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短期売買をするということは、機関投資家を相手にポーカーをやるようなものだ

2017年04月20日 | 株式

短期売買をするということは、毎年何億ドルもの資金を費やして市場で勝負
しているわれわれのような機関投資家を相手にポーカーをやるようなものだ


2017年4月20日 木曜日

世界最大のヘッジファンドが個人投資家に助言する 4月19日 レイ・ダリオ

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏がBusiness Insiderのインタビュー(原文英語)に答え、一問一答形式で個人投資家へのアドバイスを行なっている。なかなか面白い内容となっているので、ここに紹介したい。

投資家はどういう投資をすべきか?

投資には短期売買、長期売買、株式投資、債券投資、外貨投資など様々なものがあるが、先ずはこの質問に対してダリオ氏は次のように答えている。


投資家は分散されたバランスのよいポートフォリオを構成するべきだ。そして自分の投資判断で頻繁に売り買いを繰り返すべきではない。

短期売買をするということは、毎年何億ドルもの資金を費やして市場で勝負しているわれわれのような機関投資家を相手にポーカーをやるようなものだ。それが個人投資家の戦わなければならない相手なのだ。それは無理だ。そんなことをしてはいけない。

だから個人投資家に勧めるのは、バランスの取れたポートフォリオを構成する方法を学び、そのポートフォリオをただホールドすることだ。

レイ・ダリオ氏のような機関投資家は、単に本人が金融市場における豊富な知識と経験、そして才能において個人投資家を上回っているというだけではない。

他の投資から資産を預かって投資をするということは、一人の資産を運用するよりも運用額が膨大になるということであり、それだけ多くの予算をリサーチやトレーディングに割くことが出来るということである。

個人投資家にとっては、レイ・ダリオ氏を打ち負かすだけでも難題であるのに、ダリオ氏は更に多くの経験豊富なアナリストやトレーダーを雇い、ヘッジファンドというプロの集団として市場で戦っているのである。

個人投資家が一つの市場をリサーチしている間に、ヘッジファンドの優秀なアナリストチームは、十以上の市場について、個人投資家が一つの市場で行うよりもよほど深い考察を済ませてしまうだろう。勝負になるはずがないのである。プロの投資家は皆それを知っているが、個人投資家がそれを実感として理解することは難しいかもしれない。多くの人々にとって、金融業界の内部を目にする機会はないからである。

また、株式市場だけに気を配る株式投資家は、株式市場と債券市場、そして為替市場を網羅するプロの投資家に、株式市場においても後塵を拝していると言わなければならない。すべての市場は繋がっており、金利や為替レートなど、金融市場の様々な要素が株式市場に影響するからである。この事実についてはやはり、『マーケットの魔術師』におけるジム・ロジャーズ氏の至言を何度でも引用しておこう。


インドネシアのパーム油がどうなっているかを知らずにアメリカの製鉄株にどうやって投資できるだろうか?

バランスの取れたポートフォリオを作る方法は?

ではバランスの取れたポートフォリオとはどのようなものか? 概念的には、株式から、債券、不動産、外貨、金や原油などのコモディティに至るまでの様々な資産に満遍なく投資をするという意味だろうが、ただ盲目的に分散投資を行うことをダリオ氏は勧めているのではない。様々な投資対象について、その特徴や期待リターン(その投資からどれだけの利益が期待出来るか)を計算する方法を知っておく必要がある。


期待リターンが重要だ。ある資産を検討するときには、他の投資対象と比べて期待リターンがどうなのかを検討することになる。

それぞれの資産クラスの期待リターンは、経済全体を象徴している。

また、市場ごとの特徴について学ぶこともダリオ氏は推奨している。


株式市場は債券市場より少なくとも二倍リスクが高いということを学ぶ必要がある。そしてゴールドを少しポートフォリオに加えるべきだろう。多くの人はゴールドを加えるということをしない。しかしゴールドはポートフォリオに有用な多様性を与えてくれる。

ゴールドはある意味では珍しい投資対象である。株式は企業の利益が上がる時に上がり、債券は中央銀行が景気を刺激するために金融緩和を行なった時に上がりやすい。しかし金価格は経済成長率が鈍化する時に上昇する。その意味で、ゴールドはバランスの取れたポートフォリオに必須だとダリオ氏は考えているのである。

彼は次のように続ける。


また、手数料に着目することも必要だ。資産を乗り換える時には、売買手数料を考慮しても尚乗り換える価値があるのかを計算する必要がある。

売買手数料は個人投資家にとって短期売買の魅力を更に減少させる要素である。頻繁に売買することは、頻繁に売買手数料を払うことだからである。短期売買を繰り返す個人投資家はこのことを忘れがちだが、後で積み上がった手数料を計算して驚くような事態にはならないように注意されたい。

個人投資家はニュースに気を配るべきか?


個人投資家は日々のニュースを気を配るべきではない。どれだけ酷いことが起こり、ニュースになったとしても、市場には常に投資のプロが参加していて、彼らが瞬時にそのニュースを資産価格に反映させてしまう。

だからそのニュースが起こった後に行動しても遅いのだ。個人投資家が犯す最悪の間違いは、ニュースに振り回されることだ。

これは逆説的である。世界経済のニュースに気を配ることは投資家として良いことだと思うかもしれない。知識が増えること自体は良いことであるかもしれないが、ダリオ氏はそれに振り回されてはいけないと言っているのである。

更に、ダリオ氏は投資家初心者が陥りがちな失敗について語る。


ニュースに振り回されるだけでも悪いが、最悪なのは市場の反応に振り回されることだ。

最悪の考え方とは、「この資産はこれまで良いパフォーマンスを上げているから、この資産はこれからも良い投資なのだ」と考えることだ。価格がこれまで上がったというのは多分、より割高になったということだ。ある資産が途方もなく割高になり、それを理由にあなたがこれは素晴らしい投資対象だと考えるとすればどうだろう。過去に反応し、未来を考えないこと、それが個人投資家の最大の問題だ。

例えば、株が大きく上がったとしよう。あなたは「株式市場は素晴らしい投資対象だ」と考える。しかし価格が上昇し割高になるということは、将来のリターンが減少したということを意味する。逆に大きく下がった資産があったとすれば、価値が上がったことを意味するかもしれない。リターンを計算する方法を学ばなければならないということだ。

ダリオ氏は、個人投資家は機関投資家と真っ向から勝負するようなことをすべきではないと言う。しかし盲目的に株式などを単にホールドしておくことを推奨しているわけではない。「バランスの取れたポートフォリオ」は、その時の各資産の期待リターン次第で変化するからである。だから期待リターンを計算する方法を勉強し、かつ日々のニュースや値動きなどに惑わされないようにせよとダリオ氏は言っているのである。

ダリオ氏の助言は確かに正しく、有用である。しかし「正しく勉強し、かつニュースや値動きに動じない鉄の意志を持つ」ことが出来れば、その投資家は既に投資初心者ではなく、優れた投資家と言えるのではないか。二階に登るためのはしごは、残念ながらしばしば二階にあるものだということではないか。


(私のコメント)

レイ・ダリオ氏が言っていることはまさに至言であり、この言葉に異論を唱える人はまずいないだろう。しかし株式売買を続けていると、長期投資で始めても、あの株この株と株を買いたくなり、短期売買を繰り返すようになってしまった。証券会社のロビーに毎日のように陣取っていれば、自然とそうなってしまうのだ。

私自身の投資パターンは、何年も底値を這い回っているような株で、10年に一度くらい急騰する株を買うパターンであり、船株で儲けたことが始まりだ。底値の硬い株を大量に買って値上がりを待つ投資戦略であり、これは不思議にも不動産投資とよく似ている。

不動産投資も、初期に大量の資金が必要であり、10年から30年くらいは投資した物件で利益をあげていかなければならない。そこから入る賃貸料は株で言えば配当のようなものであり、私が不動産経営で成功したのも、船株で儲けた経験が生かされているのだろう。

私が株で失敗したのは、仕手株に手を出したからであり、ダイヤルQ2を聴きまくって情報を集めて投資したからであり、ダイヤルQ2は1分間で100円くらい取られて、毎日のように電話して、毎月数万円も電話代を支払ってしまった。儲けたのはダイヤルQ2でデタラメな情報を流した人であり、株より儲かったのではないだろうか。

現在の私は株から足を洗った形ですが、日本の株式は死んでしまったようだ。日銀やGPIFがあれだけ株を買っても株価の上がりはぱっとせず、逆に言えば配当利回りで買って行くには利回り3%以上もある株がゴロゴロある。去年のデーターで見ても以下のようにある。

1
8031
三井物産
3.73%

2
8053
住友商事
3.40%

3
7201
日産自動車
3.36%

4
5002
昭和シェル石油
3.33%

5
2131
アコーディア・ゴルフ
3.04%

6
9832
オートバックスセブン
3.04%

7
8411
みずほフィナンシャルグループ
3.02%

8
8001
伊藤忠商事
3.01%

いずれも時価総額1000億円以上であり、流動性は高くて、急に資金が必要になってもすぐに売れる株ばかりだ。銀行預金にしておくよりも株を買ったほうがはるかに利回りが高くて資産運用に向いている。資金が1000万円以上になったら不動産投資などを考えたほうがいいのでしょうが、1000万円以下なら株式投資が一番だ。

株をやっていれば、必然的に世界経済情勢を勉強しなければならず、世界各国の政治情勢にも詳しくなければ株式投資はできない。だから「株式日記」というブログでも、大して株とは関係がないように見えても、株の世界で生きていくには、政治経済外交などに強くなければならない。

ただプロのファンドと違うのは、素人は多くの銘柄に手を出してはならない。分散投資は必要だが、3面柄程度に留めておくべきだ。でなければ管理が難しい。3%以上の株で言えば、商社株と自動車株と銀行株に分けて買うことだろう。3銘柄程度なら値動きも簡単にチェックできる。

ネット化社会になって、株の世界で素人とプロの情報格差が無くなったと言われましたが、プロの投資ファンドはコンピューターを駆使して、超高速取引などで1円単位で儲けてしまう。一時期はデイトレーダーがもてはやされましたが、素人で成功することはほとんど不可能でしょう。

素人が勝つには長期投資しかなく、底値の大型株を買って配当狙いで数年かけて利益を確保して、万が一大きく値上がりすれば売って利益を確保する。つなぎで売って下げたら買い戻せば購入単価が下がっていく。これなら負けるはずはないのですが、どうしても仕手株に手を出してしまう。

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