かりんとうの小部屋Z

このブログでは趣味や仕事や生活について、まったりと語っています。

コロナ

2020年03月31日 22時20分20秒 | BOOK
武者小路実篤の小説に「愛と死」というのがある。
この小説では元気はつらつな恋人がスペイン風邪で
一瞬で死んでしまう。
本を読んだときは「こんな簡単に死ぬのかね」と思ったが
実際そうであることがコロナでよくわかった。

GW

2019年04月30日 23時43分27秒 | BOOK
何をしているかというと、
ずっと五等分の花嫁を読んでます!
面白すぎる。
なんだこれ。
こういう「人と人が出会って人間が変わっていく」
みたいなストーリー大好きなんですよね。私はギャルゲー好きですが、好きな理由はそこなんですよね。恋愛したいというより、人間成長の話が見たい。
現実はうまく行かないし、後悔も多い。教室で暗い顔してた子に声なんてかけられなかったし、不登校の子を立ち直らせるなんてできなかった。だからこそ物語にそれを求める。
今9巻まで出ていますが、それぞれに変わっていってる。多分三玖なんかは、最終的には風太郎を乗り越えて行ってしまうかもしれないな。
物語も折り返しを過ぎたとのこと。無事に完走できることをファンとして祈っています!
また最終回後にレビューを書きたいと思います。
とりあえず現時点での花嫁予想は、5、3、1、2、4ということで…。
個人的には一花が好きなんですが、だんだん闇落ちしてきてるので心配。
三玖はさっきも書いたとおり、風太郎を卒業していくのかなと。
五月はまあ正ヒロイン枠だから。来ても驚かない。
一番面白いのはニ乃エンド。期待するけどなさそう。
四葉はどうなんだろね。勝てる要素がないな。

五匹の子豚

2019年03月09日 15時06分31秒 | BOOK
ポアロに過去の事件を調べてほしいと依頼がくる。 依頼者カーラの母は父を殺し、獄中で死んだ。 16年前の事件の真相がいま明らかになる! という感じで、過去の関係者から丁寧に話を聞いて推理 していく話。クリスティ版「藪の中」。 人間ていうのは、見る人によって、いい人間だったりそうでなかったりする。ある人にとっては美しく見え、またある人にとっては醜悪に見えたりする。完全な善もいないし悪もいない。
ただ光の加減によって見え方が違うだけなのだ。事件もまた同じ。 犯人も表面とは裏腹な心を持っていた。 そして過去の悲しい出来事は、すべて抒情の中へ消えてゆく。 読んだ後、「ああ、人生って…」と深くため息をつかずにいられなかった。 美しいミステリー。

生ける屍の結末――「黒子のバスケ」脅迫事件の全真相

2019年02月09日 19時35分40秒 | BOOK
黒子のバスケ事件の犯人、渡邊被告の本。 犯行時の様子から、生い立ち、半生。

渡邊被告というと、逮捕時に連行される際、カメラに 向かって気味の悪い笑顔を向けている姿が印象的で、 それによりただの愉快犯であるようなイメージがある。

しかしこの本を読むとそんなイメージが覆る。 彼は毒親に育てられ、学校ではいじめを受け、何の希望を 抱くことも、努力をすることもできなくなってしまった。

その中でも特に「バスケ」「上智大学」「マンガ」は彼が叶えられなかったものの象徴であり、毀損しなければならないものだったのだ。
(「バスケ」は、小学校時代に部活に誘われたが、入らなかった。また、彼をいじめていたHはバスケ部の花 形だった。「上智大学」は、彼が学歴詐称する際に使った大学。「マンガ」は、彼は2度アニメの専門学 校に通った。)

たまたまその3つを持っていたのが、黒子のバスケの作者藤巻忠俊氏だった。
彼にとって黒子のバスケは、見えない亡霊のようなもの。自分の醜さを浮き彫りにし、人生を迫ってくるものだった。
「消さなければならない」と思っただろう。消さないといつまでも自分を追いかけてきて、自分を「殺そう」とするのだから。
そして彼は犯行に及んだ…。


とても読み応えのある本だと思います。彼は自分の犯罪が威力業務妨害にとどまり、殺人にいたらなったことを「運がよかった」だけだと言っていますが、私はそう思いません。
彼は放火も計画していますが結局やっていないし、毒入りウエハースの件でも人が死なないようにしています。もし渡邊被告が逮捕されず、犯罪が繰り返されても、殺人は起こらなかったのではないでしょうか。彼の中のかすかな良心?がそうさせたのだと信じたいです。そしてそれが秋葉原の加藤被告との決定的な差になっています。願わくば出所後自殺などせず、生きなおしてほしいです。

勉強できる子 卑屈化社会

2019年01月03日 15時41分19秒 | BOOK
秀才でもダメなやつ、という呪いに気づく 『勉強できる子 卑屈化社会』に見る日本人の偏見とは

勉強ばかりして子どもらしくない。社会に出たら勉強なんて役に立たない――日本の「勉強できる子」には、こんな呪いの言葉が降り注ぐ。最近テレビ番組で東大生をよく見るが、彼らが(学力が低いことを公表している芸能人と討論等をしたあと)最終的に「いくら学力が高くても手に入れられない何か=愛情、友情、人間味、コミュニケーション能力等」を持ち合わせていないと指摘される役割を担わされていることからも、この呪いの持続性は高いと考えられる。

著者は「勉強できる子」の周辺地図を丁寧に解説していく。現状を分析するだけでなく、教育の歴史を振り返り、国際的な目線で他国と日本を比較し、最終的には著者なりの「勉強できる子」用の処世術を提示する。あることができるがゆえの悩みなんて贅沢だと言われそうだが、人間の感情は相対評価ではなく絶対評価だ。「こちらの立場のほうが辛い」「こちらの立場で悩んでいる人のほうが多い」なんて比較は意味がない。悩んでいるその人が辛いと感じたら、それは百%、きちんと辛いのだ。そんな真っ当な主張さえ許されないような場所に佇む人に、この本は優しく寄り添う。

印象的なのは、「勉強ができる」とは「足が速い」「絶対音感がある」と同じく、人格の一部ではなく才能の一つであるという指摘だ。学園ドラマに出てくる秀才は嫌なヤツとして描かれることが多いが、そいつは学力関係なく嫌なヤツなのだ。同様に、足が速いから元気で明るい、という論も成り立たない。そう考えると、このような呪いは「勉強できる子」以外にも、さらに言えば大人になった私たちにも降り注いでいることに気づかされる。

恋愛そっちのけで白球を追いかけた元高校球児と、女性経験のない東大生。彼らを同じように「自らの才能を追求した者たち」と捉えられる自分に出会うことは、この世界に降り注いでいるあらゆる呪いを解くことにも繋がるのだ。

評者:朝井 リョウ
(週刊文春 2017.2.9号掲載)


勉強頑張っていい大学入るのと、スポーツ頑張って賞もらうのって、頑張りレベルは同じ。のはずなのに、勉強は「勉強ばっかりしてきたの?さみしい学生生活だね。他に何ができるの?」といわれ、スポーツは「おおすごい!素晴らしい青春だね~。きっとモテるね~!ほかのこともできそう!」と言われる。

勉強好きは世間から冷たい目で見られ、だんだん卑屈になり、最後には凡人化する。
勉強は楽しいからしてたんだけど! 読書も同じ!卑屈になる必要ないよね!堂々と読もう!

ポニーテール

2019年01月03日 15時30分42秒 | BOOK
再婚同士の家族の物語。

姉「マキ」がかなり面倒な奴。わからないかもしれないが、アニメ「花咲くいろは」の「みんち」みたいな奴。何を言ってもつんつんしてて家族とも友達ともあまり打ち解けない。(でもそこが魅力です。)

妹「フミ」は空気読みまくりで周りに気をつかってしまう女の子。

ぎこちない家族が本当の家族になっていく過程が、「フミ」の髪の伸びと重なる。
「髪は一か月に一センチ伸びる」という作中の言葉は、そっくりこの家族の仲にあてはめられる。
戸惑いながらも、ゆっくりと家族になっていく。

また、舞台装置としての、猫「ゴエモン二世」の役割もなかなか。後半クリスマスの所から語りの口調が変わるが、
なるほどと思わせる。

フミのなくなったお母さんの思いに、不覚にもほろりと涙が流れました。

名作だと思います。

アニメーションの色職人

2018年10月08日 18時38分36秒 | BOOK
ジブリで色彩設計の仕事をしていた保田道世さんについての本。

宮崎、高畑両氏の同志であり、ジブリ作品の陰の功労者といえる。
その仕事ぶりは両氏につぐものといえる。まさにアニメ界の巨人。

アニメ黎明期から始まって、ハイジ、コナン、赤毛のアン…
それからアニメ映画。
その人生のすべてが日本アニメの歴史といえる。
この人がいなければ日本のアニメは違ったものになっていたかもしれない。

そんな彼女、最初からアニメ会社志望というわけではなく、たまたま東映動画に受かったというのが面白い。
アニメのことなど知らない彼女が、いつのまにかプロ中のプロになっていた。その軌跡が何ともいい。

この本が書かれた1997年はちょうどデジタルへの過渡期であり、その苦悩が 伺える。

仕事人の本としても、アニメ史、ジブリ史の本としても読める。
ずっと手元に置いておきたい本。


ひとりでは生きられないのも芸のうち

2018年09月29日 10時14分49秒 | BOOK
自立は「その人なしでは生きてゆけない人」の数を増やすことによって達成される。僕はそう書きました。 「その人なしでは生きてゆけない人」に対して、僕たちは必ずや「あなたにはこれからもずっとずっと健康で幸福でいてもらいたい」と祈ります。 その予祝の言葉に対しては必ず同じく祝福の言葉が返される。 予祝に対しては予祝を以て応じなければならない。 「おはようございます」に対しては「おはようございます」と返礼することが義務づけられている(この義務を怠るものにはきびしい社会的制裁が待ち受けています)。 それと同じように、「あなたなしでは生きてゆくことができません。あなたの末永い健康と幸福を私は切に願います」という予祝の言葉に対しても、それと同文の言葉を返すことが人類学的には義務づけられています。

ナイチンゲール 神話と真実

2018年09月05日 22時08分09秒 | BOOK
今まで持っていたナイチンゲール像が打ち砕かれた。
みんなが知っているナイチンゲールは実は作られた虚像だったのだ!

まず性格。天使のように優しい女性を想像しますよね。
子供向け伝記などは全部そう書かれています。
しかし実際は、賢くて(自分が賢いと知っていて)、他人が間違っていれば鋭く指摘したり、自分が正しいと思っていることを強く主張したりする女性だったようだ。

その性格は父から教育によって与えられたもので、父はナイチンゲールを立派な人間にしようと努力した。しかし19世紀の女性としてはかなり逸脱していたことも間違いない。実際母や姉とは折り合いが悪かったようだ。
姉(パーセノピ)が友達に宛てた手紙には、『妹はいわゆる慈悲心とか博愛精神などは、ほとんど、あるいはまったく持ち合わせていないと思います。妹は野心家-とびきりの-で、世直しがしたいのです。大いなる一撃を下すか、あるいは何か素晴らしい施設をつくって。それは博愛などとはまったく関係ありません。』と書かれており、強い性格が垣間見える。

クリミア戦争の野戦病院に行ったのも、看護師としての使命感や人助けからではなく、姉の手紙にあるように、自分の理想を叶えるための行為だったのだ。


スクタリ野戦病院での看護は、その行為、存在が「クリミアの天使」と呼ばれるまで賞賛されたが、実は大失敗であったようです。他の病院にくらべ、スクタリの死亡率はかなり高かった。

戦地から戻ったナイチンゲールは国の責任を告発しようと、病院での出来事を統計的にまとめようとした。そして結論として、病院で最も罪深かったのは自分自身だと気づく…。

そこから第二の人生が始まる。

みたいな本です。

ぜひご一読を!

聲の形 漫画版でかんがえたこと

2018年08月26日 17時34分36秒 | BOOK
植野大好きです。でも実際いたら多分大嫌い。

聲の形がハッピーエンドで本当によかった。将也が死ぬエンドも考えられてたみたいだが。現実社会ではいじめはなくならないし、不登校児はひきこもったままだ。私の学校でもそうだった。

小6でいじめられてた女の子は中学卒業までひきずってた。
中1のクラスで不登校だったわたなべさんは結局3年間1日も学校に来られなかった。
高校で友達もなく生き方に悩んでいたスズキ君は19歳で自殺した。

誰もが変える力を持ちながら、誰も何も変えられなかった。今になって「ああ、あの子かわいそうだったな、手を差し伸べてあげたかったな」と心から思う。でももう遅い。

聲の形では何とか苦しみながらもそれぞれが解決の道を探った。それは私にとってひとつの慰めだった。私が叶えられなった思いをかわりに成し遂げてくれた。聲の形の物語を通して過去の後悔を消化できた気がする。そしてこれから、誰か苦しんでいる人がいたら、手を差し伸べることができるかもしれない。

今苦しんでいる人には、例えば戦隊物を見てヒーローにあこがれるように、聲の形の結末にあこがれてほしいとおもう。物事は解決できるし、人と人とはわかりあえることができる。いじめも不登校も解決できるといいなあ。