虚構の世界~昭和42年生まれの男の思い~

昭和42年生まれの男から見た人生の様々な交差点を綴っていきます

続インスタントラブ「お互いに尊敬しあっていますか?」

2017-04-19 17:14:47 | 日記


 「好きになっていいのか」
 彼女の告白に彼は戸惑っていた。それは、彼女の人生・そしてこの生活環境を受け入れることができるかと思ったから・・・。

 彼もそれなりに遊んできたと自負しているが、遊びの質が彼女とは根本に違うのだ。

 彼は高校もトップ校ではないが、それなりの進学校へ進んだ。私服で男女共学という抜群の背景の中で、のびのびと高校生活を楽しんだ。
恋愛もした。当時、流行していたDCブランドを身にまとい、背伸びして夜の街でも遊んでいた。

 そして、大学にも進んだ。そこでも夜のアルバイトをかじり、大学生活をとても楽しんでいた。そう・・・、彼もそれなりにというか、
いわゆるそのカテゴリーの中では、よく遊んでいたほうだ。

 

 しかし、いくら遊んでいても彼女とは出会わない生き方だった。

 生き方の次元が違う中で二人は生きていたのだ。

 

 そして、彼は教師になった。

 彼が彼女と結婚した本当の理由は何か・・・。それは、彼女の生き方の違いにひかれたからだ。彼女は年上だけではない、人生の修羅場を経験した
ものの見方ができる女性だった。

 彼が担任していた親から、「先生の教え方がわからないとうちの子は言っているんですが」と言われたり、または様々な理不尽なクレームをつけられた
ことがあった。

 悩んでる彼を見て彼女が言った一言・・・。

 「そいつを呼んで来い。私が話をつけようか」と半分、本気とも冗談ともとれる一言があった。けど、その後で、「自分ができないことを人のせいにしているやつこそ、幸せになれないよ」という一言があった。そして、「そんな奴のことなんか気にしない」

 そう彼女がいるだけでとても前向きになれた。



 男はみんな弱い・・・、けど、その弱さを見せいないようにして生きている。しかし、世の中で強く生きている人は、みんな支えてくれている女性がいると思う。男は女性によって成り立つ・・・。

 彼が担任している子のお母さんが入院して、遠足の弁当を持ってこれないときがあった。彼女に相談すると、彼女は愛情のこもった手作り弁当を
作ってくれた。その子は大喜びだった。

 彼女と一緒にいることで彼は自分が、または教師として成長していることを実感した。


 そして、彼は彼女に結婚を申し込んだ。

 「弱い自分だけど、これからも頼む」
 こんな彼の言葉に彼女は

 「私と結婚してよかったと絶対に思わせてあげる。校長までのぼりつめてもらうからね」

 「えっ、俺が校長・・・。無理だよ」

 あれから20年あまり・・・。50歳を目前に控えた彼は教頭として勤務している。


 そう彼の人生は彼女の敷かれたレールを歩いている・・・。男にとってそれこそが幸せな生き方なのかもしれない。


 今なお、弱音を吐く彼を彼女は支えている。

 二人が幸せになった理由、それはお互いの違いを尊敬できでいるからかもしれない・・・・。






 
 
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