株式日記と経済展望

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フランスのように「専業農家にのみ・やる気のある農家にのみ」補助金を出すべきである。

2009年05月10日 | 経済


by CyberBuzz

専業農家の年間所得は644万円なのに、兼業農家の所得は792万円で、
サラリーマンの所得を大きく上回っている(02年) 貧農は作られた神話だ。


2009年5月10日 日曜日

減反政策は国民の7割が反対しているのになぜ続けられるのか?
(報道2001より)


減反政策が廃止になっても米価は10000円前後で落ち着く
農業が近代化すれば日本は農産物の輸出国になれる!


減反見直し、総選挙で提示を=石破農水相 5月10日 時事通信



輸出だってできる! コメの「力」を削ぐのは誰だ~『農協の大罪』 山下 一仁著

近所のスーパーに行くと、つい生産者の「顔」が見える野菜に目がいく。昨夏、米粉加工会社による「汚染米」の不正転売事件が起きてから、生産者を顔写真つきで紹介した食品が増えた。素性のハッキリした安全な食べ物は、割高でも人気の的だ。

そのほとんどは、スーパーが農家と直接契約して販売している。

店と農家の間に、日本の農業を支配してきた「農協(JA)」は入っていない。

戦後、自民党の農林族議員と結びつき、農林省にも強い影響力を行使してきた農協。職員数30万人ともいわれる巨大組織の「脱農化」は静かに進んでいる。

すでに農協の金融部門「農林中金(農林中央金庫)」は国内最大規模の機関投資家に変貌した。農林中金は、農家から、その農業収入や、農地を宅地や工場、商業施設、道路などに転用した莫大な利益を預金として吸い上げ、海外を主体に資産運用してきた。バブル期には住宅金融専門会社(住専)への貸し込みで大やけどを負いながら、国費投入で生き延びた。だが、世界的な金融危機で運用益は大幅に減少している。

食糧自給率が40%まで低下したいま、食料安全保障と水資源の確保、国土保全に深く係わる農協は、どのような動きをしているのだろうか?

そんな疑問を胸に本書を手にとった……。

著者は、昨年まで農水省で農村振興に取り組んできた農政のプロだ。元官僚ではあるが、農水省の失政も厳しく断罪しており、説得力がある。

読み終えて、農協─族議員─農水省トライアングルの罪深さに愕然とする。農業の衰退に歯止めをかけるどころか、加速させているように読み取れる。著者が指摘する病根は、「高米価政策(減反)」と「農地制度(農地転用)」である。

お米は作らないでください、補助金あげるから

著者は、まず「汚染米」の大部分が「ミニマムアクセス米」という輸入米だった背景を解き明かすところから、歪んだ現実に斬り込む。ミニマムアクセス米とは、日本政府が米について778%もの関税をかけた代償として、外国から輸入した低関税の米。日本は高関税を米にかける代わりに、消費量の8パーセントに当たる77万トンを低関税で輸入するとWTOに約束し、それを実行している。

農水省が輸入したミニマムアクセス米は、〈国内の需給、すなわち国内米の生産には影響を与えない〉との理由で市場には出されず、大半を海外への食糧援助用などに保管している。しかし海外からの要請がなければ食糧援助はできない。当然、保管期間は長期にわたる。カビが生えるのも当たり前。保管費用の財政負担は、どんどん膨らむ。

なぜ政府は米に高い関税をかけ、わざわざ汚染リスクの高い米を輸入するのか。著者は断定する。

〈国内の高い米価を維持したいからである。……高い米価は、誰のため、何のために必要なのか? 農協にとって、米価が高ければ販売手数料も高くなるし、肥料や農薬も農家に高く売れ、また手数料を稼げるからである。高い米価は何で維持されているのか? 水田の4割で米を作らないという供給制限カルテル、つまり減反によってである。カルテルとは、業者が結託することによって市場への供給を制限したり、高い価格を維持したりすることである。これは本来ならば独占禁止法で禁止されている行為だ〉

さらに政府は減反カルテルを維持するために〈毎年2000億円、累計で7兆円に上る補助金〉を出しているのだという。

農家に米を作るなと呼びかけて、補助金まで出す。一方で食料自給率はわずか4割……まったくチグハグだ。米の需給を無視した統制経済のように見える。

だが、農協は、「貧農を切り捨てるな」と声高に叫び、高米価政策を後押してきた。

農協が守ろうとする貧農とは? 農家には専業と兼業がある。農協は、両者の選別政策をとらず、兼業の小農を守れと主張する。確かに農家は後継者不足で、急速に高齢化が進む。やっとの思いで農業を営んでいる農家は保護すべきだろう。辛うじて農業を担っている人々だから、大切にしなくては……と、素人のわたしも思う。

しかし、著者によれば、この昔ながらの貧農イメージがくせものらしい。

〈そもそも小農・零細農家は、本職はサラリーマンの兼業農家なので今や富農である。それに対して、なかなか農業規模を拡大できず、所得が増えない主業農家こそが貧農なのである。米作主業農家の年間所得は644万円なのに、兼業農家の所得は792万円で、サラリーマンの所得を大きく上回っている(02年)〉

05年時点で、農業就業人口252万人に対し、農家戸数は285万戸。戸数が就業人口を上回る珍現象が起きている。これは、〈主として農業に従事する農業就業者のいない〉兼業農家が増えたからだそうだ。

農協としては農業人口が減っても、戸数を維持できれば「政治力」は保てる。そのために兼業農家に有利な施策に力を入れる。結果的に豊かな兼業農家が農協の支持層となる。専業農家は、規模の拡大も進まず、経営が苦しい。農業で生きようとする専業農家は、減る一方なのだ。いつまでも貧農保護の大義名分に振り回されるな、と著者は警告する。

兼業農家を富ませた大きな要因に「農地制度」がある。「農地転用」が、その典型だ。

本来は「農地」と土地利用規制(ゾーニング)されている場所を、簡単に宅地や工場、商業施設、道路などに転用することで、地価上昇による利益が農家に転がり込んだ。高度成長期、農地転用は、「農村と都市の所得格差をなくす」「農村から都市への人口集中の受け皿(住宅など)」をつくる意味もあった。

しかし、地価上昇のキャピタルゲイン狙いは、度を越して過熱した。年間の農地転用売却益は1990年のピーク時に「7兆円」を超え、現在でも「2兆円程度」はある。この莫大な資金が農協に預金され、その総額は83兆円にのぼった。

〈こうした農業を犠牲にして儲けようとする行為は、“盗泉の水を飲むもの”と批判された〉

50年前に日本全体で609万ヘクタールあった農地の4割超が、減反などによる耕作放棄や宅地等への転用で消滅した。いまでは田んぼの真ん中に市役所が建ち、パチンコ屋が店を開く。町や村は中心を失い、とめどもなく、拡散している。

日本米は国際競争力がある、輸出できる

著者は、農協─族議員─農水省と農政に携わる機関が農業を衰退させている現実をえぐり、代替案を示す。たとえば、農業大国で知られるフランスは、こうだ。

〈ゾーニングにより都市的地域と農業地域を明確に区分し、農地資源を確保するとともに、農政の対象を、所得の半分を農業から、かつ労働の半分を農業に投下する主業農家に限定し、農地を主業農家に対して積極的に集積した。これによって、食料自給率は99%から122%へ、農場規模は17ヘクタールから52ヘクタール(2005年)へ拡大した〉

高米価政策からも脱却せよ、と説く。現在、減反で維持されている国産米の価格は60キロ当たり1万4000円。輸入されている中国産米は1万円。すでに価格差は縮まっている。減反をやめれば、日本米の値段は1万円を切る。美味しくて人気の高い日本米は、国際競争力を持ち、輸出できる。

米価の下落で損をする農家には補助金を直接支払えば、財政的負担は同じで、消費者もメリットを受ける、と説明。もちろんミニマムアクセス米も輸入しなくてよくなる。

〈輸出により日本農業を縮小から拡大に転ずるべきなのだ。……平時はアメリカから小麦を輸入しながら、米を輸出する。外国からの輸入が途絶えたときには、輸出に回していた米を食べるのだ。これがどこの国でもやっている食料安全保障策である。こうすれば、自由貿易と食料安全保障は、両立する〉

農協─族議員─農水省トライアングルは、この意見をどう受けとめるのだろうか。

兼業農家は農地を転用目的で持っていても固定資産税は安い
宅地なら340万円の固定資産税が農地なら9240円で済む


地方でも高速道路が出来れば莫大な資産所得が兼業農家に生ずる
だから熊が出るようなところにも高速道路が作られ続けるのだ


(私のコメント)
5月4日に農業問題を書きましたが、今日のフジテレビの報道2001でも農業問題についてやっていた。日本の農家は第二種兼業農家と自給農家がほとんどであり、専業農家は13%程度しかない。つまり日本の農業は農家が片手間で行なっている農業であり、これでは農業の近代化が出来るわけがない。このように書くと兼業農家や自給農家から反論がありますが、それでは農家の高齢化と農業人口の減少に適応できない。

農業人口の平均年齢は65歳だそうですが、あと5年すれば多くの農家が農業をリタイヤする事になる。そして減反政策と高齢化によるリタイヤで耕作放棄地は増える一方だ。耕作を放棄しても国から補助金が出るから耕作をまったく行なわないでもカネがもらえる。だから農家は農地を手放さない。貸す事もしないだろう。補助金がもらえなくなるからだ。

このような補助金は年間2000億円も使われていますが、カネをやるから米を作らないでくださいと言う事だ。報道2001でも石破大臣が言っていましたが、米の消費が減って肉を食べるようになって米が余るようになった。余るから減反して価格を維持しようとしていますが、減反破りが横行して米の価格は下がる一方だ。

その結果、自給自足的な農家ばかりになって、市場に出しても採算に合わないので自分で食べる分だけ生産する。米の値下がりは専業農家を直撃して13%そこそこまでへって専業農家は倒産してやっていけなくなる。専業農家が減反政策の一番の被害者であり、手足を縛られたまま米価の値下がりだけ直撃を受けるから大変だ。

米作の専業農家が成り立っていく為には減反政策という足かせを外して大規模化を促してコストダダウンを図るしかない。日本の農家は1、5ヘクタール程度の農地が平均ですが、これが15ヘクタールになればかなりのコストダウンになるだろう。今は60キロ当たり12000円程度でも10倍に規模を拡大すれば半値になってもやっていけるだろう。耕作機械は農地が10倍になっても10台に増やす必要は無く1台で済むし、人手も10人はいらなくて1人で済むからだ。

フランスは農業人口が4%しかありませんが農産物輸出国だ。アメリカも50年前は農業人口が45%もありましたが、現在では2%にまで減っている。耕作機械が普及して人手がかからなくなったからですが、日本も4%にまで減りましたが、フランスのような農産物輸出国になっていない。問題は日本の農業人口が252万人なのに対して農家戸数は285万戸もある。人口よりも戸数の方が多い??? 

農業が大規模化していれば農業人口よりも農家戸数は激減するはずなのですが、兼業農家や自給農家の割合を増やしている結果になっている。政府の補助金農政がそうさせているのですが、4%の農家が自給自足農家になったら96%の非農家は自給農家のお余りを回して貰っている事になり、だから食料自給率は下がる一方だ。

戦後の日本の農業政策には食糧安保の発想が無くて、工業製品を売って稼いだカネでアメリカ等から食料を買えばいいではないかという政策でしたが、去年の食料価格の高騰は日本の自給率の低さを浮かび上がらせた。農産物輸出国の輸出停止が相次いで中国も食料輸出国から輸入国になって、生活水準の向上によって食糧輸入は日本との競争状態になっている。

報道2001でも日本の農地の貸し借りがどうして行われないのかという問題がありましたが、減反政策で耕作放棄しても農家である限り補助金がもらえるからだ。農地の売買も農地として売れば数百万円にしかならなくても、高速道路や新幹線で土地を売れば数億円の土地売買益が転がり込んでくる。だから道路族議員が高速道路を作れとやかましいのだ。

ではどうしたら日本の農業が近代化してヨーロッパの農業のように輸入国から輸出国に変われるのだろうか? 政治も世襲のやる気のない議員が増えて政治も堕落しましたが、農業も世代交代でやる気のない世襲農家が増えて、耕作を放棄して自給農家に堕落してしまっている。農業を産業としていかなければ自給率は上がらないのであり、農協ばかりが肥大化している。


日本の成人人口の1割が農業関連だが GDPに占める割合は 1%程度 3月13日 太陽の帝国

 日本の農家戸数は約 285万戸 (約300万戸)であるが 約25倍の国土を持つ米国は220万戸である!(人口が3倍の米国の方が少ない!)平均耕作地面積は 1.3ha であり 米国の 1/123 フランスの 1/40 の規模である。 オーストラリアに至っては 日本の1000倍以上で耕作している。

 つまり大規模化しか道は無いのだが・・・ それを阻んでいるのが前述の 農協と 農林族:国会議員そして兼業農家 なのである!

 なにしろ・・・米作農家は200万戸あるが専業米作農家は 7万戸 しか居ない!!! (約 1/30 ) 残りは 兼業 である。兼業農家の収入の約9割はサラリーマンの給与所得である。

 当然ながら 64年頃 赤城宗徳:農林大臣が「農業の大規模化」を提唱したのだが社会党の大反対と 農協の反対 で2度も廃案となってしまった!現在は(兼業)農家に頼んで農地を貸してもらうしかない。これが大規模化への最大のネックである。

 ところが 兼業農家は貸したがらない!のである。それは農地を売ると 平均100数十万円 にしかならないが 新幹線や高速道路の用地として買い上げてもらえば億単位の金が入って来るからだ! それまでは形だけ耕すフリをして田畑を寝かして置くのである。

 え?「公共工事?そんなことは滅多に無い!」だって? いえいえ・・・日本の農政は「参入するのには厳しい」が「農地の転用には緩い」のである!

 農家は補助金をもらうときには「農地の指定」を要求するが買い手が現れると「農地の指定解除」を要求して来て・・・市町村も簡単に法律まで変えてしまうのである!

 市町村も生産性の低い農地を維持するよりも税金が取れるし農家としても宅地や工場用地として売る方が儲かるからだ。

 結果・・・青々とした農村風景に毒々しいパチンコ屋などが突如出現するのである。だから現在でも・・・ 全国農家の農業収入と「それ以外の収入」は”ほぼ同じ”である。

 これに味を占めた兼業農家が農地など売らずに形だけ耕して・・・新幹線や高速道路が出来るのを期待するのは当然と言えば当然のことなのだ。

 この50年間で「全水田面積と同じ250万haの半分が宅地や工業用地に転用された!」事実が(全国の農地は約470万ha)「地方が国債発行と公共工事を渇望する」ことと地方ではバラマキ政党が選挙で勝利するという農政の無策を明快に示しているではないか!?

 そもそも戦前の大規模不在地主と小作人の矛盾が歴史教科書などで扱われているがそれなら戦後のGHQによる「農地解放」では「タダ同然で地主から農地を取り上げて・小作人にそれを分け与えた」のだから今度は零細農家が既得権益化して数々の不労所得を得ているのでは道理と言う面からも納得できるものではない!

 零細な兼業農家が300万戸もあることは農協にとっても何かと政治力としても使えるし・・・農協自身も 30万人もの職員を抱えているのである。家族を含めれば 60万人の票田となるし農協の準組合員まで含めれば 500万人にもなる!

 農協が「自民党の集票マシン!」となり圧力団体とも言われる所以である。このような潤沢な資金がJAバンクに流れ込み莫大な預金残高はもともと農家と消費者との仲介をして手数料を稼ぐ農協の本来の役割を離れて・約7割以上が農業以外に融資されている有様だ。

 これが農協が日本農業を潰した!現実の姿なのである。

 06年の農業総産出額は 8.5兆円 だが パナソニック1社の売り上げ額 9.1兆円 にも及ばない!パナソニックの従業員は 30万人弱だが農業は農家が285万戸 農協職員が31万人 農協組合員が500万人も居る。日本の成人人口の1割が農業関連だがGDPに占める割合は 1%程度 ということである。

 「米を作らないとお金がもらえる」減反対策などもバカバカしいが・・・(車の減産にも税金を出せ!・・・自動車メーカー)農協が米価の高止まりを要求するのも米価が下がると農協の手数料も下がるからだ。それらを含めた農業保護全部の額と農業GDPはほぼ同じであると言う。

 つまり「日本の農業はGDPに全然貢献していない!」と言われても仕方が無い・・・日本の農政はこんな役にも立たない減反に40年間で7兆円・過剰米処理にも3兆円の莫大な税金を投入して来たのである!まさに「NO政!」である。

 農協と農林族議員が潰しに潰してきた日本農業は食料自給率の60年代の80%から 現在は40%以下に低下し特に1番恐いのは農業就業人口が 39歳以下 8.5%70歳以上 46.8%という数字であろう!?(ちなみに フランスでは54歳以下の農業者が6割も居る!)

 これでは最悪の予測が現在250万haの稲作農地が2050年にはたったの30万haになってしまう・・・ということである。

 フランスが成功したのは「専業農家にのみ補助金」を出してきたからである!「食料自給率100%にするには・現在の農地を4倍にする必要がある」そうだから・どうしても採算が合わない農産物は輸入したらよい。

 しかし最近では農産物の高騰で・中国やインドが「小麦やトウモロコシの輸出禁止!」を打ち出している!食糧安保の意味からも日本の農業の再建は急務である!

 それには票だけが目当ての民主党の「農家への個別補償制度」は大規模化を阻害し 生産性が低い兼業農家を存続させるものであり有害無益である。フランスのように「専業農家にのみ・やる気のある農家にのみ」補助金を出すべきである。


(私のコメント)
日本のほとんどの農家が兼業農家と自給農家であり、フランスのように専業農家のみ戸別補償という政策は受け入れられないだろう。民主党が参院選前に言った戸別補償制度は参院選挙で大勝した後どこかに消えてしまった。農家は民主党の「戸別補償制度」につられて民主党に票を入れたが、私も減反政策よりはマシだと賛成した。

自民党は農林族が減反堅持だと言っているから、日本の農業の近代化はますます遠くなる。専業農家を育てる為には戸別補償制度を取り入れる必要があるだろう。さらにやる気のある若い人が農業に参入しやすくする事が大切であり、兼業農家の農地を貸し出しやすい農地法に変えて行く事だ。

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