虚構の世界~昭和42年生まれの男の思い~

昭和42年生まれの男から見た人生の様々な交差点を綴っていきます

出会ってしまった二人20

2017-09-22 17:01:19 | 小説


 一時間ほどで居心地の良い桃源郷を後にした。
寂れた街並みがまたいっそう味わいの深い趣を見せていた。


 高校を卒業して32年・・・。
 
 「お前、おもしろくない人生やってるよなあ。毎日スーツ着て、決まった時間に起きて、会社に行って。ストレス溜めて。それで生きているっていえんのかよ。」

 18歳の自分が語り掛けてくる。

 「そんなにつまらない生き方して、それでいくらもらえんだよ。月に100万とか200万とかもらえんのかよ。俺はもっと自分らしく生きて人生をのしあがってやる・・・」


 身の程知らずの生意気小僧だった。




 


 そんなことを考えながら家についた。


 五年前に建てた二世帯の家が温かく出迎えてくれる。家族はもう寝ているが、リビングでたたずんでいた。


 

 高校時代の自分、高校時代ののぶりん、現在の自分、現在ののぶりん、いろんな人たちのことを
考えていた。