映画少年

映画と音楽を愛し 教育の未来を想う 少年のつぶやき

「人生の岐路」その9

2017-06-18 04:05:52 | 日記

街には、クリスマスソングが流れ少年の心は浮かれていた。大学生最後の師走であった。あの一件後、特に少年を脅かすような大きな危機は訪れなかった。すでに就職の目処はついており、警備員のアルバイトも週1回に減らし、残り3か月の学生生活をどう楽しもうかと考えていた。

そんなある日、久しぶりに少年のもとを警備員の仕事を紹介してくれたあの先輩が訪ねてきた。

「頼みがあるんだが・・・」
「何でしょう?」
「Sセンターで警備員のアルバイトをしている友人が、1月から正規の職に就くことになったが、代わりを探さないとSセンターをやめられない。やってくれないか?」
「・・・・」
「頼む!」
「・・・、分かりました」
少年は、心と反対の言葉が出てしまったことに自分でも驚いていた。
「いつからでしょう?」
「1月4日から。大丈夫だよね」

Sセンターは、それまで4年間通った施設と違い、利用者は全て大人だった。午後7時に「出勤」し、午前9時に「退勤」する、それをもうひとりの方と二人で回していく。昼間は、自由な時間を過ごせたが、夜の半分は拘束された。前年の秋から計画していた卒業記念欧州旅行の3週間以外は、そうした日が続き、あっという間に3月末を迎えた。4月からは、少年自身も就職するため、あとは後輩に任せることになっていた。

ところが、人生とは予定通りにいかないものである。少年に大きな危機が怒涛のごとく押し寄せてきたのである。
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