米民主党は世界にためのアメリカという意識が強くて、逆に言えば、
共和党は自分たちのことだけ考えればいいという風になりがちです。
2012年5月16日 水曜日
◆小さくなる米国に、変わるアジアの安全保障 5月16日 池上彰
小さくなるアメリカに世界は
鈴置:日本の空母や核兵器の保有を抑止してきたのは米国です。でも、今後、このあたりの議論が盛んになっていくと思います。「抑止」という言葉は、誤解を招く言い方かも知れませんが。
池上:まさに「日米安保は瓶の蓋」ですね。サイダー瓶の蓋です。日本があふれ出てこないように、アメリカが蓋をしている。
鈴置:ただ、米国はいつまでも強い国ではありません。経済力が弱り、例えば空母の数を今の水準に維持できなくなったら、どうするか、です。
池上:最近私は、今年秋に控えたアメリカ大統領選挙の取材をしています。注目は、共和党の候補者へ名乗りを上げている、ロン・ポールです。
彼の主張は、簡単に言うとこうです。
「政府は小さな方がいい。税金は少ない方がいい。なぜアメリカ軍は多額の税金を使って、世界中でよその国を守っているのだ。世界中のアメリカ軍基地を直ちに撤去しろ」
私は彼を熱狂的に支持しているオハイオ大学の学生に話を聞きました。
「アメリカがそんな風に撤退したら、世界は不安定になるんじゃないか」
すると彼に、逆にこう言われました。
「お前は日本人か。日本にアメリカ軍基地が欲しいのか」
さらにこう言われました。
「日本は偉大な国なんだから、自分のことは自分で守れるだろう」と。
別に彼は、日本だけを持ち上げているのではないのです。韓国も偉大な国なんだから、朝鮮半島は韓国が守ればいい、イスラエルは中東で最大の軍事国家なのだから、自分で守ればいい、アメリカが支援する必要はないとまで言うので、これには驚きました。
しかしこうした主張がいま、アメリカの若者からは絶大な支持を得ています。
理由はふたつ考えられます。ひとつは、税金は少ない方がいいという、ティーパーティーの流れを汲んだもの。それからもうひとつは、自分たちが将来戦争に行くのは嫌だというものです。
まず間違いなくロン・ポールは候補に選ばれず、大統領にもなりませんが、相当の支持があることは確かです。ただ、共和党政権になったとしたら、そちらへ動く可能性はあります。アフガニスタンとイラクに関しては、共和党政権が戦争を始めましたが、それまでは民主党政権です。共和党に比べると、民主党は世界にためのアメリカという意識が強くて、逆に言えば、共和党は自分たちのことだけ考えればいいという風になりがちです。
鈴置:カーター政権当時、安全保障担当補佐官を務めたブレジンスキーが最近、興味深い本を出版しました。『Strategic Vision: America and the Crisis of Global Power』という本です。この本で彼は「アメリカはいずれ世界中に核の傘を貸すことはできなくなる」と予測しています。「日本や韓国は独自の核武装に踏み切るか、米国以外に核の傘を求める必要が出る」とも記しています。
日本ではこの本はほとんど話題になりませんでしたが、韓国では多くの新聞が取り上げました。韓国に関して「中国の核の傘に入るか、あまり頼りにならぬ日本と組むかの選択に迫られる」と書いていたこともあったのでしょう。いずれ中国がアジアの警察官になる、との前提でこの本は書かれており、韓国人の世界観にもマッチしています。
さて、世界がドルを基軸通貨としていたために米国はどれだけ楽をしたか分かりません。困ったときにはドルを印刷すればいいのですから。ドルへの信認は強大な米国の軍事力が支えてきたわけです。しかし、軍事力の低下とともに「ドル中心主義」も衰えていくのでしょう。その時、世界は、そしてアジアはどう変わるとお考えですか。
人民元圏の拡大がアジアを変える
池上:人民元通貨圏が、東アジアでどう広がっていくかという話にもつながりますね。一足飛びに世界の通貨にはなり得ませんが、ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー、さらにはカザフスタンでは、人民元でいろいろな取引がされています。ここにも軍事力の裏付けがあるんですね。
この点は、普段、普段、日経新聞で為替欄を読んでいる人たちには、なかなか気づけないことかもしれません。
鈴置:私が韓国を研究する理由は、そこに尽きます。韓国は変化に対して過剰に反応します。一方、日本は非常に鈍感です。それも無理はありません。中国の影響だってまず韓国がもろに受け、日本に波及するのはそのだいぶん後になります。
例えば、大陸勢力が日本に攻め込んで来た「元寇」。その40年以上前に高麗は元と戦って完敗し、全国土を支配されました。当時の日本政府――鎌倉幕府も高麗の状況を必死で観察し、九州の防備を固めていたと思われます。
池上:では、そんな韓国の今を見据えながら、日本との関係、そして朝鮮半島のこれからについて、次におうかがいしていこうと思います。
◆ロムニー氏、女性支持率で逆転 オバマ大統領を上回る 5月15日 CNN
(CNN) 米大統領選の共和党候補に確定したミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事が、女性からの支持率でオバマ大統領をわずかに上回っていることが、CBSニュースと米紙ニューヨーク・タイムズが14日に発表した世論調査で分かった。
調査結果によると、女性からの支持率は過去2カ月間で逆転。ロムニー氏が43%から46%に上がったのに対し、オバマ大統領は49%から44%にダウンした。ただし両氏の差は、プラスマイナス4%とされた統計上の誤差範囲内にとどまっている。
これまで女性の間ではオバマ大統領が優勢を維持し、CNNと世論調査機関ORCインターナショナルによる4月中旬の世論調査では16ポイントもリードしていた。同調査は、民主党側が「ロムニー夫人には就労経験がない」と批判した直後に実施されていた。
(私のコメント)










