自国民の血を流してまで米国との同盟を維持してきた英国でも、オバマ政権
の時代では背中からナイフを刺される。アメリカは同盟国を平気で裏切る。
2012年2月23日 木曜日
◆現下のフォークランド問題が示唆すること 2月22日 極東ブログ
南大西洋上のフォークランド諸島の領有権を巡る英国とアルゼンチンの対立が国際問題化しているが、国内報道を見ているとそれほど目立っているわけではない。遠い国の話だからというのもあるし、その意味がよく理解されていないというせいもあるだろう。
フォークランド諸島では1982年、領有権を巡って軍事衝突が起きた。「フォークランド紛争」と日本では呼ばれているが、英語で"Falklands War"というように普通に「戦争」であり、双方で千人近い戦死者を出したものだった。
現在の対立はいわばその30周年記念と言えないこともない。深刻な事態になるかといえば、軍事衝突はあるかもしれないが、軍事力の差から、つまり英国が最終的には十分な抑止力を持っていることから、大問題へと発展するとの見方は少ないようだ。
「フォークランド紛争」はいろいろな意味で興味深い。この地域の争いは、油田といった資源問題を含むことに加え、現代の西側自由主義諸国間でも領土紛争で戦争が起こりうることを示している。日本からすれば双方が憲法で戦争放棄をすればよさそうなものだが、現実の国際社会ではそうした潮流はない。
今回のフォークランド問題再燃はその背景を探ると日本にとっても、なかなか示唆的な部分がある。考え方によっては示唆を超えているかもしれない。雑誌「ディプロマット」は「オバマのフォークランドの失敗」(参照)として論じていた。四点にまとめられている。
1 軍事弱体は挑発的である
紛争地域では一方の軍事力が低下すると、挑発となる。他方が軍事行動に出やすくなる。
フォークランドを巡る今回の英国とアルゼンチンの対立も、キャメロン英首相が陸海軍の大幅削減を打ち出した際にアルゼンチンが挑発的に出た。特に英空母の退役がアルゼンチンを挑発した。
日本では、鳩山元首相のように首相になってから抑止力を学ぶ人もいるが、現在の世界を見つめているだけでもそれを学べる機会はある。
2. 米国は同盟国として頼りない
英米の軍事同盟はかつては強固だった。英国は国内世論を押し切っても、米国が始めたイラク戦争やアフガニスタン戦争に参加した。オバマ政権以降、同盟は弱体化している。
今回のフォークランドを巡る問題では、クリントン米国務長官は対立する二国間で話合うことが望ましいと述べ、英国を支持しなかった。英国の保守高級紙テレグラフはこれを「フォークランド問題でオバマ政権は英国を背中からナイフで刺した(Obama administration knifed Britain in the back again over the Falklands)」と表現した。
自国民の血を流してまで米国との同盟を維持してきた英国でも、オバマ政権の時代では背中からナイフを刺される。
3. 法の支配・民主主義・民族自決推進の失敗
現在のフォークランド諸島の住民3200人はこの地に175年も暮らしていて、現在のアルゼンチン国民の祖先の多くがアルゼンチンの地に住み着いた以降より長い。当然、フォークランド諸島住民の多数は英国領であることを望んでいる。それは法の支配・民主主義・民族自決の原則を前提にしている。
米国はこの、法の支配・民主主義・民族自決といった価値を世界に推進しようとしてきた。だが、オバマ政権がフォークランド問題に関与しないとしたことで、これらの価値の放棄したことになった。
このことからさらに懸念される波及として南シナ海の問題がある。
For example, the complex web of territorial claims in the South China Sea, similarly, requires that no party try to unilaterally impose its will on smaller neighbors. The question is what sort of precedent the South Atlantic crisis sets for this similarly tense dispute in the Pacific.例えば、多岐にわたる領土主張がある南シナ海でも同様に、どの勢力であれ弱小隣国に一方的な強制をするべきではない。問題は、南大西洋の危機が、同様に緊張した太平洋の対立にどのような先例をもたらすかである。
4. 経済制裁は裏目に出る
フォークランド問題の文脈で見ると、アルゼンチンが自国ナショナリズムの視点からフォークランドを経済的に締め付けると、アルゼンチン自身が困難になる。つまり裏目になる。他国の資源開発参入を阻止し、観光業にも影響するからである。もっとも、ナショナリズムに覆われているときは長期的な経済利益はあまり考慮されないものだ。
まとめも振るっている。
Whatever the outcome of the current crisis over the Falklands, the Obama Administration’s failure to back America’s key ally and its policy of significantly cutting American defenses sends the wrong message that will be heard far beyond the waters of the South Atlantic.フォークランドを巡る現在の危機がどのような結果になろうとも、米国オバマ政権がその主要同盟国支援に失敗したことと、米軍大幅削減政策は、間違ったメッセージとして南大西洋を越えるだろう。
日本を含めた状況でこの指摘を翻案するなら、現下フォークランド問題への米国オバマ政権の対応が、南シナ海の紛争に関わる米国同盟国に強い影響を与えることになる。その影響を見て日本近海の領有権問題の行く末が想像できるようになる。
(私のコメント)
日本のマスコミ報道だけを読んでいると外務省や防衛省の受け売りだから、本当のアメリカの動きが分からなくなる。思いやり予算を無くすだけでも在日米軍は居なくなるだろう。
◆米海軍、空母ジョージワシントン削減検討 2011年10月11日 沖縄タイムス
【平安名純代・米国特約記者】米国防費削減を受け、海軍が横須賀基地(神奈川県横須賀市)を母港とする原子力空母「ジョージ・ワシントン」(約10万トン、乗組員6000人)の削減を検討していることが10日までに分かった。同空母は2016年に核燃料交換などの大型整備を予定しており、削減すれば15億ドル(約1150億円)が節約できるとの試算が出ている。軍事力の象徴ともいえる空母の削減検討は、国防費予算削減の影響の深刻さを示すものといえそうだ。
米議会筋によると、9月末にパネッタ国防長官と米軍幹部らが国防費削減内容の大枠を決める会議を開き、同空母を燃料が尽きるまで運用した後、2021年までに廃船にする案を協議したという。廃船にした場合、現行の11隻から10隻体制となる。
廃船には議会の承認が必要となるが、共和党が国防費削減に強く反対しており、反発が予想される。一方で、同党の重鎮で上院軍事筆頭委員を務めるマケイン議員は7日、沖縄タイムスの取材に対し、「国防費削減で最も影響を受けるのは海軍だ」と述べ、米海空軍の対中戦略が長距離無人機やミサイルなどを組み合わせた遠方からの戦略を基本とする方向に進むとの認識を示した。
米軍準機関紙「星条旗新聞」によると、ジョージ・ワシントンは1990年に進水し、92年に就役。寿命は約50年で、2016年ごろまでに核燃料交換を含む大規模な整備が必要となる。同紙は、同空母が廃船となっても後継空母が横須賀に配備されるとの関係筋の見通しを伝えている。
パネッタ国防長官は、今後10年間で国防費を計4500億ドル(約34兆5000億円)削減する案をまとめるよう各軍に指示している。










