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現代の相続の現場では、親の「家」よりも「現金」のほうが、相続人には圧倒的に人気がある

2017年05月16日 | 経済

現代の相続の現場では、親の「家」よりも「現金」のほうが、
相続人には圧倒的に人気があると、私の知り合いの税理士は言う。


2017年5月16日 火曜日

子供が親にしてもらいたい「家」の後始末5つ 子供を困らせないために今やっておくべきこと - 牧野 知弘 5月16日 文春オンライン

 親の残した家が空き家になって困っている子供が増えている。

 子供と言っても、今の日本は超長寿社会。親が80歳代の家はごく普通、90歳を超える親を持つ子供も増えた。だから子供といってもその年齢は50歳代後半から60歳代にもなる。

家が処分できない最大の原因は「親が残した家財道具」

 空き家はなぜ放置されるのか、空き家に関するアンケート調査などを紐解くと、非常に多くの回答に「家の中に親が残していった家財道具などの整理ができず、途方に暮れている」というものがある。

 家の中を片付けない限り、賃貸に出そうにも、あるいは中古住宅として売却に出そうにも「準備が整わない」ことになる。空き家の多くが、処方箋を施す前にすべき「後片付け」が出来ておらず、スタートラインにも立てていないのだ。

 昔は、親が60歳代から70歳代で亡くなった。子供も、まだ多くが40歳代。家の後片付けをするのにも体力的に余裕があった。ところが、60歳近くになろうものなら、自分たちも体のあちこちに不具合が生じ始め、さて実家の後片付けといっても体がいうことをきかなくなっているのだ。

膨大な量の家財道具に途方に暮れる「歳を取った子供」たち

 かてて加えて、親が長寿になったということは、家財道具が年を追うごとにどんどん増えていることになる。認知症などを患って、必要のない食品や健康器具、衣服などを大量に買い込んでしまっているケースもある。

 残された膨大な量の家財道具を眼前にして途方に暮れるのがすでに「歳を取った子供」の姿である。

 こんな状態で家を子供に相続させる親になりたくなければ、生前でまだ元気なうちに次にあげる5つのことをしておいていただきたい。

相続人には「家」より「現金」が圧倒的人気

◆1.生前売却

 最近は、子供や孫が自分の住んできた家に「住まない」ケースが増えている。自分がどんなに愛着がある家であったとしても、子供たちは都心居住などで親の家には戻ってこない場合が多いのだ。先祖伝来の家でも「自分の代限り」の家、あるいは自分「一代限り」の家は、なるべく処分して現金に換えておくことだ。

 たとえば、自分が高齢者施設等に入居して、もはや家には戻らない状況になったときなどがチャンスだ。親が戻らないとわかっていても、子供の側から家を処分したほうが良いなどとは、口が裂けても言い出せないものだ。

 相続の場合、現金よりも不動産のほうが、相続税評価額が有利だといわれるが、今後日本の住宅地の多くが、地価下落となっていく局面。さっさと現金にして渡したほうが子供に喜ばれるというものだ。実際、現代の相続の現場では、親の「家」よりも「現金」のほうが、相続人には圧倒的に人気があると、私の知り合いの税理士は言う。

時代遅れの水周りは評価ゼロ! 家の値崩れに気づかない親たち

◆2.家の診断

 子供に残す家は、先祖から引き継いできた家は別だが、自分が住宅ローンの返済に耐えて手に入れた家が多いだろう。買った当時の金額はよく覚えているものだが、その後はローン返済にかまけているだけで、不動産取引と縁のある親は少ない。

 そんな多くの親は自分の家の価値が今、どのくらいになっているのかをよく理解していない。平成バブルの時は1億円したような戸建て住宅でも、いまや1000万円でも売れないような事態になっている家も多いということに、ほとんどの親は気づいていないのだ。

 また、自分が手塩にかけて維持した家と思っていても、既に築30年から40年を経過した家だ。トイレやキッチン、洗面所、風呂などはすでに時代遅れの仕様になり、省エネの観点からも劣等生で、マーケットでは全く評価されない代物になっている。次の代まで残したい、賃貸に活用したいのなら、家のどの部分をどの程度直したらよいのかを見極めておくことだ。

 売ればよいと思っていても、現実は甘くない。今自分の家がどの程度の評価なのかは、何も不動産屋に行かなくてもおおよその見当がつく。ネットを見れば、自分の住むエリアの同じような家がどの程度の価格で売買、賃貸されているかのデータはいくらでも拾うことができる。

隣地とのトラブルは解決しておくべし

◆3.家の周囲を身ぎれいに

 家はただ住むだけなら問題がないと思っていても、いろいろ厄介な問題を背負っているものだ。隣地との境界が整っていない、通行権などの権利が付着している、土地の所有者が複数いる、周囲の土地との間にもめ事がある、などは売却や賃貸を行う時に思わぬ障害になる。子供の代に引き渡す前に整理しておきたい。

◆4.断捨離

 子供には親の残していく家財道具の価値がわからない。今から「断捨離」を行うことだ。思い入れのあるものでも、子供にとって価値のないものには「潔く」お別れをしておかないと、処分に困るのは子供だ。

 家財道具の処分と合わせて、自分の財産目録を残しておくとよい。子供にはわからない財産価値の高いものもあるからだ。

ゴミ出し、銀行口座などの手続きをメモにすべし

◆5.連絡先

 親の家だから子供もわかるだろう、は禁物だ。子供が親の家で暮らしたのは高校生まで、といったケースも多い。親の家に住んだ記憶ははるか昔。親が亡くなってみると、ゴミ出しルール、新聞販売、電気ガス水道、植木剪定業者、地元自治会、銀行口座、サークル活動、わからないことだらけだ。どこでどんな手続きをすればよいのか、事前にメモを残しておきたい。

 家というものに大きな財産価値がなくなってしまった現代。親の想いと子供の願いの間には大きな溝がある。その溝を今から少しでも埋めておくことだ。相続も「ハード」の時代ではなく、「ソフトウェア」の時代なのだ。



(私のコメント)

最近聞かなくなった言葉に、「マイホーム主義」とか「一国一城の主」という言葉があります。一戸建ての家を買ってこそマイホームであるし、一国一城の主となれるという意味でしょう。だからサラリーマンたちは30年ローンを組んで、郊外の家を買って、通勤電車に1時間も2時間もかけて会社に通った。

このように男の一生をかけてのマイホームを取得して、今はどうなっているのだろうか。団塊の世代も定年退職して70歳代になれば亡くなる人もぼちぼち出てくる。そうなった場合に残されるのはマイホームであり、子供たちは通勤には不便な親の家には住まずに都心のマンションで生活していて、マイホームは空家になる。

マイホームは遺産として残されますが、売るにしても貸すにしても後始末が大変だ。もともとマイホームは売ることや貸すことを想定して建てられていないから、大規模なリフォームをして売るなり貸すなりしなければならない。都内のマンションや戸建て住宅ならリフォームをして売り出されますが、郊外の不便な戸建は何十万円もかけてリフォームをしても買い手がつかない。解体するにも二百万円もかかる。

最近では、郊外の一戸建て住宅やマンションは投げ売り状態で、通勤に不便なのを我慢すれば誰もが買える値段になりました。千葉あたりなら都心に1時間程度で1000万円以下でも買えます。駅から遠ければ数百万円で売られている。埼玉でも状況は同じでしょう。千葉の不動産屋さんも売り手ばかりで買い手がいないとこぼしていた。

私の銀行員時代は、右を見ても左を見ても皆が住宅ローンを借りて家を買っていた。その中で私はひときわ異彩を放っていましたが、住宅ローンは現代の奴隷制度だと気がついていた。しかしテレビをつければ住宅メーカーのCMが流されて、マイホームを買うことが男一生の夢と洗脳されていた。

私自身は株や為替相場で大儲けを企んで、一発当てて住宅を買おうと考えていた。住宅自体も投機的に値上がりをしてしまって手の届かないものになってしまっていた。当時においては山奥を開発してアメリカのビバリーヒルズのようなニュータウンが作られて、リッチな層に買われていた。その90坪の土地が今や300万円で売られている。

そのようなマイホームブームに浮かれて買わされた人達が、高齢になって亡くなる人も出てくるようになって、子供たちは親の住んでいた住宅が遺産として残されましたが、子供には通勤に不便で使えない。空家で放置するしかないのでしょうが、壊すか売って処分するしかない。しかし売るにしろ壊すにしても金がかかりまさに負動産になっている。

子供たちにとっては、遺産として残すなら現金で残して欲しかったと望んでいることでしょうが、住宅などの不動産は厄介者になってしまって処分する事もままならなくなっている。本来ならば都市計画をきちんと立てて、住宅政策が行われて、通勤に便利なところに高層住宅を建てるべきだったのだろう。

今頃になって、都心には高層マンションが続々と建てられていますが、それらの土地の多くが企業が持っていた土地であり、湾岸地域のマンションは工場用地だった所だ。バブルの頃も都内には土地はいっぱいあったのだが、値上がりを見越して売り惜しみをされていた。

現在はバブル期以上のビルやマンションの建設ラッシュであり、それだけ都心回帰の流れが止まらない。関東平野はまさに虫食い状態のように住宅が乱開発されて、使われなくなった空家がそこいら中に散在している。まさにバブル期の夢の跡なのでしょうが、政府の住宅政策はあってなきがごときだった。

都内の23区内だけでも高層化するだけで住宅問題は解決されていたはずだ。このような議論はバブル期も行われていましたが、都心に住む以上はマンションにならざるを得ない。あまりにも庭付き一戸建て住宅にこだわって乱開発が進められた。誰もがマイホームを買うから私も買わなければといった発想をする人が日本にはあまりにも多かったのだ。

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21 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-05-16 13:35:16
今日のトピックを読むと、TORAさんが考えていることが推察できる。

現在居住のビルと千葉のアパートをどうするか。
Unknown (Unknown)
2017-05-16 13:57:02
>子供には親の残していく家財道具の価値がわからない。今から「断捨離」を行うことだ。思い入れのあるものでも、子供にとって価値のないものには「潔く」お別れをしておかないと、処分に困るのは子供だ。

この処分にもカネがかかり、タダではない。
■違法な不用品回収業者にご注意ください
 http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kurashi/gomi/kateigomi/1004941.html
Unknown (Unknown)
2017-05-16 14:22:30
老人ホームへ入居する人もいる。
■老人ホームのそこが知りたい 菅野国春 2015
 http://blog.goo.ne.jp/ken01east/e/77bdbb4b748a28e7d470fc995d62b0d4
海外移住を考えていたので (Unknown)
2017-05-16 14:30:50
少年の頃、ブラジル開拓民に憧れていたので、自分で家を持つという発想が、大人になっても出て来なかった。事実、40代後半にはアメリカ移住を考えて資産を売り払うつもりで、買い手を物色していた。

結局、買い手が付かなかったので、アメリカ移住も諦めることになったのだが。

住宅街を通るたびに、こんな猫のひたいのような所に、長いこと住み着けるものかと感心するほどだ。都心の仕事場まで2時間もかかるような場所で、本当にライバルと戦っていけるのかどうか、普通の人なら考えると思ったのだが、そうでもないようだ。

時代の変化に対応して、都心のタワマンなどに引っ越した人間はともかく、それも諦めて会社のお荷物になっている仕事の出来ない人。いまだ痛勤往復4時間もかけている人は、多分仕事の出来ない人なのでは。
立憲君主道州制による国力の最大化を目指せ (八坂)
2017-05-16 14:36:06
安全保障の事を考えると、アメリカのように都市機能を分散した方が国家や社会といったシステムの冗長性が高まる。今のところ日本での蓋然性は、首都機能の移転分散や道州制を構築する事だが、政治経済の中枢機能を分散すれば国内でヒトモノカネがスムーズに回転する。もちろん土地や不動産も有効活用の機会が増えるので、必然的に不動産の需給バランスも均衡されるだろう。それだけで通勤のできない家も解消される。

現時点の日本国家は時代遅れのメインフレームのようなものであり、図体だけデカくて非力かつ鈍重なマシンを皆で共有して使っている。ついでに常駐ウイルスのシロアリ官僚やワシントン直結のバックドアまで仕掛けており、官僚や米帝の描いた法案は日本国家を解体するマルウェアのコードだ。
しかし最新の高速マシンで各地をネットワーク化すれば、日本国家や社会の処理速度はいったい何百倍になるだろうか?それだけ現在の国家が役立たずであり日本国民が損をしているのだ。
Unknown (Unknown)
2017-05-16 14:38:42
>だからサラリーマンたちは30年ローンを組んで、郊外の家を買って、通勤電車に1時間も2時間もかけて会社に通った。

現在でも、似たような傾向がある。
■日本のサラリーマンが知るべき「持ち家貧乏」と不動産投資の甘い罠
 http://www.mag2.com/p/money/228548?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000204_tue&utm_campaign=mag_9999_0516&l=rqs0d4bb90
私の場合 (Unknown)
2017-05-16 16:56:13
60代半ばの今現在、市の粗大ゴミ出しで家具等を処分しています。元気なうちにやっておこうと、思っていますがあまりにモノが多すぎて・・・手を焼いています。
片付け業者に頼むとお金がかかるし、、、
それでもなんとかせねばと思う今日この頃。
Unknown (Unknown)
2017-05-16 17:03:34
家具も無垢の高級木材を使ったものなら、子も使い続けようと思うかもしれないし、転売する事も可能なのでしょうけどね。合板製のものなら自分で解体して自治体のゴミ袋に入れてぼちぼち処分すればいいのじゃないかな。

ヨーロッパでは、親が使っていた食卓等を子の新居で使う習慣があるそうですが、いまの日本では耐久性のないチープな見栄えだけ重視した家具ばかりになってしまっていますから、このような家具の承継の方法は採れないのでしょうね。

相続税! (Unknown)
2017-05-16 18:28:19

金持ちも、相続税で三世代目は、スッカラカンですね!

形あるものとは?無形の財産とは? (Unknown)
2017-05-16 18:52:43
家、土地、金銀財貨、宝石を多大に所有する者達の功罪、悩みの究極って感じやね😃

されど無形の財産とは?😭
それぞれの人生において形が無くてもあの世まで持っていけるほどの
それは、、、、心の宝物。😃

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