虚構の世界~昭和42年生まれの男の思い~

昭和42年生まれの男から見た人生の様々な交差点を綴っていきます

黄昏のモノローグ~最悪の事態を想定して~

2018-02-01 18:21:56 | 小説
*このお話はフィクションです。

 記録的な寒波が釧路の街を覆っている。

 これだけ寒い日々が継続されるのも難しい。


 「部長、この件についてはどう対応しましょうか」と午前中、部下に質問された。

 今のところ、大きな問題になっていないが、こういう時こそ準備が必要だと思った。

 その後、別室に閉じこもった。電話などは全て後でかけなおすように伝えた。


 別室に閉じこもって、考えられる最悪のパターンを全て洗い出した。

 そしてそのパータンごとに対応策を詳細に作成した。

 誰がいつ何をするかという役割を明確にした。

 先ほど、そのための会議を終えた。

 明日の準備をしっかりしたことで、何だか部下の表情も落ち着いていた。

 いや自分が一番落ち着いていたかもしれない。


 最悪の状態を想定しておくことも大切だ。

 今日も一日が終わる。

黄昏のモノローグ~サークル通信~

2018-02-01 07:14:08 | 小説
*このお話はフィクションです。

 昨日、家に帰ると大学時代に所属していたサークルから年一回発行され通信が届いていた。

 今年度のサークルの様子、四年生の進路、そして卒業生の近況などが記されている。


 大学時代、全てにおいて適当だった。ほとんど大学には行かずにバイトばかりしていた。

 人生を甘く見過ぎていた。

 就職活動もせずに卒業後は一攫千金を夢見て、予備校の講師になろうとしていた。

 まだ受験産業も全盛期だった時代だ。


 というより、組織の中に入って窮屈に暮らすことを恐れていた。

 自分のペースで生きられないことが何よりも嫌だった。


 それでいて虚栄心は人一倍強い嫌な男だった。



 あれから25年あまりが経過した。

 今は組織の中で一つの歯車として働いている。

 人にペースを乱されながら必死に生きている。

 虚栄心もなくなった。

 どんなことが起きてもプラス思考で誠実さを大切に生きている。


 人生どうなるかわからない。



 今日も一日が始まる。