虚構の世界~昭和42年生まれの男の思い~

昭和42年生まれの男から見た人生の様々な交差点を綴っていきます

生きる意味~年老いた親子の後姿~

2017-07-14 10:03:32 | 小説

 私は喫茶店のほかにもう一つ行きつけの店がある。大衆食堂だ。昭和の香りを感じさせるからこの食堂に通っているわけではない。ただ単にお金がないから、行っているだけ・・・。

 そこで私はある親子と知り合いになる。
岩本ヨシ子82歳・毅52歳という親子である。毅は、半分アル中みたいな感じの自分と同世代の男性。20代の頃は定職にもついていたが、段々と酒におぼれ、40歳以降は、母の年金に頼る生活をしている。朝から晩まで酒浸りの生活だ。のまない時の毅は、気が小さくて繊細な人柄を伺わせる。しかし、酒をのむと酩酊までのむ・・・。そののみ方は尋常ではない。自分の不遇を嘆いているかのようにのむ姿に私は何だか共感するものがある。

 

 ヨシ子は年金が出た帰りに、この食堂により、一杯ひっかけている。すると、待っていましたというように毅が現れる。

 「なんであんた来たの」
 「お金ちょうだい」
 「のみたきゃ自分の金で働いてのみな」
 「・・・・・・・」
 そんな会話と沈黙の後、ヨシ子は500円を渡す。毅はその500円を受け取り、酒を買いに行く。その後ろ姿は小学生みたいで私はとてもかわいらしく見える。


 毎月繰り広げられる光景が私はとても好きだ。


 この大衆食堂には様々な人種が集まり、傷を癒すようにのんでいる。生活保護が支給された日による老人、息子がお小遣いをくれた日に寄る年老いた母親・・・。もちろん、私も49歳でバイトをしながらチビリチビリとここでのんでいる。

 そんな光景を見ながら、心和む瞬間が自分では気に入っている。


 夜になるとこの店には、またさみしげな人たちの憩いの場となる。ただ、夜はそれなりにみんな働いて低収入でその日暮らしをしてしのいでいる人たちが集う・・・。


 

 生きる意味とは何なのか・・・。
今年も霧が街を覆っている・・・・・。何もなかったように・・・。何もなかったかのように・・・。


 
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2 コメント

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Unknown (みゆきん)
2017-07-14 12:17:19
読者登録有難う
生きる意味
深いね
私も昭和が好き
昭和の歌も大好き
これから宜しくね^^
初めまして。 (みいやん)
2017-07-14 18:06:50
読者登録ありがとうございます。

私も登録させていただきますね。

私にも40代の息子がおりますので興味深く拝読させて頂きました。

これからもよろしくお願いいたします。

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