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全国一般東京東部労働組合の記録

フォーラムジャパンにもすでに是正勧告が

2008年04月06日 08時09分47秒 | 添乗員・旅行業界

皆さん!知ってましたか、
サービス連合労働組合の100%出資会社フォーラムジャパン(登録派遣添乗員約800名)が中央労働基準監督署から以下の是正勧告指導を4年も前に受けていたことを。

中央労働基準監督署 是正勧告指導
『みなし労働時間制を採用することはできません』

<添乗業務中の労働時間について>
「旅程があらかじめ決められており、その実績は派遣先の添乗日報で確認することができるから、事業場外みなし労働時間制を採用することはできません。以上のことから、所定の労働時間を越えた分の割増賃金および深夜手当て等が発生した際は、適正に支払って下さい。」
(2004年12月2日付フォーラムジャパンへの中央労働基準監督署是正勧告書指導票より)

 これが、すでに2004年平成16年12月2日に株式会社フォーラムジャパンに中央労働基準監督署が出した是正勧告指導内容です。4年前の事です。

 派遣会社「フォーラムジャパン」は、サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)のJTB・近畿日本ツーリスト・日本旅行他78の労働組合が100%出資のもと、派遣社員全体の90%強を旅行・ホテル業界へ派遣している会社です。ですから、この中央労働基準監督署の是正勧告は、まさに労働組合サービス連合自身への経営・社会的責任を追及したものであることは誰の目にも明らかです。

 この中央労基署の是正勧告指導は、長時間や低日当で苦しんでいる社員や添乗員は諸手をあげて歓迎する内容です。しかしサービス連合労働組合(のフォーラムジャパン)は、「業界全体の労務管理慣行を弊社単独での解決は困難」とし、いまだ違法な「みなし労働時間」を続けています。また、労基署に対する回答の中で、みなし労働時間を続ける一例として「日光東照宮での下車観光時に、現地ガイドに案内を任せ添乗員がバス社内で休憩している場合」という驚くべき主張をしています。労働組合であれば誰もが知っている「待機時間は実労働時間」であるという労働時間の原則のイロハすら逸脱する主張を平気でしているのです。

 また、1社だけでの改善は経営困難になることも是正勧告指導に従えない理由のひとつとしています。だとしたら、サービス連合やフォーラムジャパンは、日本旅行業界JATAや日本添乗サービス協会TCSAに対して一体どのような運動をしたのかが問われるはずです。マスコミや広く世間や行政へ働きかけたのでしょうか。JATAやTCSAに対して労働組合としての抗議集会や抗議行動を一回でもしたのでしょうか。実際はまるで正反対の行動でした。労働組合でありながら労基署の是正勧告の撤回を政府に申し入れたのです。なんと「今まで通り、みなし労働時間を認めろ」と日本旅行業界JATAや日本添乗サービス協会TCSAと連名で厚生労働省へ提出したのが昨年の2月なのです。

 また、フォーラムジャパンの添乗員の方々には、4年前のこの是正勧告は知らされているのでしょうか。フォーラムジャパン労働組合の添乗労働組合の組合員の皆さんには伝えているのでしょうか。サービス連合労組の全国の一般組合員には知らされていたのでしょうか。マスコミや社会に広く発表したのでしょうか。

 何故広く世間に発表しなかったのでしょうか。一番推測できることは、「是正勧告」の事実を広く知らせることで、添乗員がますます目覚めることを怖れたからこそ、発表できなかったのではないかということです。

 今までフォーラムの経営陣もサービス連合労組もこのかんの添乗員問題は、あたかも2年前の旅行綜研や昨年からの阪急トラサポから始まった、つまり私たち東部労組が騒いだからだと内外で説明しています。しかし、実際は、4年も前にサービス連合自分自身に「みなしは違法の是正勧告指導」が突きつけられていたのですから、本来であればサービス連合自身が4年前から「騒ぐ」べきだったのです。そのサービス連合労組が4年間も放置していた事実は大変重大な問題です。同じく4年間も放置していた中央労基署や労働局の責任も勿論浮上してきます。

 この4年間で被害を受けた派遣添乗員の数は計り知れません。多額の時間外割増賃金の未払い、超長時間労働の過労のすえ倒れた方々、倒れても「傷病手当」すら支給されない。やむなく退職しても「失業保険」も支給されない。このような添乗員とその家族がいかに多くいたことでしょう。文字通り「日雇い」状態の日々、雇用保険も社会保険もないこんな状態を4年間も続けてきたのです。 4年前からサービス連合がマスコミや社会にせめてもっと積極的に公表していれば犠牲者は少しは防げていたはずです。

問題点は予想していた以上に深刻です。

**********************************
 その他のフォーラムジャパンへの中央労基署の「是正勧告指導」の主な中身は以下の通りです。
<添乗員関連>
○みなし労働時間制を採用できないので、時間外割増賃金および深夜手当を適正に支払うこと。
○労働時間の把握をすること。
○打合せ・精算業務は労働時間であるため、適正な賃金を支払うこと。
○年次有給休暇を付与すること。

 <社員全般関連>
〇労働基準法第32条違反「時間外労働に関する限度時間を越えて労働させていること」
〇管理監督者について「1週40時間を超えて行わせる時間外労働が、月45時間を超えて長くなるほど、脳・心臓疾患の発症との関連性が強まると判断されることを踏まえ、管理監督者の地位にある労働者も対象に、加重労働による健康障害を防止する為、各労働日ごとの始業・終業時刻を把握し、労働時間の状況に応じた健康管理が行える体制を整備してください。また、深夜に就労させた場合には深夜手当が発生することを再度管理監督者に周知させて下さい。
○休日労働について「ほとんど休日を取得していない人が見受けられました。今後は少なくとも週1日の休日を確保してください。
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38 コメント

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Unknown (Unknown)
2008-04-06 18:07:51
いまは退職してますが4年前はフォーラムにいましたが全くこのような是正勧告が出ているなんて知りませんでした。
正直、社長を含め事務所の所長を信頼してましたから・・・・。
当時しっかりと対応して残業代などを勝ち取っていてくれてれば退職せずに家族を養っていけたのに。
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情報公開を! (ひばり)
2008-04-06 20:09:21
公正取引委員会のように、ホームページで公開すればよいのに。

厚生労働省に情報公開法を使って、開示請求すれば、
まだまだ出そうですね。

文書保管期間内に、してみてはどうでしょうか??

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果たして (Unknown)
2008-04-07 05:38:36
この問題,フォーラムの方々がどう受けとめるのか?外部の者としては,興味津々ってところでしょうか?フォーラム内部では,こういうblogなんかはろくなもんじゃないから,みたいなどこかの宗教団体の洗脳とも言えるような話をまことしやかに,繰り返ししていると聞いてます。会社が潰れるとか?でも会社が潰れるから,何故?添乗員がただ働きしないとならないの?まずは役員から,給料返上して働くのが普通でしょ?
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フォーラム中西社長の言 (Unknown)
2008-04-07 09:57:37
TCSAがWeb上で公開しているTCSA Newsへの寄稿です。
http://www.tcsa.or.jp/about/pdf/tcsanews_62.pdf
(2007年1月31日号)

一部抜粋
『これまでに発生した事例の多くは、派遣添乗員が長時間労働と過重な労働実態に対し、日当方式で払われる派遣料金の安さに不満」を訴え直接労基署に駆け込んだものであり、昨年、同業派遣会社で起きた労使紛争の経過が広く喧伝されたことにより、派遣添乗員の労働時間認識と不満感は一気に膨らんでいる。』

自社のことを糊塗しまるで他人事のような発言です。
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Unknown (o.m)
2008-04-07 19:08:24
フランスのエージェントから緊急の仕事を依頼されました。現地手配会社ホテル予約不備によるグループ分泊、セカンドホテルのセカンド添乗員。3泊4日、夜19時から翌朝の送り出しが仕事、日中はフリーです。

 このグループ本体は、4日間連続で良くある不測の事態発生。添乗員Uサンは毎日、事が起こる毎に配車を始め予約時間等変更。何ひとつアイテナリ-通りには進行しませでした。
パリ到着後、空港で、ホテルが2つに分かれる事を始めて知らされたお客様は大騒ぎ。2日目、夕食の市内レストランにて、PAX1名が胃炎を起こし食事をせずTAXIでホテル直行希望。19時前後しかも雨、TAXIを呼ぶのも拾うのも最悪の時間帯、TAXI探しは私がかって出ました。3日目、モンサンミッシェルの帰路トイレストップ中にPAX1名が転倒。Uさんはパリホテルに帰着後、他のお客様に夕食の案内だけ済ませ、負傷したPAXの付き添いでアメホス。肩の骨にヒビ、手当てを受けたPAXと共に夜中過ぎにホテルに戻る。4日目、パリ東駅出発、夕食2回抜き、睡眠3時間足らず朝食抜きのUさん。5号車と8号車に座席が分かれたTGV予約、東スーツケース積み込みは荷物車両使用不可、駅スポット・アシスタントTさんとポーターが加わり、Uさん、私、4人で手分けしても、荷物は両客車にバラバラに積み込み、お客様に着席していただくだけで精一杯。
 どれもこれもツアー中に良く起きる事ばかり。以前は全てのツアーは仏の労働協約通り、ホテルの外のレストランでの食事は必ず現地係員が付きました。日帰りおよび周遊ツアーには必ず現地ガイドが同乗しました。出発アシスタントはホテルから仕事開始でした。
現地での日中のTCの仕事はツアーの運行管理だけでした。
TC独りに以前の数倍の負担がかかるサービス!にも関わらず、ほとんどのお客様はUさんがろくな食事も睡眠時間も取れていない事に気付かず、ホテル、ホテル所在地、食事内容に対する不満だけが聞こえてきました。チューリッヒに向けてグループの列車出発後、Tさんに「お疲れ様!大変でしたね!」と声をかけると「今日は添乗員付きだから、いつもよりずっと楽でした。それにチップももらえるし!」
ちなみに偽装請負会社が派遣するスポット・アシスタントの1回の賃金は社保税込み約600円弱、チップは現金で2000円強。

 ツア-料金をはるかに越える商品価値を生み出しているのは添乗員を含む旅行係員です!

 ツアー参加者の主催会社に対する信頼感・安心感の確保に努力する旅行係員。 必要係員の確保。係員の健康維持に最低限度必要な、社保加入!労働法厳守!
 日本国に現在の旅行商品が違法労働行為で成り立っている事を認めさせるのは私達自身しかいません。会社が潰れる心配より、自分達自身が会社に潰される心配をしなくてはなりません。大事故が起きてから、健康を害してからでは遅すぎます。
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顧客第一? (noskill)
2008-04-07 20:46:10
 o.mさんからの時系列の描写は、あまりにも良くありすぎる添乗員の毎日で、20年もこの仕事をしてきた私は思わず笑ってしまいました。フランス的辛口大好きです。
 安ければどこかにひずみは出てきます。中国製餃子と同じ。購買者に被害が及び、業者は経営が悪化し・・・。旅行業界は体制を見直すべきです。分社化して旅行業以外に活路を見出そうとしているJTBも、やっと儲からない業界から脱しようとしているんですね。
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Unknown (Unknown)
2008-04-08 03:27:20
是正勧告の出てる労組に,お金払って加入して,一体?何しようってのか?自分は会社の奴隷ですから,どうぞ、みなしでお願いします?ってこと?私はごめんです,そんなのは。
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Unknown (トラサポでは,新人)
2008-04-08 04:11:09
この世の中に,経験は一切,関係ないとする会社があるとは,トラサポに入り,初めて体験した事です。経験よりも,アンケートが優るとの事です。会社には,大変都合の良いシステムですね。アンケートが良い新人さん達は,1番きつい仕事をしながら,アンケートが取れないがために,自分らよりも安い給料に甘んじている先輩らを見て,この先輩達は,ばかなんじゃないか?と思えるでしょうね。決して、こうなりたくはないと。
これはでも,すぐに貴方がたも直面するかもしれない問題です。ようく,会社のしているやり方を知るべきだと思います。そして、アンケート偏重主義がどんなにこの,旅行業界をも目茶苦茶にしてしまっているのかを,いまこそ,考えるべきです。
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私の気持ち (私も元FJ)
2008-04-08 08:39:25
本文内
労働組合でありながら労基署の是正勧告の撤回を政府に申し入れたのです。なんと「今まで通り、みなし労働時間を認めろ」と日本旅行業界JATAや日本添乗サービス協会TCSAと連名で厚生労働省へ提出したのが昨年の2月なのです。

ここが一番問題だ。東部労組が苦労して業界慣例の添乗員の長時間勤務を糾弾している最中に労働組合が設立した会社がこの運動に水を差すような行為をしていたことになる。
当然この意見は業界を統括する役所など上層部に間違ったメッセージを送ったことになる。
たしかにフォーラムジャパン一社ですべての旅行会社と”いきなり”賃金交渉をやることは不可能でしょうが、東部労組がこの活動で展開しているときになぜ同調していかなかったのであろうか。
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トヨタ系など販社の8割、「みなし労働制」廃止へ (本部スタッフ)
2008-04-08 16:02:40
4月5日の日経新聞が大きく報じています。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080405AT1D0404904042008.html

以下本文です。
*************************
トヨタ系など販社の8割、「みなし労働制」廃止へ
 トヨタ自動車、日産自動車などの系列の販売会社が社員の長時間労働是正に向け、労務制度の見直しを始めた。8割強が「みなし労働時間制」を廃止し、実労働時間を管理する制度へ変える。人材を確保するため、全産業界で実態に則した労務制度に変更する動きが広がっており、28万人が働く自動車販売業界も改革を進める。ただ、新車販売台数が減少しているだけに、各社は同時に、収益性の改善も迫られている。

 みなし労働制の廃止については、全国の販売会社の労働組合が加盟する自動車総連が方針を策定し、傘下労組が経営側と交渉してきた。加盟する586組合のうち、3月末までに52%に当たる307組合が経営側と廃止で同意。4月末までに実際に働いた時間に応じて残業代を支給する給与体系に移行する。
以上
*************************

本部スタッフ意見。
画期的な前進です。
しかし、考えてみれば携帯電話があるご時世で、国内の販売や営業でも最早「みなし労働制」適用は到底無理であることは誰の目にも明らかです。

旅行・派遣添乗員業界も、今こそみなし労働制の廃止を決断し、全添乗員を長時間労働と低賃金から解放すべき時です。
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