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世界中で大量の資金を長期に貸し出せるのは日本の金融機関だけ。一番に選ぶのが日本円なのだ

2017年04月27日 | 株式

世界中で大量の資金を長期に貸し出せるのは日本の金融機関だけ。
そんな彼らが調達する資金として、一番に選ぶのが日本円なのだ。


2017年4月27日 木曜日

世界中の投資家が、日本円を「調達通貨」として選ぶのはナゼ? 4月26日 高野やすのり

「比較的安全な資産として円が買われた」世界経済を揺るがす事態が起きる度に度に繰り返されるこのフレーズ。欧州の財政危機、イギリスのEU離脱、米国のシリア空爆、そして北朝鮮で緊張感が高まり、為替が円高になった時にも耳にした。

しかし、この言葉にどこか釈然としないものを感じる人も多いのではないか。

リスク回避で株が売られるのはわかるのだが、なぜ円が買われるのか。なにしろ日本は先進国でも最も借金が多い借金大国のはず。この一見矛盾した現象の背景にある金融市場の裏事情を、FX投資のストラテジストがわかりやすく解説する。

円は「調達通貨」である

「調達通貨」という言葉を聞いたことがあるだろうか。世界の投資家、特にヘッジファンドなどのアクティブな投資家達は、自らの資金をより効率的に運用するために、自己資金に加え、さまざまな形で資金調達をして投資をしている。そんな彼らが調達する資金として、一番に選ぶのが日本円なのだ。

彼らが日本円を選ぶ理由は、まずは低金利にある。90年代初めのバブル崩壊以降、日本円は常に世界最低水準の金利を維持している。ただそれだけであればスイス・フラン、ユーロなども現在はほぼゼロ金利、もしくはマイナス金利で同じではないか、という疑問が起こる。

そこで問題になるのは、それぞれの国の資金市場の流動性の豊富さ、金融システムの安定性、将来にわたる金利見通しになってくる。これら資金市場の流動性の豊富さ、金融システムの安定性という面では、日本はアメリカに次いで世界でも屈指の市場である上、政府の低金利志向の強さも加わって、円は、資金調達にうってつけの通貨なのだ。

世界の投資家は、円で資金調達(借り入れなど)するのだが、そのままでは日本国内の資産にしか投資できない。たとえば米株に投資するのであれば、ドルに両替する必要がある。ここで為替取引が生じ、円売り外貨買いが起こる。こういった投資の手法を「キャリー取引」と呼ぶが、実はこれがリスク選好時の円売りの正体の一つだ。

ひとたびリスク回避になった時にはこれと全く逆の動きとなる。投資を引き上げることを優先し、米株、ブラジル株、金、原油などを売り、ドルなどを受け取る。そしてその資金で調達した円を返済するため、ドルから円への交換、つまり円買いをする。この結果として円買いが進む。これがリスク回避の円高の大きな要因となる。

2008年のリーマンショック後の円高の多くの部分もこの動きで理解できるだろう。つまり、こういった経路のリスク回避の円買いは、新規の円買いではなく、売っていた円の買い戻しということだ。

外国人投資家による投資の手法とは?

世界的なリスク回避に伴う円高メカニズムは上記によるものだが、多くの投資家にとって一番の疑問は、日経平均株価が下落して、いかにも円売りになりそうなときに円が買われるということではないか。これにもちゃんと理由がある。

よく知られた事実だが、現在東証に上場されている株の時価総額ベースのうち約3割は外国人投資家が所有し、日々の取引代金の約6割を外国人投資家が占めている。この外国人比率の高さが、リスク回避の円高の鍵を握っている。

外国人投資家の代表であるアメリカの年金やヘッジファンドは、当然ドル資産がベースだ。日本株を買うときには、ドル資金を円に交換する必要がある。つまりドル売り円買いだ。ここまでを見れば外国人投資家が、日本株を買うときに円高が進むように見える。ところが実際にはそうなっていない。それには外人投資が日本株を買うときに行う「為替ヘッジ」という手法が関係している。

彼らはドルベースで運用を行っているので、ドルベースで利益を測る。ここで簡単な例を考えてみる。1ドル=100円の時に、1万円の日本株を1万株買う場合、投資金額は1万円×1万株=1億円で1億円=100万ドルの投資となる。その後日本株が思惑通り20%上昇したとすれば、持ち株の時価総額は1億2000万円となる。この時に為替が動いていなければ、1億2000万円=120万ドルとなって20万ドルの利益が上がる。

ところが1ドル=120円と円安になっていれば、1億2000万円÷120円=100万ドルとなって、株の利益が為替の損で打ち消されてしまい、外人投資家にとっての利回りはゼロとなる。そういった事態を防ぐため、90年代以降の日本株の値動きを見れば、輸出関連だけでなく、円安時に株高になりやすかった事もふまえて、外人投資家の多くは為替ヘッジを行って、為替変動のリスクを排除しようとしているのだ。

1%で5000億円

具体的には投資時にドル売り円買いを行う一方で、為替先物で同額のドル買い円売りの先物予約を行う。先ほどの例で言えば1億円の円売り(100ドルのドル買い)予約をする。その結果、投資時には為替市場で同額のドルと円の売り買い逆方向で発生することから、市場への影響は無くなる。

こうして1億円分の株を買うと同時に1億円の円売りポジションを作れば、株高になった時に円安になっても、円安での目減りを為替で相殺できる。

それでも、これだけでは日本株安と円高の関係は出てこない。実はこの為替ヘッジ、株を持っている間細かく調整をする。たとえば株価が上昇して、1億円の株の時価が1億1千万円になった時、当初ヘッジで持った為替ポジションは1億円分だけなので、1千万円分足りなくなってしまう。そこで追加の1千万円の円売り(=ドル買い)を行う。日本株が上がると、円安になる(ドル買い)理由だ。

一方、株が下落する局面ではこの反対の動きとなる。つまり1億円の株が下落して時価9000万円になってしまえば、当初作った1億円分の円売りを9000万円分にするために1000万円を買い戻す(=ドル売り)。この動きこそ日本株が下落した場合の円高の理由だ。ここでも株安時の円買いは円を買っているのではなく、買い戻しているに過ぎない。

東証上場株式の時価総額約580兆円の3割、約170兆円の外国人持ち株のすべてにこういったメカニズムが働いているわけではないが、たとえばその3割にあたる50兆円に対して、そういったメカニズムを通じて為替市場で資金が動けば、1%株価が上下するだけで5000億円もの売買が行われることになる。

さらにそうした行動が起こることを知っている多くの短期投資家が、その動きを先回りして為替の売り買いを行えばその影響は想像以上に大きなものになる。

ここまでご紹介したように、リスク回避=株安時の円買いは、基本的に空売りをしていた円の買い戻しであって、円を安全通貨と評価しての円買いではない。したがって、日本の財政問題や、国債発行残高がいくらになった、などという問題と直接の関係はないのだ。(後略)



(私のコメント)

世界の金融情勢の話になりますが、日本は世界に資金の供給源となっていることは、数年前にも書きましたが、世界で長期の資金を大量に貸せる金融機関は日本にしかない。しかもゼロ金利近くの超低金利で貸してくれる。そしてアメリカは利上げしてきている。

一時日銀がゼロ金利解除で利上げした時がありましたが、世界の株価が暴落した。もし日本が再びゼロ金利解除で利上げをすれば世界の株価が暴落するだろう。日銀が黒田バズーカで大量の円を供給してもインフレにならずにゼロ金利のままだ。一部はマイナス金利になっていますが、それほど日本の銀行は資金運用先に困っているほど資金は潤沢に持っている。

ヨーロッパの銀行はいつ倒産してもおかしくないほどだし、アメリカの銀行もリーマンショックで体力を落としている。自動車のサブプライム問題が表面化すれば第二のリーマンショックになるかもしれない。だから世界の投資ファンドは、レバレッジを上げるために日本の銀行から資金を借りて運用している。

だから一旦事が起きれば、世界の投資ファンドはリスク回避のために資金を引き揚げてドル売り円買いで円高になる。いくら日本の馬鹿な財務官僚が日本の財政破綻をマスコミに垂れ流していますが、世界一健全な財政だから日本の円が買われて信用があるのだ。1000兆円の国債といっても、日銀が半分位買っており、日本政府の資産が600兆円もあれば、財政破綻を言うのは馬鹿な財務官僚くらいだろう。

日本の株価が外人に動かされていることは売買高でもわかりますが、日本の証券会社はマトモなファンドマネージャーがいないから勝負にならない。日本の証券会社も年功序列社会だから馬鹿な証券マンほど出世して、有能な証券マンは外資系証券会社に移るか独立している。

私はそのような株の世界から足を洗いましたが、外人投資家はコンピューターを駆使してヘッジをかけながら勝負してくる。リーマンショックがパニックになったのは、そのようなヘッジ手段も吹き飛ばすほどの破壊力だったから多くのヘッジファンドが逝かれてしまった。

サブプライムローンの不良品を混ぜ込んだ証券化商品がみんな逝かれてしまったから、FRBがそれらを引き取って国家ぐるみの飛ばしをやった。しかし誰もそのことを指摘しない。だから外人投資ファンドマネージャーといえどもスーパーマンではなく、ダメな時はダメになる。最終的には資金力のある日本の金融機関が勝利者となるだろう。株の勝負でも資金力がある方が勝つのと同じだ。

日本になぜそれほどの潤沢な資金があるのだろうか。日本の金持ちや金持ち企業はリスクに敏感になりすぎて溜め込んでばかりいて投資をしないからだ。せめて米国債を円が80円の時に買っておけば120円にまで円安になったのだから、巨額な為替差益が稼げたはずだ。しかし日本の金融機関は安全な日本国債ばかり買っている。

アメリカのドルが利上げで、新興国からの資金を引き揚げる流れがある中で、日本は黒田バズーカで世界に資金を供給した。世界のファンドがドルではなく円で資金を調達するから円売りドル買いが起きる。日本株を買うときも彼らは為替ヘッジをかけてくるから、円高株安、円安株高といった相反する動きになる。

日本の株式投資家とすれば、それらの先読みをして外人ファンドの先手を打てばいい。株が安くなると見れば円を先回りして買い、株が高くなると見ればドルを買っておく。安倍内閣で株が高くなると見ればドルを80円で買っておけば、120円で利食いになった。

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