魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

「中世神話」と民俗信仰のかかわりについて(3)

2017年07月22日 | 民俗学探究
「中世神話」と民俗信仰のかかわりについて(2)からの続き

その鎌倉時代に、本地垂迹説に対抗し、日本の神の方が主体であり、
仏は従とする神主仏従説の反本地垂迹説が登場して来た。

伊勢外宮の祠官であった渡会氏によって
創唱され中世神話を経典とした伊勢神道がそれである。

伊勢神道は、仏教的説明をさけ道家や儒家の思想に依拠しながら
伊勢の外宮の主祭神である豊受大神を天御中主神もしくは
国常立尊と同一であるとし、外宮の権威を高める事も中世神話を通して、
信仰の展開を進めて行くのである。

伊勢神道は、南北長時代に吉野朝(南朝)の重鎮、
北畠親房に多大な影響を与え、神皇正統記をはじめ数々の書(中世神話)を
親房の手により著わされていった。

室町時代末期になると、
伊勢神道に替わって、更に明確に神主仏従の反本地垂迹説の立場に
立つ神本仏跡説を唱える神道が出現した。

京都吉田神社の示司官・卜部吉田兼惧により創唱された吉田神道がそれである。

吉田神道は、自身の中世神話を基に日本固有の惟神の道を主張し、
天照大神、天児屋根命から直伝、相承した絶対本質的な神道の意から、
元本宗源神道、唯一宗源神道(唯一)などとも云う卜部神道を生み出し、
吉田家に伝わる神道こそ天地開闢以来唯一伝わるところの、
正統で、かつ全ての宗教の本源としての道であると称したのである。

「中世神話」と民俗信仰のかかわりについて(4)へつづく

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