株式日記と経済展望

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株価は上昇を続けている。この原因の一つが売り方の買戻しと思われる。経済コラムマガジン

2014年06月23日 | 株式

株価は上昇を続けている。この原因の一つが売り方の買戻しと思われる。
つまり株式市場でも踏み上げ相場が起っていると見られるのである。

 
踏み上げ相場?

最近、経済を巡って従来の常識では説明がつかない出来事や奇妙な現象がいくつも起っている。今週は、それらの中から特に筆者が関心を持ったものをいくつか取上げることにする。

先日、スペインの国債利回り、つまり長期金利が何と米国債の長期金利を下回った。欧州各国の長期金利が低下傾向であることは、14/6/2(第799号)「金利低下の背景」で取上げたばかりであった。わずか2年半前まで、スペインなど南欧諸国は財政破綻と騒がれ金利が高騰していた

スペインだけでなく、騒ぎの発端となったギリシャの長期金利も5%の後半まで低下している。3週間前、本誌で筆者は南欧諸国の金利がまだ低下すると予想したが、ここまで順調に低下するとは想いが及ばなかった。

この逆転現象は米国の金利が上昇したからではない。米国の方も今年1月の金融の量的緩和縮小開始の頃から低下している(3%程度から2.5〜2.6%程度まで低下)。つまり米国よりスペインの金利低下のスピードが大きく上回っているのである。

このように長期金利は、これまでの常識に反した動きを見せている。繰返すがスペインの財政状態が格段に良くなったわけではない。また米国も毎月量的緩和を100億ドルずつ削減している。それなのに両国の国債の利回りは揃って低下している(ただスペインの長期金利低下の速度が際立っている)。

米国国債の金利低下については、もっともらしい説明がある。米国は、景気回復によって税収が増え、新規の国債発行が減少しているという指摘である。つまり国債市場での需給が締って、国債価格が上昇しているという説明である。

しかしFRBの債券(米国債と住宅担保証券)の買上げ額が毎月100億ドルずつ減額されているのである。また1年半先には利上げが想定されている。この状況で10年物国債が買われ続けているのである。これを新規国債の発行減少だけで説明することは所詮無理がある。

米国債の金利低下には、もう一つカラ売りの買戻し説がある。今年1月から量的緩和が減額されることが分かっていた。したがって資金運用者は、当然、長期金利は上昇(つまり国債価格の下落)するという予想を前提に資金運用を行ってきた。したがって国債の現物や先物を売るといったスタンスである。

ところが一向に国債価格は下落しないのである。常識に沿った運用を行っている者達より大きな資金力を持つ運用主体が、売られた国債を全て買上げていたと思われる。したがって国債の売り方が、いつまでたっても国債が下落しないので痺れを切らして買戻しに走り、これが国債価格をさらに押上げるという結果になっている(つまり踏み上げ)。つまり買い方の勝利と売り方の敗北である。

これによく似た奇妙なことが株式市場でも起っている。米国の株価がこれまでの経験則(常識)に反し、6月になっても下落せず、逆に上昇を続けている。ほぼ毎年、6月のヘッジファンドの決算を睨み、5月頃から株価は下落していた(清算目的に株式が売られることに先回り)。ちなみに昨年は5月23日のバーナンキFRBの量的緩和終了を示唆する発言をきっかけに株価の下落が始まった。

ところが今年は6月ももう終わるのに株価は上昇を続けている。この原因の一つが売り方の買戻しと思われる。つまり株式市場でも踏み上げ相場が起っていると見られるのである。資金運用者が常識(5,6月は株価は下落するという常識)に沿って、カラ売りしたり先物を売ってきた。ところが一向に株価は下落せず、むしろ最高値を付ける始末である。

株価が上昇させるような有力な材料は見当たらない。むしろイラク状勢悪化による原油先物の上昇などの悪材料が出ているのに株価は上昇を続けている。なんとなく売り方はハメられているという状況である。6月もあと一週間である。また7月になればどうなるのか、日米とも債券市場と株式市場からは当分の間目が離せない。

世界中、低金利により運用難

筆者は、11/9/26(第679号)「世界的な「日本化」」などで相当前から世界経済が変質してきたと述べてきた。その背景に極端な金余りがあると筆者は指摘した。前段で取上げた債券市場と株式市場の奇妙な動きも世界的な金余りと関係していると筆者は考える。

ブラジルやロシアなど信用不安のある一部の国を除き、世界の長短金利は極端に低くなっている。まことに資金運用者(ファンドなど)にとって難しい時代になっている。しかも資金の運用難にもかかわらず、運用担当者には資金がどんどん集まってくるのである。また資金運用者同士の競争が一段と厳しくなっている。

したがって資金運用は、多少リスクがあっても高利回りが期待される方向に向かわざるを得ない状況に追い込まれている。昔から株式市場には鉄火場的、あるいはカジノ的な要素があった。しかし今日、債券市場もこの傾向が強まっている。今日の金融市場は、互いの資金運用者を食合うような状況になっていると考えれば良い。今は常識的な運用を行っている者が皆カモになっているのである。

市場関係者の声というものは昔からいい加減であった。さらに今日、従来の常識も怪しくなっているのである。ましてや日本の新古典派や財政学者の経済理論なんてまるでお呼びではない

ちなみに彼等は「日本の財政は最悪なのだから金利上昇は必至」「日本は高齢化で貯蓄が減り、将来、金利は上昇する」などと実にいい加減なことを何十年にも渡り言い続けている。彼等は、現実の経済から目を背け、時代遅れで役立たずになった昔の教科書だけを頼りに発言をしているのである。ところがこの種の言論が少なからず日本の経済政策を間違った方向に導いて来た(政治家や官僚もこの使い物にならない経済学を勉強してきたから)。デフレ下における今回の消費税増税もその一つである。

今日の株式市場は、鉄火場(カジノ)であり、ここではゼロサムゲームが行われている。しかも単なるゼロサムゲームではない。大手の投資家によって相場はほぼ操作されていると考えて良い。彼等は、株式の先物だけでなく、為替や原油相場をも使って株価操作していると疑われる。

このような魑魅魍魎が跋扈する株式市場に、素人の資金を誘導しよう(NISA・・少額投資非課税制度)とする日本政府の政策は異常である。また公的年金の運用成績を上げるためには株式運用に振向ける割合を大きくしようという声がある。しかし株式市場は鉄火場であり、ゼロサムゲームが行われているのである。高い運用が実現するには、一方で損をする者がいないと成立たないのが今日の株式市場でのゲームである。公的年金だけが高い運用成績を収めることができるという根拠を聞きたい。まさか公的年金が株価操作やインサイダー取引を行うつもりではないと思うが。

奇妙な話をもう一つ。「国債が暴落」するという本を昔から何回も日経新聞に載せていた怪しい著者が、また日経新聞に出版物の大きな広告を掲載している。11/8/29(第676号)「円相場の今後の動き」で取上げた「何々隆」氏である。この人物が「日本国債が暴落して金利が高騰する」と言い始めてから、逆に国債利回りは一貫して下がり続けている。

つまり現実は彼の言っていることと正反対の方向に動いている。これは一回だけでなく毎回のことである。どうもこの人物は読者の資金運用をアドバイスする立場にあるようだ。これらの本を買って、過去の予想が完全に外れた経緯や弁明まで調べようとは思わない。ただ「この人物は問題」と筆者はずっと思ってきた。

しかし筆者が一番奇妙に思うのは、日経新聞がこの種の怪しい本の広告を平気で掲載していることである(他の新聞はほとんど読まないので、この広告が掲載されているのか不明)。何ヶ月か前、何年間振りにこの広告を見た時、正直に言って筆者は驚いた。またこんな本を日経で宣伝し始めたのかと思った。

最初にこの広告を見た時、何かの手違いと思った。しかしそれ以降、ここ数カ月、同じ広告が掲載され続けているのである。これを見ると日経は全てを承知していると見られる。もっとも日経は、経済学者・財政学者や論説委員の同じレベルの文章で溢れているが。

あと2年で国債暴落、1ドル=250円に!!
(コメントより)
金利が1%上昇したら国債価格が半分になるって、
んなわけないじゃん。文系の俺でも分かるよ。
 
 
(私のコメント)

株の世界では中央銀行の政策に逆らえば負けるに決まっています。日銀が金融を引き締めれな株が下がり続けて、金融緩和すれば株は上がります。だから日銀の金融政策は株式相場を見ればわかります。これは資金需要が一定であればと言う条件が付きますが、バブル崩壊以降は資金需要が無く銀行は貸し手を探すのに苦労しています。しかも何らかの金利は稼がねばなりません。

その受け皿となるのが国債と株式です。昔は不況なのに株高と言う現象がありましたが、不況で資金需要が無く銀行は株を買うしかなかったから株価が上がった。日本のバブル崩壊で20年間も円高株安が続いたのも日銀が金融を引き締め基調で来たからであり、20年間も不況が続いたのも日銀の金融政策が間違っていたからだ。黒田日銀総裁になって初めて大胆な金融緩和を行いましたが、それで円安株高になった。

銀行は国債を日銀に売って現金を手元に置きましたが、融資先が無く再び国債を買うか米国債を買うか株を買うしかなくなった。株の利回りが国債の利回りよりもいいから株を買うのは当然の結果です。株を買えば株の配当利回りは4%にもなるのに国債は1%そこそこだ。だから利回り配当株を買うのが一番いい投資先となり、株価も上がれば投資利益も上がる。

例えば、あおぞら銀行の株を100万円買えば、配当利回りは4,4%になり44000円の配当が貰える。しかし定期預金にしていたらラーメン一杯でお終いだ。このように日銀が金融を緩和すれば状況が変わらない限り株式投資に回すのが常道でしたが、国民大衆は現金預金に固執して株式を買おうとはしません。

アメリカはFRBが国債の買い入れに踏み切りニューヨーク株式市場を新高値まで持っていきましたが、日本も日銀が金融緩和して株価の暴落を防ぐべきだった。私自身も株価暴落の直撃は受けませんでしたが、そろそろ政府日銀が金融緩和に踏み切る事を見越して株を買いはじめましたが、むしろ政府は銀行を潰す政策に踏み切り、銀行の持ち株を吐き出させる政策に踏み切ってしまった。だから私の読みが外れた。その結果日本は本格的なデフレ不況になってしまった。

「株式日記」は1997年から書き始めましたが、政府日銀の政策が間違っていることを訴えるために書き始めましたが、1997年11月11日に株式日記では次のように書いています。

「11月12日 とうとう日経ダウも最安値を切ってきました。先行して下げた低位株に鞘寄せされてきました。持ち合い解消ムードに乗って機関投資家は株を投げ売りしています。プロでなければならない機関投資家がこんな有様では株式相場は当分見込みがありません。日本人はリスクを取ることに臆病です。個人投資家も多くの預貯金を持ちながら0,5%の定期預金にしたまま動こうとしません。ここに低位で利回りの良い株をピックアップしてみました。1503住友石炭193円2,59%、7952河合楽器190円2,63%、5981東京製網189円2,65%、8835太平洋興発149円2,68%、9065山九176円2,84%、等はいかがでしょうか。千株ずつ分散して長期に持っていれば定期預金より良いと思いますが。」

1997年11月11日の株価と配当金利回り

1503 住友石炭  193円 2,59%、
7952 河合楽器  190円 2,63%、
5981 東京製網  189円 2,65%、
8835 太平洋興発 149円 2,68%、
9065 山九     176円 2,84%

2014年6月23日の株価と配当金利回り

1503 住友石炭  125円 0,00%
7952 河合楽器  208円 2,16%
5981 東京製網  162円 0,00%
8835 太平洋興発 102円 2,20%、
9065 山九     489円 1,84%

このように株価は17年前と変わり映えしませんが、会社は存続しており株式配当もしている。山久のように株価が倍増している株もあり、銀行の定期預金にしているよりも利回りは2%台と良い。{株式日記」と言う名のブログでありながら株の事は思い出した時にしか書きませんが、1997年当時あった株式サイトの多くは消えてしまった。

それどころか1997年当時あった証券会社の多くも消えてしまいましたが、証券マンたちは今頃どうしているのだろうか? 政府日銀の政策が間違えなければ多くの銀行や証券会社は救われたはずだ。1997年当時はまだ銀行も証券会社も生き残っていたのに、橋本龍太郎内閣の金融政策により銀行潰しが始まった。デフレ不況が本格化したのはこの頃からだ。

日本の財務省や日銀の官僚は、経済のことが分からず、頭は非常に優秀でも学校秀才であり教科書に書いてある事しか分からない連中だ。株式投資や不動産経営で現場で経済を見てきた人間は経済が生き物のようにわかりますが、財務官僚や日銀官僚は教科書に書いてない事が分からない。FRBのグリーンスパンなどは景気が悪くなるたびに金融を緩めてきた。

今も財務省のバカ役人たちは国債が暴落すると騒ぎ続けていますが、日銀が国債を全部買ってしまえば暴落のしようがない。日銀が1万円札をする原価はたったの2円だ。つまり1万円札1枚刷ると9998円の利益が出る。このような日銀などの中央銀行にヘッジファンドが空売りを仕掛けても勝てるはずがない。空売りを仕掛けたヘッジファンドは踏み上げられているのだ。


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