虚構の世界~昭和42年生まれの男の思い~

昭和42年生まれの男から見た人生の様々な交差点を綴っていきます

黄昏のモノローグ~プレゼン終了~

2017-11-30 16:52:58 | 小説
*このお話はフィクションです。

 先ほどプレゼンとそれに伴う質疑が終了した。
4時間近くもかかった。

 全力を出し切った。伝えたいことは伝えることができた。


 美辞麗句を並べたプレゼンではなく、今回は会社の負の要因についての今後の対策を主に提案した。


 逆説的な発想でつくりあげた渾身のプレゼン・・・。


 何だか、頭がフラフラしている。


 それだけ緊張していたのだろう。


 会社の人気のない場所でちょっと横になってきます。


 疲れた・・・

黄昏のモノローグ~不安とプレッシャー~

2017-11-30 07:19:46 | 小説
*このお話はフィクションです。

 今日は午後から大事なプレゼンがある。不安とプレッシャーが自分にのしかかる。

 楽して働きたいなあ・・・、ストレスなく生きていきたい・・・、こんな思いが芽生えることがある


 多分そんな生き方がもし手に入るとしたら、それは堕落した自分になっているということだ。

 常に自分が難しいなあ、大変だなあと思うことに向き合っていないと自分はダメになっていくのだと思う。


 不安とプレッシャーをなくそうとするのではなく、それらと仲良くやる人生が自分には適しているのかもしれない。

 不安とプレッシャーがあるときこそ、これが自分を大きくしてくれると思ってがんばろう。



 今日も一日が始まる。

 11月も今日で最後だ。

 この席に座って、もう少しで3年が経つ。

 50歳の男は毎日自分と真摯に向き合って生きている。


 

黄昏のモノローグ~実感~

2017-11-29 18:00:59 | 小説
*このお話はフィクションです。

 若いころ50歳という年齢の響きに「人生終わっている」と思っていた。

 50歳になった人のことをそんなふうに見ていた。


 しかし、自分が今その年齢に達した。

 全く50歳という実感が湧かない。


 就職、結婚、子育て、マイホーム、出世、いつの間にか人生のありきたりのストーリーもほとんど通り過ぎてきた。


 あとは、孫が生まれるとか、年金いくらもらえるとか、老後のことを考えるのだろうか。


 しかし、まだそんな気分には到底慣れない。


 日々の激務の中で毎日があっという間に過ぎる。毎日熾烈な出世競争の中で生きている。



 何が楽しみで生きているの?


 20代の頃の自分からしたら馬鹿にされそうな生き方だ。

 「人に気を使ってペコペコ頭下げて、作り笑いして、それでいくらもらえるんだよ」


 そんな言葉を言われそうだ。

 しかし、人生とはそんなものだと今の自分は思う。


 人に気を使ってペコペコ頭下げて、作り笑いして、必死に生きている。

 
 今日も一日が終わる・・・。

 

 

黄昏のモノローグ~悪相~

2017-11-29 12:35:50 | 小説
*このお話はフィクションです。

 忙しそうにみんな働いている。

 私もあれこれ突発的な仕事が山のように来た。

 イラっとしている自分がいる。


 午後からは心にゆとりを持っていこう。


 忙しい時こそ、笑える余裕を持って・・・。


 そんな生き方が難しいと感じる。

 

黄昏のモノローグ~楽な生き方・辛い生き方~

2017-11-29 07:20:04 | 小説
*このお話はフィクションです。

 空の雲の流れが速い。薄青い空に雲が忙しげに流れている。

 釧路の街の朝はこの時期何となく寂しさが入り混じっているように見える。


 毎日があっという間に過ぎる。部長になったころはスケジュール帳を見ると憂鬱な気持ちになったものだった。びっしり書き込まれた予定、休日も何かしら入っている・・・。「ふー」と溜息から私の部長生活は始まった。

 部長に昇任する前、仕事もそれなりにこなし、周囲からも評価され、全てが自分の予想通り、想定内の範囲で生きていた。


 今思うと楽な生き方だった。常に自分のペースで生きていた。

 しかし、そんな時間の中で、自分の成長はあまりなかったように思う。

 たいした努力もせずに楽して生きていた時代の記憶はあまりない。


 今の生き方は確かに緊張とプレッシャーに押しつぶされそうな毎日だ。


 ただ一つ言えることは、激務の中で、「小さな幸せ」を感じられるようになったことだ。


 手作り弁当の有難さ、毎日眠れること、年老いたけれども母が生きていていること、娘がそれなりに充実した道を歩き始めていること・・・。


 今まで感じなかった幸せに気付いている自分がいる。


 さて、そろそろ早い社員は出社してくる。


 今日も修行の日々が始まる。

 感情・表情を直接的に伝えないということを心がけて・・・。


 釧路の街で昭和42年生まれの男は今日も懸命に生きている。



虚構の世界~早期退職~

2017-11-28 17:17:37 | 小説
*このお話はフィクションです。

 私の会社でも早期退職制度がある。退職金を上乗せする。

 早期退職制度は、出世争いに敗れた者たちが選択するコースだと思っていた。

 しかし、今は順調に出世コースを歩んでいる者もこの制度に乗っかるようになった。


 みんな今の閉塞感漂う人生に飽き飽きしているのだ。



 確かに私もそんな思いが脳裏を横切ることもある。


 しかし、私は現実を見ている。50歳を過ぎた人間が独立したり、起業したりして、うまくいった例がないという事実を。

 資格を取って用意周到に準備を進めた者でさえ、食っていけなくなり、悲惨な老後を迎えようとしている。


 50歳を過ぎての安易な転職は絶対にすべきてはない。

 私は仮に出世競争に敗れたとしても、会社にしがみつく覚悟を持っている。

 プライドがないと言われるかもしれないが、その心意気だけはある。

 家族を守るためには、プライドなんか必要がない。


 プライドなんか生きていくうえで表面的に出すものではない。




 今日も一日が終わる。だれだれが早期退職制度に応募したという話題が社内を駆け巡った一日だった。



 会社という後ろ盾があってこそ、私は生きてこられた。

 それが一番の強みだと私は思っている。


 やりがい、プライド・・・。奇麗ごとを並べて生きて行けるか。



黄昏のモノローグ~素通り~

2017-11-28 14:12:27 | 小説
*このお話はフィクションです。

 今日は昨日の寒さから何となく雨が降っているので暖かい。

 午前中、ある会社を訪れるためにシッピングモールを歩いていた。


 自分の視界にかつての上司が飛び込んできた。


 年は私より10ぐらい上だったので60歳ぐらいになっているだろうか。


 彼は車に乗り込むところだった。


 しかし、私は声を掛けるのをためらい、そして素通りした。


 私と先輩はどちらかといえば仲がよく、よく一緒に飲みに行ったものだ。


 私が25歳、先輩が35歳ぐらいの頃だ。



 しかし、先輩は途中で会社を辞めて転職した。


 その後の先輩の人生の状況は何となく人づて入ってきていた。


 自分で起業したらしいがうまくいかなかったようだ。


 莫大な借金を背負ったことも聞いた。




 久しぶりに見る先輩は、年老いたというよりも、覇気がなかった。

 いや、私が先輩に声をかけなかった理由は、乗り込もうとしていた車だった。



 25年前と同じ車を乗っていた。

 外見が錆びており、前のバンパーなどは穴があいていた。


 昔の人気車種はあまりに無残な姿をさらしていた。



 それでなくても25年間一度も会っていないのに、そこで25年ぶりに声を掛ける勇気は私は持ち合わせていなかった。



 いろいろな思いが脳裏を横切った。






 生きるということは戦場なんだと思った。

黄昏のモノローグ~訃報~

2017-11-28 07:16:42 | 小説
*このお話はフィクションです。

 50歳になると人の死に出会うことが確実に増えてくる。

 昨日、私の叔父さんが亡くなった。

 70歳だった。


 叔父さんはスキーの選手だった。私も子供の頃、叔父さんにスキーを習った。


 山を上から華麗なフォームで滑ってくる叔父さんはかっこよかった。


 口数の少ない人だった。


 子供はいなかったが、奥さんをとても大切にしていた。


 だからかもしれないが、私を自分の子供のようにかわいがってくれた。



 子供の頃の記憶が浮かんでくる。




 毎日毎日、日々、緊張しギリギリのところで生きている。


 そんな時に子供の頃お世話になった人のことをふと思い出すことがある。


 自分の人生はたくさんの人に支えられてきたことを改めて実感する。


 叔父さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。


 私は叔父さんから受けた数々の思い出を忘れません。




 久しぶりに晴れた空の釧路の街で自分は今日も生きていく。

黄昏のモノローグ~末路~

2017-11-27 15:25:55 | 小説
*このお話はフィクションです。

 出世し地位が上がると俺様になる人を見かける。

 私の先輩もそうだ。


 役職のついていない一般社員の頃から彼は嫌われていた。特に年下からだ。理由は、横柄な態度と意地悪をするからだ。彼のことをよく言う人に私は今まで一度も出会ったことはない。


 しかし、先輩は出世していった。一時は取締役寸前のところまで行った。


 彼は自分より力のある上司に媚びるのは天才的な才能を持っていた。周りで見ていると滑稽に見えるほど上司にはとことん尽くしていた。

 しかし、その尽くし方に誠実さのかけらはなかった。



 彼は部長になった。しかし、彼はそこで自分は選ばれた人間なんだと勘違いするようになった。


 俺様は偉いんだ・・・というオーラを出して社内を歩いていた。そして、自分より下の立場の人間を徹底的に攻撃し、自分は何をしても許されるという態度で人に接していた。


 ある時、彼の部下が集団で蜂起した。彼の言動をボイスレコーダーに録音し、裁判に訴えると社長に申し出た。


 そして彼の崩壊は始まった。


 今日の人事会議で彼の出向か決定した。彼の悪評は、この周辺には鳴り響いていた。子会社からも強烈な反対にあった。


 彼の定年前の最後となる勤め先は、惨めな配置先だった。



 「俺は社長になる」と宣言していた彼の数年前の姿を思い出していた。


 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」


 私の手帳の最後のページには、尊敬する社長から贈られたメッセージカードが貼られている。


 この言葉の意味を噛みしめている。

 

黄昏のモノローグ~11月もあと少し~

2017-11-27 07:20:00 | 小説
*このお話はフィクションです。

 11月もラストの週を迎える。

 部長になったころは11月のスケジュールを見ただけで重い気分になったものだ、

 しかし、時は確実に流れる。


 日曜日も仕事があった。100人ほど集まる席で、いきなり挨拶の依頼があった。


 全く予想していなかったことだ。


 挨拶を頼まれてから、挨拶をする時間まで10分程度しかない。


 私はトイレにこもり、過去の挨拶を思い出し、話すことを二つ決めてトイレを出た。



 生きた心地がしなかった。

 作り笑顔でゆっくりと話すことだけを心掛けた。


 何とかなった。


 「急に挨拶を頼んで申し訳ありませんね。もう社長に慣れる話し方でしたよ。急に挨拶を頼むと内容がグチャグチャになる人がほとんどですが、そうではなかったですよ」


 試されているのだとわかった。



 ただ、今回力になったことは、どんな小さな席の挨拶でもしっかりと挨拶原稿を作り準備していったことが大きかった。

 地道な努力は報われている。


 さあ、今日は人事にかかわる大切な会議がある。

 夜も地域の有力者の方との懇談会がある。


 しっかりと準備をして誠実に臨みたい。


 真剣に生きているいろいろな壁が前に表れる。

 けど、これこそが生きている証なのだと思う。


 11月27日、今日も早朝の誰もいないオフィスで自分と正対することから自分の一日は始まる。

黄昏のモノローグ~忙しい日々を送れることへの感謝~

2017-11-24 16:27:48 | 小説
*このお話はフィクションです。

 金曜日のこの時間はみんな前向き的な表情で仕事をしている。

 明日から休みだという安堵の思いが人々の表情を柔和にさせる。


 私は明日は朝から夜遅くまで仕事と接待がある。

 日曜日も夕方まで仕事だ。


 土日はない。



 確かに重い気持ちになるが、どこか根底にこの忙しさを無駄とは思っていない自分がいる。


 人よりいい暮らしをしたいなら、人の三倍・四倍は働くなくてはいけない。



 大学卒業後、ある会社に就職した。すさまじい会社だった。


 ブラックと言う形容では語れないほどだった。

 今から25年前だった。



 その会社は表向きはテレビコマーシャルもしていた大手の会社だった。

 しかし、私はその会社ですさまじい経験をする。


 あるミスをしたら、これから本社まで謝りに行けと言われ、自費で行ったこともあった。

 目の前で人が倒れるのを何度か見た。体の不調を訴えても休ませてもらえない雰囲気だった。



 人の入れ替わりが激しい会社だった。


 社長はいつも部下を怒鳴り散らしていた。


 土下座を強要されることもあった。



 あれから25年・・・。


 その会社はもう存在していない。




 あのような会社にいたことも今となっては貴重な体験だ。



 辛い経験も役に立つ。


 その思いが自分を支えている。

黄昏のモノローグ~昼食~

2017-11-24 12:15:22 | 小説
*このお話はフィクションです。

 50歳の男性の方々の昼食はどうしてるのだろうか?

 私は毎日、妻が作ってくれた弁当を持参している。

 若いころは外食ばかりだった。

 しかし、仕事で勝負するようになってから手作りを弁当を作ってもらうようになった。


 自分を支えてくれている人、背負っている大切な人の存在に気付くために。


 さて、手作り弁当をいただきますか。

黄昏のモノローグ~娘へ~

2017-11-24 07:17:29 | 小説
*このお話はフィクションです。

 いよいよ娘が明日受験を迎える。

 昨日は、私がここ一番の商談やプレゼンをするときに身に付けるお守りを持たせた。

 それぐらいしかできないが、娘の合格を心より願っている。

 今日は夜、神社にお参りにでも行こうと思っている。


 彼女が生まれた18年前、自分は32歳だった。仕事なんか何とかなると思っていた適当な奴だった。


 当然周囲からの評判もよくなかった。


 いい加減な奴、そんな奴だった。



 しかし、私はその後別な課へ配属となり、そこである上司と運命の出会いをさせていただいた。


 この上司こそが私の恩人である。


 彼は私に仕事とは何かを教えてくれた。

 それは上から目線の一方的なものではなく、私の良さを認めながら伸ばしてくれた。

 この方との出会いが自分の運命を変えてくれた。



 熾烈だけれども出世競争の中に自分も加わることができている。


 苦しいことが多いが、今日もそれなりに前向きに生きようとしている自分がいる。


 苦しいことが多いからこそ、自分を高めることができているのも事実だ。


 娘よ、よくここままで成長してくれている。

 不安を持つほどあなたの努力は少ないことを私は知っています。

 がんばれ!

 そして妻よ、ここまで娘を立派に育ててくれてありがとう。感謝しております。



 今日も暗い雰囲気の空から雨が降っている・・・。

 しかし、50歳の男は何とか頑張っている。


 

黄昏のモノローグ~親として~

2017-11-22 16:14:13 | 小説
*このお話はフィクションです。


 前日までの冷え込みが嘘のように外は雨が降っている。

 今日も一日感情をコントロールことが至難の業だった。

 人間的な未熟さを感じる。


 それは親としても・・・。


 高校三年生の娘がいる。

 仕事ばかりしてきた私はほとんど会話らしいものはない。


 最低の父親の部類に入るだろう。


 子育てはほとんど母親に任せっきりだった。


 それでも悪い方向にそれるわけでもなく何とか育ってくれた。



 妻と娘に感謝している。



 それを言動にそろそろ表さなくてはと思う。




 不器用でダメな父親だ。



 

黄昏のモノローグ~深呼吸~

2017-11-22 13:27:58 | 小説
*このお話はフィクションです。

 イライラすることは度々起こる。

 そんな時は、呼吸をゆっくり深くする。

 そして席を離れて会社内をウロウロ歩く。


 タイムアウトするだけで怒りは軽減される。



 どんなときにも冷静に・・・。そして感情的になってはいけない。


 今日も修行の日々だ。


 午後から気持ちを切り替えて仕事をしよう。