豊かになってい行く。

中間層においては、マイホームなどの確保は大変な負担であり、リストラや病気などの失業などで収入を失えばマイホームも手放さなければならなくなる。こどもの教育費なども大変な負担であり、子供一人を大学まで出せば3000万円以上の出費になる。これでは少子化も当然起きてくるのであり、若年労働者人口が減って経済に活気が失われてくる。

生活格差の拡大は、国が税制などで調整すべきなのですが、累進税率のフラット化で高額所得者は減税されて、低所得者は消費増税などで税負担が増え続けることになる。高額所得者は政界などとも結びつきが太くて、減税などの要求が出されますが、低所得者への増税で穴が埋められる。消費税増税の額と法人税減税の額はほぼ等しいのは偶然ではない。

一部の少数の上流階級だけが反映する国家は、足腰が脆弱な国家となり、国家を支えてきた中間層の市民が少なくなることであり、軍隊も脆弱化して傭兵による軍隊が作られることになる。これは古代ギリシャも古代ローマ帝国も現代のアメリカも同じであり、中東で戦っている兵士は現代の傭兵たちであり、武装した民間会社の社員たちであり、彼らは戦争のプロではあるが、忠誠心は少ない。

日本も自衛隊は非常に虚弱であり、在日米軍が傭兵化していると言えるだろう。彼らが命懸けで日本を守ってくれる訳がなく、日本の自衛隊は17万人程度しかいないから日本を守ることは単独では無理だ。なぜ中間層が没落してしまうのかは、産業構造などの変化によるものですが、企業の海外移転などで国内ではリストラや解雇などで、労働者の月給なども減ってしまった。

さらには移民などの流入で賃金の低賃金化が促進されて、若年労働者の賃金は伸び悩んだ。企業は正社員から派遣社員などの非正規社員に切り替えられて行って、若年労働者の低賃金化は消費の停滞などももたらした。このような現象は日米欧と共通しており、国家の衰退をもたらす。

イギリスのブレグジットやアメリカのトランプ大統領の登場はそれに対する危機感から生まれた政権であり、安倍内閣もそれに対応した政策を取らなければならない。しかし税収と国家財政の支出のアンバランスはずっと続いており、国家財政のずさんな経営は、法人や富裕層への減税と財政の無駄遣いがひどすぎる。

法人の内部留保は膨らみ続けて380兆円にもなりプールされて使われないでいる。富裕層の財産もタックスヘイブンなどに隠されてしまって税金が払われない。トランプ大統領は国境税を設けて国内の製造業を守ろうとしていますが、移民の流入も制限しようとしている。それで中間層の復活ができるかどうかはわからない。

経済のグローバル化が、先進国の中間層の没落を招いた原因ですが、その文が新興国での中間層の拡大につながっている。中国でも2億人程度の中間層ができてきて、日本へも爆買に来ていますが、中間層の拡大は国力の増大にもつながっている。トランプは中間層の縮小を逆転させようとしていますが上手く行くのだろうか。

ジャンル:
文化
コメント (23)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 「総理夫人」という立場だか... | トップ | 小山昭夫はその後、樟蔭東学... »
最近の画像もっと見る

23 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
文芸春秋スペシャル春号のトッドのインタビューが凄すぎる。 (文春スペシャル2017春号)
2017-03-09 12:48:47
文芸春秋スペシャル2017春号 (Unknown)2017-03-07

・デモクラシーの再構築は歴史的に見ても左ではなく右から起こる

・左派は普遍主義とグローバル志向で金融資本の傀儡になる

・近代デモクラシーは平等主義のフランスではなく、人種差別を内包したアングロサクソン文化から発生した

・極右の支持層が広がり国民政党になると国民の代表になり民主主義が実現する

・近代民主主義の発達は、平等主義に基づく皆の為の民主主義ではなく、英米のように人種差別を前提とした白人の為の民主主義、つまり「わたしたちの民主主義」によって実現した

・ブレグジットやトランプ現象のような、保護主義と国民国家主義への回帰は、国民による民主主義の再構築になる

・nation国民という概念は英国人の発明であり、フランス革命は英米型の近代思想を輸入して起こった、つまり日本の明治維新と同列の現象、フランス人を含むヨーロッパ人は自分達は英米と対等と思っているが実は違う、フランスも英米型の資本主義と近代民主主義の影響によって近代化したという点においては、明治維新で近代化した日本と同じような立場である

・資本主義の原動力は創造的破壊であり、アングロサクソン文化圏が最も得意とする、従って今後も英米が世界をリードする

・今後は欧州大陸では人口は減り続けるが、英語圏の人口は増え続けている
https://www.bunshun.co.jp/mag/special/index.htm

 Emmanuel Todd / 1951年生まれ
>フランス最大の知性エマニュエル・トッド独占インタビュー「最も愚かなのは、私たちフランス人だ!」
https://courrier.jp/translation/51242/

>小室直樹氏が死去…異色の評論家、ソ連崩壊予言このような素晴ら ...
2010/09/28 - ① 『ソビエト帝国の崩壊』で、ソ連崩壊とその過程を 10年以上も前から予言していた。
② ロッキード事件では渡部昇一らと共に田中角栄の 無罪を主張した。 ここが世の中の多くの人には受け入れ ...
Unknown (Unknown)
2017-03-09 12:55:32
●外資に乗っ取られる日本のインフラ! 安倍政権が通しそうなヤバい法案
http://wpb.shueisha.co.jp/2017/03/08/81239/

1月20日にスタートした第193回国会。
提出法案は64本と、例年に比べ半分以下になっている。
しかし、審議される法案は控えめどころか、国民生活に大きな影響を与えかねない
ヤバい法案がめじろ押しだ


「小泉首相の規制緩和で、自治体は水道事業の大部分を民間に
委託することが可能になりました。
しかし、全国的な民営化は今も進んでいない。その原因は水道施設の老朽化や
災害リスクなどにあります。
今、水道事業に参入しても儲けが期待できない、というわけです。

しかし、今回の水道法改正で、もし災害で水道管が破損しても
復旧費用の大部分は自治体持ちということになりました。
これにより民間企業の水道事業への参入障壁がグッと下がりました」

水道事業関係者は、こう不安を漏らす。

「日本の水道事業の資産規模は約30兆円といわれ、
災害リスクが大幅減となれば、大手外資企業が狙ってくるでしょう。
そして、水道事業は地域独占的な性格が強く、民間企業が運営しても競争がないので
値下げは期待できない。
むしろ、利潤を得るために料金の大幅値上げが予測されます。
そもそも“水”という人間が生きていくには欠かせないインフラを
外資に売り渡してしまうかもしれないことに怖さを感じます」
清和会ですよ。 (noname)
2017-03-09 13:00:17
>イギリスのブレグジットやアメリカのトランプ大統領の登場はそれに対する危機感から生まれた政権であり、安倍内閣もそれに対応した政策を取らなければならない。

安倍内閣は清和会の政権です。中間層を貧しくすることが彼らの目的です。それを目指すのに不適格です。
何事も一度は疑ってみる (赤い山田)
2017-03-09 14:14:09
>しかし税収と国家財政の支出のアンバランスはずっと続いており~

↑こう思っている日本国民が多いと思いますが、本当でしょうか?

一般会計では確かに赤字ですが、特別会計と合算すればトントンか黒字のはずです。

日本の場合、一般会計<<特別会計という状態で、特別会計の方が一般会計より3倍の会計額で動いています。こんな会計の国は他にありません。

この特別会計こそ、官僚の天下り先である各種独立行政法人の集合体です。ここを守るために、財務省は必死に一般会計の財政赤字をアピールし、消費税増税を画策します。(必死になる理由が判りますよね)

TV、新聞等のマスメディア、大学、専門家等の書籍、政府広報等を含めて、何事も一度は疑ってみることをお勧めします。
ドゥテルテ大統領なんかは、「韓国人ヤクザ殺す!」とまで言い出している。 (フィリピン)
2017-03-09 14:35:06
東南アジアは「慰安婦像」どころじゃない・・・・昭恵の馬鹿ヨメと韓国どころじゃない・・・・

韓国の反日団体が、東南アジア中に慰安婦像を設置しようとして、シンガポールに怒られた事があった。つまり、「うざいので他でやってくれ。変な政治を持ち込むな。」と。

東南アジア各国は、韓国マフィアの人身売買の拠点になっており、多くの若くて綺麗な女の子が、韓国マフィアによって、売春宿に売り飛ばされている。
ドゥテルテ大統領は、「韓国人ヤクザ殺す!」とまで言い出している。

「韓国系マフィアは射殺する」 ドゥテルテ比大統領の「大統領令」のウラ
http://www.sankei.com/world/news/170220/wor1702200009-n1.html
Unknown (Unknown)
2017-03-09 14:37:52
大阪chonn民国では日本人二人殺しても死刑にならない!!無罪と同じだ、死ぬまで公金で接待かバカヤロー!

死刑破棄し、無期懲役判決 心斎橋2人刺殺で大阪高裁

傍聴した2人の遺族は判決が言い渡されると天を仰ぎ、傍聴席にはすすり泣く声も響いた。男の父親はショックを受けた様子、判決文が読み上げられるなか一時退廷する場面。(阿部峻介)
米占領軍GHQは、日本人を「国民」として育てさせたくなかったから教育勅語を禁止したのだ! (マッカーサー)
2017-03-09 14:41:33
敗戦後、アメリカからやってきて日本を占領統治下においたGHQは、この教育勅語と修身、国史と地理を教育現場から追い出し、タブー視させる政策を徹底して行ないました。

文部大臣は教育勅語をマッカーサーのところに持っていって「これを読んで下さい。こんなまともなことしか書いていない。危険な思想じゃない。日本人を立派な国民に育てるためのもので禁止しないで下さい」  そう言ったところ、マッカーサーが
「じゃあ、禁止しよう」 と答えたのだ。

つまり、GHQは日本人を育てさせたくなかったから、私達から教育勅語や修身を取り上げたのです。教育勅語や修身を「怖い」と思う、タブー視する考え方というのは、GHQの置き地雷なのです。
http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170222/BestTimes_4690.html
Unknown (八坂)
2017-03-09 14:52:36
トランプがどうなるかわからない。弾劾されるかもしれないし、長期政権になるかもしれない。綱渡りの状態は落ちる可能性は常にあるが、必ず落ちると決まっているわけではない。確かなのは現時点でトランプが大統領という事だ。トランプ大統領の誕生を予測できた人間ならトランプ支持の拡大も予測するかもしれないが、現実の政権運営での成果次第だろう。だから日本人が関知すべき事でもない。日本人が関心を払う事は日本人の為の政治を行う事と、日本の為の防衛が出来る事、それら実現する環境を作る事だ。
Unknown (Unknown)
2017-03-09 16:37:26
トランプとわ1.トランプタワーなるちょう高級マンションに住んでいる。2.2買い離婚3回結婚。3.60歳で子どもを作る。4.3番目妻わ24歳年下すろべきあ人。カジノゴルフ場ホテルオーナー。5、破産経験あり。190センチの大男でかつら。わたしが見るに単なる詐欺師。するだけの経験もなく頭脳もない。あの方と同じ。親のコネで神戸製鋼に入る。新日鉄でわ有りません。
消費税を10%に上げたところで、、、 (う~ん、、、)
2017-03-09 18:29:15
消費税など子供だましもええとこやね。。。

年収50億の人間が、年収200万の人間より、

50億円 ÷ 200万円

= 2500倍も、食費に使うと思えんし、、、

超VIP級の金持ちの胃袋も、貧困層の胃袋も、

生物学的に言うて、どーころんでも、、、

2500倍も、食べれないと思いますよ。。。

貧乏人ほど、損してる消費税って、一体誰のための財源なん???って聞いたら、、、

「そら、あんた私ら高級官僚の天下りの財源に決まってますがなぁ~」

ってな、粋な官僚は、おらんやろうなぁ~~~、、、

「又も、負けたか八連隊、敵の大砲獲れんたい、、

   それでも、勲章くれんた~~~い。。。 」

日本帝国陸軍なんて、はなから信用ならわな、、

そらそーやぁー、、、

未だに、そーいう奴らがのさばってんやさかにねぇ、、、

この国は、昔から、そーいう国やねんな、、、

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

歴史」カテゴリの最新記事