HANのブログ

アマチュア無線をやってます。アンテナ作成、真空管の無線機に興味があります。

3.5MHz-7MHz QRP真空管送信機を作りました。

2017-03-20 22:53:52 | 日記

6BM8 CW送信機製作記事があったので作ってみましたが、複合管のためシールドが難しく回り込みによる発振気味なので、改めて6AU6―12BY7Aの2ステージCW用送信機を作りました。

QRPのため実用性は少ないと思いますが発信回路、タンク回路などの実験しやすい構成で作りました。

 電源は以前作った物にグリッドバイアス用(-80V)を追加しました。

             

        バイアス用基板           バイアス用基板完成品

 

電源の仕様

無負荷時 DC 345VとDC 385V

負荷時(約40mA)DC 320VとDC 360V(約70mA)

安定化 DC 250V (約20mA)

バイアス用 -80V

ヒーター用 AC 6.3V 3A×2(直列にして12.6V)

 

電源部の回路図

 回路説明

単相全波整流、センタータップ型フィルタ回路にL1(5H)のチョークトランスを使用しています。

負荷電流が少ない(30mA前後)場合、1~3kΩくらいの抵抗で代替えできますが、負荷電流が多い場合、大きな消費電力の抵抗が必要となり現実的ではありません。

 例として、1KΩ 10Wの抵抗の場合、抵抗消費電力の余裕を2.5倍とすると...

10/2.5=4W   I=√W/R で...√4/1000=0.063A(63mA)で、発熱量が4Wで熱対策も必要と思います。

また、電圧降下が...E=I×R で...0.063 ×1000=63V になります。

 したがって、チョ-クトランスを使わない場合、C1を大容量にすることによりリップルを少なくするようです。

その場合必要に応じダイオードに保護抵抗を入れます。

 R1は電源を切った時、C1、C2の放電用で回路変更などの時感電防止と調整中に+B電圧が他回路に触れ、他の部品破損防止です。

 真空管時代、電源を切り平滑用コンデンサーをマイナスドライバーでショートし放電するのですが、一度放電してもしばらくすると電圧が復活し調整中に何度も感電しました。

当時の雑誌に、半田ごてにワニ口クリップを付けて放電する記事を見つけ、私も実践しました。

当時はニクロム線のヒーターで現在のセラミックヒーターでは保証の限りではありません。

当時のビスは頭がマイナス(現在は旧ネジと呼ばれています)でドライバーの角が放電で欠けていました。

 C1、C2の容量と抵抗値により放電時間が変わりますので、手持ちの抵抗を活用できます。 

+Bが380Vの場合、100KΩで...380/100000=0.0038A

消費電力(W)=I^2×R=0.0038^2×100000=1.44W(余裕をみて3W)

在庫に、100KΩ 1Wの抵抗があるので2本並列を2個直列にし100KΩ 4Wで使用しています。

真空管用電源では感電防止のため、必要と思います。

 電源トランス高圧出力にスイッチを入れ、電圧切り替えができます。

DC 250V(約20mA)の安定化電源を付けています。

ヒーターは、AC 6.3V と12.6Vが使えます。

 

 安定化電源回路図

ツエナーダイオード、RD43E×4+RD39E×2 (合計250V)にトランジスターで電流増幅し20~30mAの安定化電源にしました。

電流保護回路がありませんので、出力をショーすると壊れます。

(調整中に壊し、ツエナーダイオードとトランジスターを交換しました。)

ツエナーダイオードはZD43Eタイプ(500mW)なので、500/43=約11.6mA

安定動作は1/4とのことで、11.6/4=2.9mA

ツエナーダイオードに流す電流(IZ)=n(2~3倍)×2.9=3×2.9=8.7mA

前回、係数(n)を2で計算しましたが、3で計算してます。

 R1の計算

入力電圧が380V(H)の場合

R1=(入力電圧-出力電圧)/IZ=(380-250)/0.0087=14943Ω(14.943KΩ)

R1の消費電力(W)=I^2×R=0.0087^2×14943=1.13W(余裕をみて3W)

 入力電圧が340V(L)の場合

R1=(入力電圧-出力電圧)/IZ=(340-250)/0.0087=10345Ω(10.345KΩ)

R1の消費電力(W)=I^2×R=0.0087^2×10345=0.78W(余裕をみて2W)

 入力電圧が2種類あるため、条件の悪い380Vを採用しました。

在庫の68KΩ(1W)を5個並列+500Ω(1W)を2個直列で...

R1=68/5+0.5×2=14.6 KΩ(-343Ωですが...)

 出力電流を30mAとすると、2SC3262の消費電力(W)=(380-250)×0.03=3.9W

約、4W×αの放熱板でOKと思います。

 R2は100KΩで2.5mA流れますので...

R2の消費電力(W)=I^2×R=0.0025^2×100KΩ=0.625W(余裕をみて2W)

トランジスターと放熱板及び抵抗は在庫品を使用したので余裕ありすぎますが、

在庫品を活用することにより、安くできます。

注意点として入力電圧が変わるとツエナーダイオードに流れる電流が変わります。

電流を計算し、抵抗及びツエナーダイオード、トランシスターの消費電力を計算することにより、応用できると思います。

 

グリットバイアス用電源

ネットのオリジナル回路通り作ると交流250Vを半波整流し47KΩの抵抗で分圧して平滑用電解コンデンサーを付け出力は約DC 80V でした。

ダイオードの後に平滑用電解コンデンサーを付け1/2に分圧すると...

250V×√2/2=約175V になりますが半波整流して分圧すると低くなることを知りました。

 

 

   

       安定化電源部                  電源部

 

3.5MHz~7MHz 6BM8送信機

6BM8 は複合管のため入出力のシールドが難しく回り込みによる発振気味でも有り、また球内のシールドが5極管のカソードに接続されているため、カソードキーイングが難しく後日7MHz AM 送信機でチャレンジしたいと思っています。

電信用にするためには、グリットバイアスキーイングでなければトラブリそうです。

 

6BM8 送信機回路図

回路について。

プリント基板で作りました。

 

ほとんどオリジナル回路と同じですが、在庫の部品を使ったため、多少違っています。発振部は3極管無調整回路で出力は抵抗(R2 100KΩ 1W)または、RFCが使われます。

三極管には約、Ep=約100V  Ip=約2mA

C1は在庫のマイカーコンデンサー(3 3pF 50V)を使いましたが50pFでも問題なく動作しました。

(発振の強度、周波数微調整用で大きすぎると周波数が不安定になります。)

C2はセラミックコンデンサー(0.001~0.005μF 500V)で大きすぎると水晶が発熱し破損する場合があります。(私の主観ですが...)

C3は、マイカーコンデンサー(500pF 500V)を使いましたが、写真の積層セラミックコンデンサーでも動作しました。

5極管の電圧が高いためか電流が流れすぎるため、スクリーングリッド抵抗(R6)を33KΩに変更し、カソ-ド抵抗(R4) 100Ωを追加し真空管を保護ました。

パラ止めは、100Ω 1W に0.8mmのメッキ線を浮かして4回巻きました。

R4に流れる電流は3.5MHzで0.5mA Ip=25mA Po=4.5W、7MHzで0.28mAで、Ip=26mA Po=4.5Wでした。(Ep=320V Esg=138V)

(回路図では+B電圧が300Vになっていますが、実際の電圧は320Vです。)

 

πマッチ回路

Zp=0.5×Ep/Ip (係数=0.5)Zp=0.5×320/0.025=6400Ω ですが...

Ep=300V Ip=25mA Zp=6000Ω Q=15で計算しました。

(計算式は、12BY7A CW 送信機に記載しています。)

VC1(XC)=400.0Ω VC2(XC)=53.2Ω L1(XL)=423.2Ω

 

VC1、VC2を簡易計算で、C(pF)=159000/(XC×f(MHz))

L1を簡易計算で、L(μH)=(0.159×XL)/f(MHz)

3.5MHz

VC1(pF)=159000/(400×3.5)=約114pF

VC2(pF)=159000/(53.2×3.5)=約854pF

L(μH)=(0.159×423.2)/3.5=約19.24μH

 

7MHz

VC1(pF)=159000/(400×7)=約57pF

VC2(pF)=159000/(53.2×7)=約427pF

L(μH)=(0.159×423.2)/7=約9.62μH  

VC1、VC2 の耐圧...E(実効値)=√R×W(最大値は、1.4倍)PO=5Wで計算。

VC1の耐圧(最大値)=(√6000×5)×1.4=242.5V

VC2の耐圧(最大値)=(√50×5)×1.4=22.2V

(最低の電圧で安全を考え高めの電圧のバリコンが必要です。)

計算式の周波数を変えることにより他の周波数に応用できますが、28MHzではVC1の容量が14pFとなります。

出力管の出力容量+配線容量が加わりますので、何らかの工夫が必要になります。

 

L1の製作

在庫のトロイダルコア、T80-2に0.6mmポリウレタン線(または、エナメル線)を巻きました。

3.5MHzで19.24μHの場合、目的巻き数=100×√19.24/55=59.15=60回

(線が太く重なっている部分もありますが、動作しました。)

7MHzで9.62μHの場合、目的巻き数=100×√9.62/55=41.82=42回

テストのため、9ピンオスを加工し交換できるようにしています。(写真参考)

  

 右から、3.5MHz用 7MHz用 7MHz用(12BY7A用で、T-50 #2) 

 

3.5MHz...Ep=320V  Ip=25mA  Po=約4.5W

7MHZ... Ep=320V  Ip=25mA  Po=約4.5W

試作を兼ね動作確認のため、L1の細かい調整は行っていません。

 

12BY7A CW 送信機回路図

 

 

       

 6BM8-TX同様、プリント基板で作りました。

回路について。

6AU6 の無調整回路で出力部分に、RFC2 (2mH 60mA) を使っています。

発信回路部には、6BA6、6BD6、6BZ6、6CB6、6DK6がそのまま差し替えられます。

C1~C3は807送信機と同じです。

R1 (47KΩ 1/4W) は他の回路図を参考にしました。

R2 (47KΩ 1/2W ) で出力調整ができますが測定の結果、Isg=2mA Esg=153VでIp=5mA Ep=250V で終段管をドライブしています。

C4 (250pF 500V) はマイカーコンデンサーですが、積層セラミックでも同じように動作しました。

(RFC2をL・C回路にし24MHzあたりまで拡張の予定で少な目にしました。)

R3 (47KΩ 1/4W) に、3.5MHzで0.4mA、7MHzで0.12mA流れました。

7MHz の場合、12BY7AのEcg=47000×0.12=5.6V(実効値)...

最大値は、5.6×1.4=7.6Vです。

12BY7A C級動作のデータがないので確認のみです。

R5 (100Ω 1/4W) は12BY7A の電流保護とC6 (0.1μF 50V)でキークリックフィルターを構成していますが、正式には調整が必要です。

パラ止めは、100Ω 1W に0.8mmのメッキ線を浮かして4回巻きました。

R6は20KΩ 2W で、Isg=5mA Esg=220V になりました。

C5(0.001μF 1000V)はマイカーコンデンサーを使っています。

万が一ショートした場合、+B (320V)がアンテナ端子に流れるので信頼性のある部品を使いたいものです。

 

 πマッチ回路

Ep=320V Ip=20mA ZP=8000Ω Qは、12~15でQ=15で計算しました。

ZP=0.5×Ep/Ip (係数=0.5)ZP=0.5×320/0.02=8000Ω  

出力インピダンス(ZL)=50Ωで計算。

 

VC1(XC)=ZP/Q=8000/15=533.3Ω

 

VC2(XC)=ZL×√(ZP/ZL)/(Q^2+1-(ZP/ZL))

        =50×√(8000/50)/(15^2+1-(8000/50))

        =50×√160/66=77.8Ω

 

L1(XL)=((Q×ZP+(ZP×ZL)/VC2(XC)))/(Q^2+1)

      =((15×8000+((8000×50)/77.8))/(15^2+1)

      =(120000+5141)/226=553.7Ω

 

計算式は、

CQ出版社1992 ダイナミック・ハムシリーズ14

リニアアンプ・スタイルブック  編集者 根日屋英之 様 

を参考にしました。

 

VC1(XC)=533.3Ω    VC2(XC)=77.8Ω    L1(XL)=553.7Ω

VC1、VC2を簡易計算で、C(pF)=159000/(XC×f(MHz))

L1を簡易計算で、L(μH)=(0.159×XL)/f(MHz)

3.5MHz

VC1(pF)=159000/(533.3×3.5)=約85pF

VC2(pF)=159000/(77.8×3.5)=約584pF

L1(μH)=(0.159×553.7)/3.5=約25.18μH

7MHz

VC1(pF)=159000/(533.3×7)=約43pF

VC2(pF)=159000/(77.8×7)=約292pF

L1(μH)=(0.159×553.7)/7=約12.59μH 

 

VC1、VC2 の耐圧...E(実効値)=√R×W(最大値は、1.4倍)PO=4Wで計算

VC1の耐圧(最大値)=(√8000×4)×1.4=250.4V

VC2の耐圧(最大値)=(√50×4)×1.4=19.8V

(最低の電圧で安全を考え高めの電圧のバリコンが必要です。)

計算式の周波数を変えることにより他の周波数に応用できますが、21MHzではVC1の容量が14pFとなります。

出力管の出力容量+配線容量が加わりますので、何らかの工夫が必要になります。

 

L1の製作

6BM8の送信機で使ったコイルを使用しました。

確認のため、7MHzのみT50-2に0.35mmポリウレタン線(または、エナメル線)を巻きました。

7MHzで12.59μHの場合、目的巻き数=100×√12.59/50=51.18=51回

使用して出力の差は確認できませんでしたが、小型で細い線のためか発熱があり後日

一つ上のT-68 #2でテストしたいと思います。(写真参照)

 

 右から、T-80 # 2   T-50 # 2

 

  使用したコンデンサー

右から、マイカーコンデンサー(C5)  (C4)  積層セラミック(C4)  シルバードマイカー(C2、C3)

左側が、パスコンに使った積層セラミック(0.01μF 1000V)

 

  回路に使ったRFC

右から、RFC3(2.5mH 100mA)  RFC2(2mH 約60mA)  RFC1(470μH 約20mA) 

 

3.5MHz...Ep=320V  Ip=20mA  Po=約3.8W

7MHZ... Ep=320V  Ip=21mA  Po=約3.8W

 

    12BY7A送信機テスト中

 

計算ミス、その他間違いがあるかもしれませんので、参考程度にして自己責任でお願いします。

 

 

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