虚構の世界~昭和42年生まれの男の思い~

昭和42年生まれの男から見た人生の様々な交差点を綴っていきます

生きる意味~賞味期限~

2017-07-19 18:10:53 | 小説
 食べ物にも賞味期限があるようにそれは人にもあるかもしれない。街を見ているとどうにも臭味期限が切れているのに若作りの化粧や服装をしている男性や女性を見かける。こういう人を私は賞味期限切れと呼んでいる。

 しかし、年とともに素敵な雰囲気を醸し出している人たちもいる・・・。そんな人たちは、賞味期限を感じさせないばかりか、益々、旬の雰囲気を漂わせている。50になっても、60代になっても・・・・・。

 北野昌子、47歳、東北の地方都市で生まれた。現在は仙台市内で生活保護を受けながら生きながらいている。彼女は若いころは、アイドル歌手並みの美貌を兼ね備えていた。

 言い寄ってくる男たちはたくさんいた。そして、彼女は22歳の時に結婚する。相手は裁判所に勤める国家公務員だった。真面目で家柄もしっかりしている家庭だった。

 結婚式では、400名近くの人たちが二人の祝福を祝った。


 誰もが二人の幸せを疑わなかった・・・・・・。しかし、その幸せはあっさりと早くに訪れる。
昌子は泣きながら実家に帰った。

 「お母さん、怒られたの、あの人に・・・」
 「どうして怒られたの」
 「料理ができないって・・・・、掃除もしないって・・・・・・。


 そう昌子は外見からは想像もできないほど、生活するための家事が何もできない女性だった。
というか、そんなことをしなくても生きてこれたのだ。

 彼とはそんなことがバレル前に結婚した。彼も但し、薄々は苦手なんだろうなあと感じていた。
しかし、これほどまでにできないとは思わなかった。

 彼は彼女の「かわいい」だけで結婚した。

 結婚して二人は一ヶ月で別居して、一年後に正式に離婚した。

 それからの昌子は何とか仕事をしながら生きていた。30代になっても彼女の美貌は衰えなかった。
そして、言い寄ってくる相手はたくさんいた。

 しかし、昌子は30代からパチスロにはまるようになる。

 そして、40代、昌子は病気がちになる。

 働けなくなると彼女は生活保護を受けながら生きていく。そして、彼女に言い寄っている男たちもかつてのような生活水準を伴っている男たちではなくなった。

 言い寄ってくる男たちもまた賞味期限を切れる人たちだった・・・(続く)

 


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。