虚構の世界~昭和42年生まれの男の思い~

昭和42年生まれの男から見た人生の様々な交差点を綴っていきます

恩人~本気で好きになるということは苦しいということ~

2017-06-13 15:26:00 | 小説


 彼はそれなりに恋愛はしていた。何度か結婚を考えた相手がいた。しかし、恋愛に自堕落な彼は、いつも結末まで
結びつかなかった。別れ際はいつも最悪だった。憎悪の中での修羅場的な別れが多かった。

 最初は好きでも、相手が好きになり、相手が自分のものになったと勘違いしていた時点で彼の恋愛は自分勝手な成就をしたのだ。
何度も相手を傷つけながらも、彼は自分を正当化して生きてきた。嫌な男だった。

 いやな男というのは、自分を正当化できる欺瞞の術を身に付けているのかもしれない。彼もそんなタイプだった。

ドキドキしても、苦しくなる恋愛というのは経験がなかった・・・。

 しかし、彼は今回、彼女のことを考えると胸が苦しくなるという経験をした。


 彼女のことを考えただけで胸がしめつけられ、胸が苦しくなるのだ・・・。
一人になっても、彼女のことを考えただけで、強烈な胸の刺激に襲われる・・・・・。気分が高揚するような錯覚に陥る。

 本気で好きになるということは、劇薬のようなものだと彼は思った。

 とにかく彼女に会いたかった・・・・・・
 とにかく彼女のことが知りたかった・・・・・・
 とにかく彼女にかかわるすべてを共有したかった・・・


 彼女の笑顔が素敵だった
 彼女の優しさに満ち溢れた言動が素敵だった
 仕事をしている彼女の姿がまぶしかった
 

 しかし、本気で人を好きになるということは、路線を間違えれば、独占したいという思いと紙一重な状況にある・・・。

 そして、彼もまた彼女の過去の男性遍歴が気になるのである。

 彼女は半年前に別れたばかりだと告げられていた。5つ年上の調理師ということだけを聞いていた。本気で結婚を考えたと言っていた。
彼女を好きになるという思いとともに、彼は前の男の幻影を確かめたくなる。

 男は本当に器的なサイズが小さい・・・

 しかし、恋愛の初期段階では、このような思いに浸る小さなタイプの男性がこの世には多く存在しているのも事実である。

 彼と彼女は好意を寄せているが、まだ、つきあってない。つきあっていないということは、まだ関係をもっていないということ。まだ彼と彼女は出会って二日なのだから・・・。

 しかし、一週間後に・・・。


 
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