蔵書目録

明治・大正・昭和:来日舞踊家、音楽教育家、来日音楽家、音譜・楽器目録、士官教育、軍内対立、医学教育、林彪、北京之春 

「ヂンバリスト氏大演奏会曲目」 東京・京都 (1922.5)

2011年07月30日 | 来日ヴァイオリニスト
 表紙には、「ヂンバリスト氏大演奏会曲目 〔大正十一年:一九二二年〕 五月 一日(月曜日) 二日(火曜日) 三日(水曜日) 四日(木曜日) 五日(金曜日) 毎夜七時開演 帝国劇場  御入場料・特等十五円・一等十三円・二等金八円・三等金四円・四等金二円 」とある。二つ折れ、14.8センチ。

      

 楽聖ヂンバリスト氏招聘に就て 
                         帝国劇場専務取締役 山本久三郎氏談

 例へば輸奐を極めた帝劇といふ一大殿堂も沢山な松杙棒や割栗石やが地下に潜んで其の基礎を成して居るやうに、我音楽界も亦私共が盛んに杙や石を打込んで基礎を築かねばならぬ、と、斯やうに私は常に考て居るのであります。曩にエルマン氏やシューマン・ハインク女史を迎えましたのも、今回ヂンバリスト氏に来て戴いたことも、皆んな我音楽界の建設工事に必要欠く可らざる大杙棒であり大礎石であると信ずるのであります。
 ヂンバリスト氏はクライスラー、ハイフェッツ、エルマン及びクベリックの四氏と共に現世界に於ける最も傑出したところの大提琴家である事は夙に諸賢の御承知の事でありますが、氏の芸術はハイフェッツのやうに華やかな処はありませぬが所謂渋味に於て優つて居るのであります、尚ほ其上にもヂンバリスト氏は可成り勝れた作曲家で又此等天才中稀れに見る人格者です、其の幽玄にして神秘的な大芸術と崇高な大人格とは、現夫人である一代の名歌手アルマ・グルック女史を魅了し、遂に彼女の熱烈な恋の対象となった事に依って氏の非凡さが窺はれるのであります。
 私は万障を排して此の楽聖を多忙なアメリカ楽壇から迎へました、朝野有識の士が斯かる巨星の来遊に就いて如何なる用意を持つて居られるか政治界や経済界の名流の来朝に際しては驚く程忠実な方々も、楽界の名士に対しては聊か礼を失する誹りがないでもないのは洵に遺憾に存じます。然し乍ら今夕御来聴の諸賢は芸術の理解者である、取りも直さずヂンバリスト氏の知己である、せめては諸賢に於て心ゆくまで其の絶技に触れ、急霞の如き大拍手を浴せて遠来の労を謝していただきたいのでありますそしてエルマン氏の如くシューマン・ハインク女史の如く、日本及び日本人の文化を氏を通じて欧米人士に宣伝せしむる事は国家の為め一大慶事であらねばなりませぬ。
 楽聖エフレム・ヂンバリスト氏を迎へて、茲に聊か所感を述ぶる次第であります。(文責は筆者杉浦善三に在り)

  

 ヂンバリスト氏演奏曲目 (第二日、五月二日)

 A ソナタ(ほ調) ヘンデル
 B コンチェルト  メンデルズゾオン
     アルレグロ、モルト、アッパシュナート
     アンダンテ
     アルレグロ、モルト、ビバーチェ
     
     -(休憩時間、十五分)-

 A ミュゼット ラモウ
 B ビバゼ ハイドン…アウワア編
 C プレイエラ サラサーテ
 D ザパデアート サラサーテ

     -(休憩時間、十五分)-

   ファウスト幻想曲 グノー…ウイニアウスキー

         (伴奏者グレゴリイ、アッシュマン氏)

  

 表紙には、「ヂンバリスト 〔EFREM ZIMBALIST〕 氏大演奏曲目 〔大正十一年:一九二二年〕 五月十七日(水曜)十八日(木曜) 京都岡崎市公会堂に於て 主催 京都フイルハーモニーソサイエテイー 後援 大阪毎日新聞社京都支局」とある。二つ折れ、14.8センチ。  

 五月十七日演奏曲目    

  第一部  

 1. コンチエルト ‥‥ アントニオ・ビバルデイ 
 2. 西班牙交響曲 ‥‥ ラロー     
     アレグロ       
       ラルゴー         
         プレスト    

  第二部  

 1. a) ロマンザ アンダルウザ ‥‥ サラサーテ  
   b) ホルタ ナヴアラ ‥‥ サラサーテ 
 2. a) プレスリード ‥‥ ヴグナー  
   b) サムプロンツ ‥‥ トア アウリン    
    チゴイネル  ‥‥ ワイゼン(サラサーテ編)  

 五月十八日演奏曲目    

   第一部  

 1. ソナータ ‥‥ パガニーニ 
 2. ローマンス ‥‥ ヴエトウーベン 
 3. タンボリンとサイノア ‥‥ クライスラー 
 4. ハンガリアン・ダンチ ‥‥ ブラムス    

  第二部  

 1. アンダンテ カンタービル ‥‥ チヤイコフチキー 
 2. カルメン「幻想曲」 ‥‥ サラサーテ  
   シャコンヌ(無伴奏独奏) ‥‥ バツハ  

裏表紙は、「高島屋呉服店」の広告で、「音楽演奏 毎日曜日弊店食堂に於て」などの文もある。

 

 表紙には、「ヂンバリスト氏送別大演奏会曲目 帝国劇場 御入場料・特等 金十五円・一等 金十三円・二等 金八円・三等 金四円・四等 金二円 大正十一年 〔一九二二年〕 五月 十九日(金) 二十日(土) 二十一日(日) 毎日一時半開演」とある。
 
 楽聖ヂンバリスト氏招聘に就て  帝国劇場専務取締役 山本久三郎氏談 〔省略〕

  ヂムバリスト氏演奏曲目 (第二日、五月二十日)

 一、甲、古き形式に拠る組曲 ‥‥ヂムバリスト作曲
       プレリュード 
       シシリアンヌ 
       メヌエット 
       ラルゴ 
       フィナーレ
    乙、クロイツェルソナタ   ‥‥ベートーヱ゛ン 〔ベートーヴェン〕 作曲
          休憩十五分
 二、甲、アダーヂョとフーガ  ‥‥バッハ作曲
         (無伴奏)
    乙、ハヴァネーズ   ‥‥サン-サアンス作曲
    丙、レヂェンド     ‥‥ウィーニアフスキー作曲
    丁、マヅルカ     ‥‥ウィーニアフスキー作曲
          休憩十五分
 三、甲、セレナード メランコリック  ‥‥チャイコフスキー作曲
    乙、カブリス ドゥパガニーニ   ‥‥アウエル作曲

   

  

 上の写真は、『歴史写真』 第百八号 大正十一年七月 に掲載された。

 初夏の明るき花園にヂムバリスト氏の送別会   文壇楽壇の諸家が千駄ヶ谷なる三島子邸に於て

 三島章道、土方與志、近衛秀麿、山田耕作、徳田秋声其他文壇、楽壇等の重なる人々五十余名は大正十一年五月二十二日の正午過ぎより東京千駄ヶ谷なる三島子爵邸に来朝中の世界的音楽家ヂムバリスト氏及び伴奏家アシュマン氏を招きて送別の茶話会を催した。奥の広間に於ける歓談に時の移るをも忘れたる人々は軈(やが)て薔薇、芍薬の咲き誇れる花ぞのの一隅に設けられた楽焼場に出でて、我も我もとヂムバリスト氏に署名を乞ひ、同氏は大きなる菓子皿の一枚に『私の赤ん坊の為に‥‥‥』と此日を記念し、四時過ぎ名残惜しく散会した。写真は当日の撮影に係るもので左より小野夫人、ヂムバリスト氏、三島夫人、アシュマン氏、土方夫人等である。 

 ジンバリストは、この送別会の前日の二十一日まで、帝国劇場で三日間の送別演奏会を開いていた。
 なお、小野夫人とは、ジンバリストと同じアウベル門下生の小野アンナ女史で、右の三人は、左より吉屋信子女史、土方伯爵夫人、チエレミシノフ女史である。

 これと同じ写真は、『時事画報』 一百一号 大正十一年七月号 にも掲載された。

 

 上は、大正十三年 〔一九二四年〕 十二月 の帝国劇場での演奏会プログラムである。

 演奏曲目 (十二月三日)

    バイオリン独奏 エフレム・ジンバリスト氏
    ピアノ伴奏   エミル・ベイ氏

 一、古い様式に依る組曲 … ジンバリスト作曲
     プレリュード
     シシリアノ
     ミニュエット
     ラルゴー
     フィナーレ
 二、バイオリン・コンチェルト(ほ短調) … メンデルスゾーン作曲
     アレグロ・モルト・アッパシォナート
     アンダンテ
     アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ
            休憩(二十分間)
 三、(イ)、G線上のアリア … バッハ作曲
   (ロ)、ガボット … ゴセック作曲
   (ハ)、ロンディーノ … ベートーベン作曲 クライスラー編曲
   (ニ)、ルイ十三世の歌とパヴァンヌ … クプラン作曲
   (ホ)、タンブラン(小太鼓) … ラモー作曲
            休憩(十分間)
 四、歌劇「カルメン」幻想曲 … サラサーテ作曲

 

 


 表紙には、「ヱフレムヂムバリスト氏提琴大演奏会 第五夜番組 丸の内 帝国劇場 昭和五年 〔一九三〇年〕 九月廿六日より卅日まで毎夕七時開演」などとある。18.2センチ。

 第五夜(九月三十日)

 一、協奏曲 … メンデルスゾーン作

    ア〓レグロ モルト アパッショナート
      アンダンテ
        ア〓レグロ モルト ヴヰヴァーチェ

           休憩十分

 二、奏鳴曲(クロイツェル ソナタ) … ベートーヴェン作

    アダージオ ソステヌート
      プレスト
        アンダンテ コン ヴァリアツィオーネ
          フィナーレ

           休憩十五分

 三、(い)アンダンテ カンタービレ … チャイコフスキ原作
                     アウアー編
   (ろ)ザパデアーデ … サラサーテ作
   (は)波斯の歌   … グリンカ原作
               ツ゛ィムバリスト編
   (に)金鶏     … リムスキイ・コルサコフ原作
               ツ゛ィムバリスト編

         洋琴伴奏 ハリー カウフマン氏

芝三田竹内楽器店提供スタインウエーピアノ提供

  

  

 表紙には、ジンバリストの肖像写真があり、「EFREM ZIMBALIST  (VIOLINIST) IN FIVE RECITALS 7p.m SEPTEMBER,、26th-30th、1932 AT THE TOKYO THEATRE」(エフレム・ジンバリスト 提琴演奏家 五夜連続独奏会 一九三二年 〔昭和七年〕 九月二十六日ー三十日 午後七時)とある。22.1センチ。
 
 第一夜 

  九月二十六日・月曜日  会費 5円・3円・2円

  ① a. 組曲 イ短調 … シンデイング作
       テムポ ジュスト
        アダジオ
         プレスト
    b. 協奏曲 ニ長調 … パガニーニ作
  ② パルテイタ ニ短調(無伴奏) … バッハ作
       アレマンド
        クウラント
         サラバンド
          ジーグ
           シャコンヌ  
  ③ a. ヴァウチセーフ・オ・ロード … ヘンデル作 フレッシュ編
    b. 即興曲           … トール・アウリン作
    c. 来るか来るか        … 山田耕筰作
    d. 森の中で          … パガニーニ作 フォーグリッヒ編
    e. 常動曲           … パガニーニ作
             ピアノ伴奏  シオドア・ザイデンベルグ

 第二夜

  九月二十七日・火曜日

  ① 奏鳴曲 イ調  … ベエト―ヴェン作
     (クロイツェル・ソナタ)
       アダヂオ ソステヌート プレスト
        アンダンテ コン ヴァリアツィオーニ
         プレスト
  ② 協奏曲 ニ短調  … シベリウス作
      アレグロ モデラート
       アダヂオ ディ モルト
        アレグロ マ ノン タント
  ③ a. ジーグフリード布衍曲  … ワグネル作 ウイルヘルミ編
    b. 紡ぎ歌         … ポッパー作 アウアー編
    c. 牧童          … ドッビシー作
    d. ジャズの幻想      … グジコフ作 マッヘン作
             ピアノ伴奏 シオドア・ザイデンベルグ作

 第三夜

  九月二十八日・水曜日

  ① a. 協奏曲 ホ短調  … バッハ作
       アレグロ
        アダヂオ
         アレグロ アッサイ
    b. 前奏曲  … バッハ作 クライスラー編
  ② a. アヴァネーズ  … サンサーンス作
    b. 狂想曲     … サンサーンス作 イザイ編
  ③ a. アダヂオ    … スポール作
    b. 木蔭の踊り   … パガニーニ作 フオグリッヒ作
    c. ニイグン(即興曲)  … ブロッホ作
    d. タランテラ   … シマノフスキイ作
            ピアノ伴奏 シオドア・ザイデンベルグ作

 第四夜

  九月二十九日・木曜日

  ① a. シャコンヌ  … ヴィターリ作
    b. 怪奇な組曲  … アクロン作
     (イ)火花
     (ロ)準円舞曲
     (ハ)めぐみ
     (ニ)渋面
     (ホ)婦人に対する慇勲
     (ヘ)牧歌
     (ト)劇的瞬間
     (チ)グロテスク行進曲
  ② 協奏曲 ト短調  … フバイ作
      イントロダクション スケルツオ
       アダヂオ
        フィナーレ
  ③ a. ひばり  … グリンカ作 アウア編
    b. ダンス  … シリル・スコット作
    c. 維納振り … ゴドウスキー作
    d. 金鷄幻想曲 … リムスキー・コルサコフ作 ヂムバリスト編
          ピアノ伴奏 シオドア・ザイデンベルグ

 第五夜

  九月三十日・金曜日

  ① 奏鳴曲 イ調  … ベエトーヴェン作
        (クロイツェル・ソナタ)
     アダヂオ ソステヌート プレスト
      アンダンテ コン ヴァリアツィオーニ
       プレスト
  ② 協奏曲 ホ短調  … メンデルスゾーン作
     アレグロ モルト アッパショナート
      アンダンテ
       アレグロ モルト ヴィヴァーチェ
  ③ a. アヴェ マリア  … シューベルト作 ウイルヘルミ編
    b. 日本曲に拠る即興曲  … ヂムバリスト作
    c. ブルレスカ    … スーク作
    d. 妖魔のロンド   … バッヅィーニ作
            ピアノ伴奏 シオドア・ザイデンベルグ

          スタインウエイ ピアノ使用
               芝、三田 竹内楽器店 提供

 なお、裏表紙は、「ヂムバリスト氏吹込 コロムビアレコード」11枚の広告である。

  

 エフレム・ジンバリスト〔Efrem Zimbalist〕の札幌公演〔昭和七年:一九三二年十月?)の前売り宣伝チラシである。
 「大提琴家 ヂムバリスト氏 独奏会< 日時 〔一九三二年?〕十月十九日(日曜日)午後七時 会場 札幌市公会堂 主催 札幌音楽協会 後援 アカシア楽器店 司会者 石井春省 前売券 特等 二、五〇 普通 二、〇〇 学生 一、〇〇」などとある。

 なお、昭和十年(一九三五年)の来日では、聶耳〔中華人民共和国国歌作曲者、ヴァイオリニスト〕が日比谷公会堂での彼の演奏を聴いている。

 「五月二十四日午後七時三十分在日比谷公会堂挙行提琴巨匠 Efrem Zimbalist 的提琴和新交響楽団的定期演奏、提琴協奏曲有 Mozart 的 No.5. Amajor 和 Mendelssohn 的 Eminor. 新響管弦楽有:Michael Glinka 的Over-ture to the opera op.64.《Ruslan and Ludmila》和 Fredrich Smetana 的交響楽詩 No.2《Moldau》。遇侯和呉QIONG英。我買了一張Zim. 氏的照片、想找他簽字、向一個外国人打听一下、他説要在散場以後、那時我也没有這様的興致了。」
 〔『聶耳日記』 大衆出版社 より:日本語訳は『聶耳物語』にある〕
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